AIの開発の流れ5つ|覚えるべきプログラミング言語や勉強方法を紹介
- SE
- AIを開発するには何から始めればいいでしょうか?
- PM
- まずはデータ収集を行い、データ処理や機械学習を行う必要があります。
この記事でわかること
AI(人工知能)とは
AI(人工知能)とは、「Artificial Intelligence」の略称であり、学習・推論・判断などの人間が有する知的な振る舞いを、ソフトウェアにより人工的に再現したシステムです。AIには、「特化型人工知能」と「汎用人工知能」の2種類があります。両者の特徴や違いについて、以下で詳しく紹介して行きましょう。
特化型人工知能
「特化型人工知能」とは、限定された課題に特化して学習を行い、タスクを実行するタイプのAIを指します。画像認識・音声認識・自然言語処理などの能力を備えており、ビジネス等で幅広く利用されています。
汎用人工知能
「汎用人工知能」とは、特定の課題に特化せずに柔軟なタスクが実行できる、特化型人工知能と比べてより人間に近い思考能力を持った人工知能です。自ら学習を行い、問題を処理する能力を身につけることができるため、あらかじめプログラムされた機能以上の働きが期待されます。しかし、実用化に至っている汎用人工知能は、現時点では存在しません。
ビッグデータとは
ビッグデータとは、さまざまな形式や性質、種類を備えたデータのことです。データの「量(Volume)」「種類(Variety)」「発生頻度・更新頻度(Velocity)」を意味する「3つのV」で構成されており、日々更新されていく膨大なデータを保管し、従来は管理しきれずに見落とされてきた情報を、ビジネスやシステム開発に役立てる目的を担っています。
AI開発は可能か
AIはAIプラットフォームを利用することで開発できます。AIの開発というと非常に難しそうですが、実際にはコーディングをしなくてもAI開発ができるツールが存在します。AI開発の流れが活発になるにつれ、簡単にAIの構築が可能なツールも増えてきています。ここではAI開発について解説していきますので、興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
AIが開発される目的
AIが開発される目的は、多種多様なAIを開発することで、人々の生活を支えるためです。例えば、AIはWebアプリケーションやサブスクリプション形式の音楽サービスなど、人々の生活に密接に関わっている様々なツールに実装されています。また、少子高齢化が進んでいる現代社会において、AIが「労働力」になる可能性が期待されています。豊かな生活や明るい未来のために、AIの開発は重要であると言えるでしょう。
AIプラットフォームとは
AIプラットフォームとは機械学習のためのプラットフォームです。AIプラットフォームはAIの学習を効率的に進めるためのプラットフォームで、AIエンジニアをサポートするものです。また、最近はAI構築をサポートするだけでなく、トラブルを予測したり、不具合を検出したりするような機能を備えているAIプラットフォームもあります。
AIの開発の流れ5つ
続いては、AIの開発の流れについてご紹介します。AIを開発する場合には、実際にはどのような流れでプロジェクトを進行することになるのでしょうか。まずはデータ収集を行い、それを機械学習で利用できるよう処理するといったように、流れに従って開発を進めるとスムーズです。ここではAI開発の流れ5つをご紹介しますので、興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
1:データ収集
AI開発を行う場合、まずは機械学習用のデータ収集を行う必要があります。AI開発のためには学習用のデータを集める必要があります。データ収集にはいくつかの方法がありますが、インターネット上に公開されているデータを利用する、自社で蓄積したデータを使うといった方法があります。開発するAIに適したデータを集める必要があり、データの量によって精度にも差がでるため、データ収集は非常に重要な工程になります。
2:データ処理
AI開発を行う場合、機械学習に使えるようにデータ処理を行う必要があります。集めたデータはそのまま学習に流用できるわけではありません。生のデータは入力ミスやノイズ、欠損などがあるため、使用できるようにデータクレンジングと呼ばれる作業が必要になります。仮に未処理のままのデータを学習に用いると、精度が悪い場合や間違ったモデルが構築されるといった可能性があります。
3:機械学習
AI開発を行う場合、集めたデータを使って機械学習を行います。機械学習を行う場合、モデルを構築し学習を行います。モデルの構築ではどのようなアルゴリズムを利用して学習を行うのかを設定し、実際にモデルの学習を行います。学習が完了したら、テストデータによって学習の精度を確かめ評価を行います。精度が期待に満たない場合は、学習と評価を繰り返すことになります。
4:運用
AI開発を行う場合、最後に運用を行います。機械学習によって高い精度の人工知能が完成したら、実際に成果物の運用を行います。運用を行ううちに期待したパフォーマンスが出せなかったり、新しい課題が出てきたりするため、その都度改善を行うことになります。このようなサイクルでAI開発は行われています。
5:保守・改善
AIを開発して運用したらいったんは区切りとなりますが、導入後の保守も重要です。AIの開発段階ですべての問題が想定できるわけではなく、後から問題が発生するケースも多く見られます。後で問題が見つかったら、機械学習をやり直す再学習や、対象となるデータの見直しなどの改善が求められます。そのため、AI導入後も保守を行って状況を確認し、必要に応じて改善する必要があるのです。
おすすめのAIプラットフォーム4つ
AI開発におすすめのAIプラットフォームをご紹介します。AIプラットフォームにもさまざまな種類があり、中には初心者でも気軽にAI開発に挑戦できるものもあります。それぞれのプラットフォームの特徴を知って、自分に向いたものを探すことが重要です。ここではおすすめのAIプラットフォームを4つご紹介しますので、便利なAI開発プラットフォームを利用してAI開発を行いましょう。
1:AWS
AWSとは、Amazonが提供しているさまざまなクラウドコンピューティングサービスのことです。AWSはAmazon Web Servicesを略した言葉で、AWSでは提供されている100種類以上のサービスを利用できます。AWSはサーバーやストレージなどを提供してくれるため、パソコンがあればあとはパソコンの容量を気にすることなくAWSの中でAI開発が行えます。
2:Azure
AzureとはMicrosoftが提供しているさまざまなクラウドサービスの集まりです。Azureはビジネスの課題に対応するためのクラウドサービスです。さまざまなツールやフレームワークを利用して、Azureの中でアプリケーションを構築したり、管理したりすることができます。Azure AIを利用することにより、効率的なAI開発が実現できます。
3:IBM Watson
IBM WatsonとはIBMが開発した質問応答システム・意思決定支援システムです。IBM Watsonはビジネスに活用できるシステムで、あらゆる業務やシーンでユーザーのサポートを行います。IBM Watsonを利用することで、AIを効率的に開発することが可能になります。
4:Google Cloud Platform
Google Cloud Platformとはクラウド上でGoogleが提供しているサービス群の総称です。Google Cloud Platformは利用者のインフラ環境をクラウド化できるシステムで、最初から基本的な構成要素が用意されていることで素早いAI開発が可能になります。
AI開発で使われる言語10選
続いて、AI開発に用いられる言語をご紹介します。プログラミング言語にはさまざまな種類があり、それぞれに得意不得意があります。AI開発の際には、AI開発に適した言語を利用する必要があります。ここではAI開発で使われる代表的な言語を10個ご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
1:Python
PythonはAI開発に役立つライブラリが用意されている言語です。Pythonの特徴として少ないコードで簡潔に書けるため、コーディングの負担が少ないという点があります。そのため、PythonでAI開発を行う人は多いです。また、AI開発が効率化できるさまざまなライブラリもあるため、AI開発初心者でも使いやすいでしょう。
2:JavaScript
JavaScriptはブラウザで動かせる言語です。JavaScriptはWebアプリケーションの開発に適した言語ですが、AI開発でも活用されています。JavaScriptでは、機械学習をWebブラウザから利用するためのライブラリが公開されており、学習済みモデルもブラウザで利用できます。
3:C++
C++はC言語の拡張したオブジェクト指向の言語です。C++はC言語と互換性があるため、AI開発でも組み合わせて利用されることが多いです。C言語の特徴として処理速度やハードウェアリソースの有効活用があり、速度も速いため、人工知能の開発に適しています。
4:R言語
Rは統計解析に特化した言語です。Rはデータ分析や統計解析などのデータサイエンスの分野で活用される言語で、統計や解析においては他の言語と比較して非常に優秀です。データ解析や統計やAIの分野では必須となるため、AI開発においてR言語は非常に役立つ言語だと言えるでしょう。
5:Java
Javaは非常に汎用性の高い言語です。世界でもっとも利用されているJavaの魅力は、OSに依存しない汎用性です。Javaで開発したものはさまざまなデバイスで利用できるため、AI開発の分野でもJavaは利用されています。ただし、Javaは仮想マシンがあることでさまざまなデバイスで動作する仕組みになっているため、仮想マシンのためのリソースも必要とするというデメリットもあります。
6:Julia
Juliaはオープンソースの計算向けの言語です。機械学習や統計、データ分析などで使われることが多い言語で、処理速度がとても速く、高いレベルで高パフォーマンスな技術計算ができる魅力があります。ライブラリが整っているとは言い難い点がデメリットですが、今後の発展に期待が持てます。
7:Haskell
Haskellは関数型の言語で抽象化を得意としています。バグが起きにくく安全にシステム運営ができることから、取り入れられる場面も増えています。ただし、開発者が少なくライブラリもあまり充実していない、学習コストが高いなどのデメリットもあります。初心者向けではありませんが、保守性や信頼性の高いシステム作りに役立つ言語です。
8:Matlab
Matlabは、ディープラーニングに優れた言語です。ディープラーニング(深層学習)は、機械学習の一種で、人間の自然な動作や思考などをAIに学習させます。AIを発展させ、汎用人工知能の実用化を目指すにあたって、重要な言語であると言えます。
9:Prolog
Prologは、「推論」に特化した言語です。AIにデータをプログラミングし、インプットされた情報をもとに推論を行います。複数のデータから推論して答えを導き出せるため、複雑な質問にも答えられるようになるなど、AIの思考能力を大幅に高めることができる言語です。
10:Lisp
Lispは、「List Processor」の略称であり、データリストの処理ができる言語です。「関数型プログラミング」という方式をとっている言語であり、AIの機械学習に特化しています。堅牢なプログラムが作れる言語として注目を集めています。
- SE
- プラットフォームや開発言語を揃えることがAI開発にとって重要なのですね。
- PM
- そうですね。確かに簡単な開発ではありませんが、効率的な開発は可能となります。
AI開発プラットフォームを導入しよう
AI開発はハードルが高いように思えますが、AIプラットフォームやAI開発に適した言語を利用すれば、効率的に開発を行うことができます。ぜひこの記事でご紹介したAI開発プラットフォームを利用して、AIの開発にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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