
pikを使ったRubyのバージョン切り替えの方法を紹介
目次
Rubyのバージョンアップについて
今回は、Rubyのバージョンアップ・バージョンダウンの方法について説明します。
Rubyでの開発において、複数のバージョンを扱うことがあります。
例えば、システムAはバージョン2.6で開発し、システムBはバージョン2.7で開発する、といったケースがあります。
このような場合、複数のRubyのバージョンを切り替えて使用する必要があります。
つまり、バージョンアップ・バージョンダウンしながら使用するということです。
Rubyのバージョンアップ・バージョンダウンの方法に興味のある方はぜひご覧ください。
Rubyのインストール
現在、Ruby2.6.6が、””C:\ruby\Ruby26-x64″”にインストールされているとします。
コマンドプロンプトを開き、バージョンを確認してみます。
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C:\Users\user>ruby -v ruby 2.6.6p146 (2020-03-31 revision 67876) [x64-mingw32] C:\Users\user> |
Ruby2.6.6はシステム環境変数へパスが追加されている状態です。
ここに、追加でRuby2.7.1をインストールします。
下記URLからRubyInstallerでRuby2.7.1をダウンロードし、””C:\ruby\Ruby27-x64″”にインストールします。
https://rubyinstaller.org/downloads/
このとき、システム環境変数へはパスを追加しないようにしてインストールします。
複数のRubyを管理する場合、特定のフォルダ配下に複数のバージョンをインストールするようにするとよいです。
2つのバージョンが存在している状態です。
以降の章で、Rubyのバージョンアップ・バージョンダウンの方法を紹介します。
pikのインストール
Rubyのバージョンアップ・バージョンダウンするにはpikというツールを使用します。
ここでは、以下URLからpik0.2.8をインストールします。
https://github.com/vertiginous/pik/downloads
msiを使ってインストールすると、デフォルトでCドライブ直下にインストールされます。
コマンドプロンプトから、pikのバージョンを確認してみます。
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C:\Users\user>pik -v pik 0.2.8 C:\Users\user> |
pikのバージョンが表示されたので、pikは正常にインストールされています。
pikでバージョン登録
pikでRubyのバージョンアップ・バージョンダウンするための準備をします。
まず、pik listを実行すると、「Adding: 266: ruby 2.6.6p146」と表示されます。
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C:\Users\user>pik list creating C:\Users\user\.pik ** Adding: 266: ruby 2.6.6p146 (2020-03-31 revision 67876) [x64-mingw32] Located at: C:\ruby\Ruby26-x64\bin * 266: ruby 2.6.6p146 (2020-03-31 revision 67876) [x64-mingw32] C:\Users\user> |
再度、pik listを実行すると、現在ruby 2.6.6が選択されていることが分かります。
「*」がついている行が、選択されているバージョンを意味します。
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C:\Users\user>pik list * 266: ruby 2.6.6p146 (2020-03-31 revision 67876) [x64-mingw32] C:\Users\user> |
pikにRuby2.7を追加します。
追加するには、pik addコマンドを実行します。
addの後に、Rubyのバイナリファイルが格納されているフォルダを指定します。
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C:\Users\user>pik add C:\ruby\Ruby27-x64\bin ** Adding: 271: ruby 2.7.1p83 (2020-03-31 revision a0c7c23c9c) [x64-mingw32] Located at: C:\ruby\Ruby27-x64\bin C:\Users\user> |
再度pik listコマンドを実行すると、2つのバージョンが登録されていることが分かります。
ここではまだ、ruby 2.6.6が選択されている状態です。
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C:\Users\user>pik list * 266: ruby 2.6.6p146 (2020-03-31 revision 67876) [x64-mingw32] 271: ruby 2.7.1p83 (2020-03-31 revision a0c7c23c9c) [x64-mingw32] C:\Users\user> |
pik listコマンドでバージョンのリストが表示されるようになると、””C:\Users\user\.pik””フォルダにconfig.ymlファイルが生成されています。
中身は以下のようになっています。
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--- ""266: ruby 2.6.6p146 (2020-03-31 revision 67876) [x64-mingw32]"": :path: !ruby/object:Pathname path: C:/ruby/Ruby26-x64/bin ""271: ruby 2.7.1p83 (2020-03-31 revision a0c7c23c9c) [x64-mingw32]"": :path: !ruby/object:Pathname path: C:/ruby/Ruby27-x64/bin --- {} |
pik listコマンドで表示されるバージョンが記載されていることが分かります。
pikでバージョン切り替え
pikでRubyのバージョンアップ・バージョンダウンしてみます。
pik listでruby 2.6.6p146が選択されている状態から、バージョンアップします。
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C:\Users\user>pik list * 266: ruby 2.6.6p146 (2020-03-31 revision 67876) [x64-mingw32] 271: ruby 2.7.1p83 (2020-03-31 revision a0c7c23c9c) [x64-mingw32] C:\Users\user> |
pik useコマンドを使用して、バージョンアップします。
pik useの後に、3桁の数字を入力します。
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C:\Users\user>pik use 271 C:\Users\user>pik list 266: ruby 2.6.6p146 (2020-03-31 revision 67876) [x64-mingw32] * 271: ruby 2.7.1p83 (2020-03-31 revision a0c7c23c9c) [x64-mingw32] C:\Users\user> |
pik listコマンドで確認すると、バージョンアップされています。
Rubyのバージョンが変更されたことを確認してみましょう。
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C:\Users\user>ruby -v ruby 2.7.1p83 (2020-03-31 revision a0c7c23c9c) [x64-mingw32] C:\Users\user> |
ruby 2.7.1p83に変更されていることが分かります。
再度、pik useコマンドで266を指定すれば、バージョンダウンできます。
このようにして複数のRubyのバージョンを切り替えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、Rubyのバージョンアップ・バージョンダウンの方法について説明しました。
Rubyでの開発において、複数のバージョンを扱うことがあります。
このような場合、複数のRubyのバージョンを切り替えて使用する必要があります。
そのためのツールとして、pikを紹介しました。
ぜひご自身でインストールしてみて、理解を深めてください。