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システムアーキテクトの仕事内容とは?試験概要と難易度や合格率を解説
目次
システムアーキテクトとは
システムアーキテクトとは、コンピューターシステムの開発に関わる多くの人が受験する人気の高い資格です。しかし情報処理技術者試験の中ではかなり難易度が高く、そう簡単には合格できないでしょう。システムアーキテクトを取得した場合、情報システム開発の上級工程を主導し情報システムの全体構造を設計すること、また上級エンジニアの育成に携わる業務がメインになるでしょう。
システムアーキテクトの試験の概要
情報処理技術者試験とは、知識や技能が一定水準以上の情報処理技術者であることを認定している国家試験です。特にシステムアーキテクトは公式サイトによると「高度IT人材として確立した専門分野をもち、ITストラテジストによる提案を受けて、情報システム又は組込みシステム・IoTを利用したシステムの開発に必要となる要件を定義します。それを実現するためのアーキテクチャを設計し、情報システムについては開発を主導する者」が認められます。試験内容は、システム構成要素・データベース・ネットワーク・情報セキュリティ・ソフトウェア開発管理技術・システム戦略などがあります。
システムアーキテクト試験の難易度や合格率
国家資格であるシステムアーキテクト(sa)試験の合格率は、平成30年(2018年)で12.6%、令和元年(2019年)では15.3%となっています。出題形式は四肢択一式で、本試験内容の共通知識・専門知識・記述式の部分で100点満点中、60点以上の得点が必要であり、論述式の分野でもA〜Dの4ランク中、Aランクのみが合格ラインである事も難しい試験といわれている理由です。
システムアーキクト試験の受験方法
システムアーキテクト試験は毎年、日程は春期と秋期の第3日曜日に全国主要都市にて行われています(2020年春期は新型コロナウイルスの影響で中止)。インターネットで申し込みをすることが可能で、受験資格は年齢や専門学校や大学卒などの学歴等、必要なスキルも問われませんので未経験の方でも、誰でも受験できます。この試験は申請をすると免除制度を受けられます。条件は、「ITストラテジスト」「プロジェクトマネージャ」「ネットワークスペシャリスト」「データベーススペシャリスト」「エンベデッドシステムスペシャリスト」「ITサービスマネージャ」「システム監査技術者」「情報処理安全確保支援士 」のいずれかの高度試験または支援士に合格していることです。また、いずれかの高度試験の午前I試験で基準点以上の成績を得ている、応用情報技術者試験に合格していることにひとつでも該当している対象者は、その後2年間は午前II試験から受けることが可能です。
システムアーキテクトの試験対策
システムアーキテクト試験の対策法を解説します。ひとつ目は過去問題を解くことです。情報処理推進機構で掲載されていますので活用すると良いでしょう。次に予想問題集や参考書、教科書を使用して勉強する方法です。書店に向かわなくてもAmazonや楽天で購入することができます。ヤフオクやメルカリ等で中古本として販売されている物もありますので、費用を抑えたい方におすすめです。その他に通信教育・通信講座を利用して論述問題を添削してもらいながら学習する、模擬試験を受けて本試験問題に備えるといった方法があります。
システムアーキテクト試験を取得するメリット2つ
さてここでは、システムアーキテクト試験を取得しておくことのメリットを、2つの観点から確認しておきましょう。現代においては、やはりITエンジニア、Webデザイナーやディレクターなどといった、IT関連に精通している人材の確保が重要です。その中でも、システムアーキテクトはかなり需要があると言えるでしょう。
取得するメリット1:企業に重宝される
システムアーキテクトは、スキルレベルの高さを証明するものであり、コンピューターシステムを担う役職の中でもかなり需要があるといわれています。つまり、多くの企業で重宝されるでしょう。
取得するメリット2:他の資格試験を一部免除される
システムアーキテクトの資格というのは、非常に需要の高い資格とされています。また、提示された条件を満たせば他の関連資格が免除されます。資格を取得しているシステムアーキテクトは、企業からのニーズもかなり高いものとなるでしょう。
システムアーキテクトの仕事内容8つ
さてここからは、システムアーキテクトを取得した際に課される仕事内容を、8つの側面から詳細に確認していきましょう。先述のようにシステムアーキテクトというのは「情報システム開発」や「情報システムの全体構造の設計」などをメインの仕事とする上で、ITエンジニア関連に就く技師として一定のスキルを保持していることを証明することになります。
システムアーキテクトの仕事内容1:アーキテクチャの検討・設計
システムアーキテクトとしての基本的な仕事が、情報システムそのものの設計や開発に必要となるツール設計です。システムアーキテクトは従来、システム開発に必要となる要件を定義した上で、その要件を実現する際の「アーキテクチャを設計できる能力」を認定する資格となります。
システムアーキテクトの仕事内容2:コアの実装
システムアーキテクトでは、主にECサイトや基幹システムそのもののアーキテクチャ設計に加え、そのシステムを作動させるコア部分の実装が行われます。一般に見られるECサイトや基幹システムの業務までを含めた、全ITシステムの分析・設計・実装を受け持つ事になるため、将来的な業務の拡大や拡張が見込まれるアーキテクチャ設計に携わることになります。
システムアーキテクトの仕事内容3:バージョンアップ開発
システムアーキテクトの仕事では、リグレッションテストプログラムへの機能追加・バージョンアップなど行います。必要な機能追加がなされているか、バージョンアップとは関係ないプログラムに新たなバグがないかどうかなどを確認する作業をします。
システムアーキテクトの仕事内容4:開発プレイングマネジメント
開発プレイングマネジメントというのは、具体的に企画力・交渉力・管理力・教育力・学習力・決断力などの企画力が求められることになります。ビジネス規模を拡大する際には不可欠な役職となるでしょう。顧客ニーズと企業ニーズとの合致を図りつつ、どのようなシステムモデルを開発すれば良いかをリアルタイムで考えていく必要があります。
システムアーキテクトの仕事内容5:社内システムの要件定義
企業のIT業務を見通すうえで、さまざまな顧客ニーズ・企業ニーズを満たせるようなビジネスモデルを検討する必要があります。そのプランを作成するうえで基準となる根幹がシステムアーキテクトに課されます。また、ビジネスモデルを初めから設計していく中で、企業の将来ビジョンの設計、またそのための段取りが必要となります。つまり、社内システムの要件定義では、それらの課題を現行の作業から組み立てる知識が求められるでしょう。
システムアーキテクトの仕事内容6:新規システム開発
システムアーキテクトの仕事で重要になるのがこの「新規システム開発」であり、これはその名のとおり新しい企画・商品作成を行う大事な過程となります。その企業に求められるシステム開発をITニーズ・顧客ニーズの両面から把握し、今までの工程を踏まえてどのように開発・発展させていけばよいかを考えます。
システムアーキテクトの仕事内容7:社内の基幹システムの設計・構築
社内の基幹システムの設計・構築というのは、全IT作業にかかわるシステムモデル設計を指します。そこで組み立てられたITモデルを実際に活用し、その後の企業開発に組み入れていきます。そのため、システムアーキテクトに求められる能力としては、現在の顧客ニーズ・企業ニーズの把握はもとより、将来ビジョンの具体的な構築技術が求められるでしょう。
システムアーキテクトの仕事内容8:企画段階からの参画
企画段階からの参画とは、その企業の業務全体を把握し、現行モデルから将来モデルへの変遷を含めて請け負うモデル設計をいいます。そのため、どのようなプロジェクトにおいても、その初期段階からすべて把握し、企画段階から携わっておく必要があります。
システムアーキテクトに必要な能力5つ
さてここからは、システムアーキテクトに求められる能力や技術を5つの側面から具体的に検証していきましょう。システムアーキテクトに求められる能力・スキルは、プログラミング言語の知識、各種システムに関わる知識と活用、開発対象の業種や業務に対する知識、他部署や同部署内の社員とのコミュニケーション力、プレゼンテーション能力などです。
システムアーキテクトに必要な能力1:プログラミング言語
コンピューター設計・システムモデルの開発の基礎となる「プログラミング言語」の知識は必須でしょう。さまざまなWebアプリを作成する際にも必ずプログラミング言語が用いられますし、サイト構築する上では、プログラミング言語の活用や作成ツールの知識など、その関連知識も必要になってきます。
システムアーキテクトに必要な能力2:各システムに関わる知識
システムの設計には、さまざまなコンピューターツール・Webアプリが必要です。それぞれのシステムの知識に精通することが、システムアーキテクトには求められます。現在から将来にかけて必要となる情報システムを作成するためには、この点も必須となるでしょう。
システムアーキテクトに必要な能力3:開発対象の業種・業務に対する知識
システムアーキテクトに求められるのは技術や能力だけでなく、全体的な把握能力・俯瞰力などもあります。物事を単一的に把握するのではなく、システム設計に必要なすべての分野に精通する必要があります。そのため、開発対象となる業種や業務への理解を深めておき、その後の開発に必要な作業分析・整理が必要となるでしょう。
システムアーキテクトに必要な能力4:コミュニケーション
これはIT関連の業務には多く求められる能力ですが、1人のエンジニアが業務内容を理解していても意味がなく、その内容や作業を、別の人や他部署に対して説明できる能力が必要となります。システムアーキテクトは、コミュニケーション能力も伸ばしておきましょう。
システムアーキテクトに必要な能力5:プレゼンテーション
先述のコミュニケーション能力につながる内容になりますが、システムアーキテクトに求められる能力で見落とされがちなのがこの「プレゼンテーション能力」や「コミュニケーション能力」です。重要な役職に就けば、プレゼンテーションやコミュニケーションがより仕事内容の比率として大きくなっていきます。システム開発によって導入される新たなビジネスモデルを説明する場合に、説得力のある具体的なプレゼンテーションするスキルが求められます。
試験を受けてシステムアーキテクトになろう
いかがでしたか。今回は「システムアーキテクトの仕事内容」をはじめ、その際に資格を取得するメリット2つをご紹介しました。システムアーキテクトはかなり上級の資格となるので、あらゆるIT企業から重宝されるでしょう。ぜひ、資格取得を目指しましょう。