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【視点別】PMOを導入する効果|プロジェクト経営への効果7つ

2020年05月27日

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PMOを導入するとどのような効果を得られるのでしょうか?

PM
品質を高度化でき、コミュニケーションの円滑化など、さまざまな効果が期待できます。

PMOとはどんな組織?

PMOとは「Project Management Office」の略で、日本でも一般的に「プロジェクトマネジメントオフィス」と呼ばれています。企業や組織内の個々のプロジェクトのマネジメントを、各部門やチームを越えて横断的に支援する部門などのことです。システム開発を請け負うIT系企業などでは導入が進んでいましたが、プロジェクト管理の重要性が認識され始め、さまざまな業態の企業へも広がってきました。

PM(プロジェクトマネージャー)との関係性

プロジェクト全体に責任を持ち、管理をするのはPM(プロジェクトマネージャー)です。ただ、その仕事は多岐に渡っている為、PMだけですべてをこなすのは現実的ではありません。このPMの業務をサポートし、実務的な作業や情報の収集、分析など、プロジェクトの管理に関わる仕事全般を担うのがPMOです。PMはプロジェクト全体を見渡して、品質や納期を管理する為の戦略を練るなどの本来業務に専念できるようになります。

職種

日本PMO協会によれば、PMO内での一般的な職種は、PMOアドミニストレータ、PMOエキスパート、PMOマネージャーの3つに分類されます。PMOアドミニストレータはPMO事務とも呼ばれ、データの収集や共有、経費処理や勤怠管理など、社内プロセスを円滑化する役割を担います。PMOエキスパートはプロジェクト環境を整え、ルールを策定し標準化をする役割を担います。分析作業や人材育成も行います。PMOマネージャーはPMOの長として、マネジメント業務全般を担います。

【視点別】PMOを導入する効果

PMOを導入することによって得られる効果を、2つの視点からご紹介します。企業の業種や業態によってプロジェクトの形はさまざまです。その為、必要なPMOの形や期待される役割も、それに合わせたものにしなくてはなりません。どこに重点を置いたPMOを設立すべきかを考えていく過程では、これまでのプロジェクトの問題点を見つけて、改善していくことも可能でしょう。

プロジェクトを遂行する現場への効果5つ

PMOを導入することは、プロジェクト現場にとって大きなメリットがあります。PMOの主な仕事のひとつは、プロジェクト内での共通のルールを作ることです。メールや報告の手順や様式を整えたり、メンバー内で情報を共有したりすることで、プロジェクトが円滑に進むようにサポートします。PMの指示を現場に伝えたり、現場の声をPMや経営層に伝えたりして橋渡しをすることも大きな仕事のひとつです。

現場への効果1:ベストプラクティスを共有できる

ベストプラクティスとは、何かを成し遂げるための最も効率的なプロセスや技法、手法などのことです。「最善慣行」や「最良慣行」と訳されることもあります。企業にはさまざまなプロジェクトの成功例が積み重なっています。これまでのベストプラクティスを共有できることは、現場にとって大きなメリットがあるでしょう。

現場への効果2:品質を高度化できる

PMOでは、プロジェクトの進捗・品質管理も行います。各プロジェクトや、プロジェクトのチーム内で一定の基準を保つために基準値や標準値を策定するのも、PMOが担う仕事の一つなのです。例えばシステム開発のプロジェクトでは、プログラミングの際の標準を決めたり、成果物の品質の指標を作成し評価したりもします。統一した基準を設けることで、品質の高度化を図ることができます。

現場への効果3:リソースの確保・調達を迅速化する

リソースとは「資源・資産」という意味です。ビジネスでは業務用の資源(人・モノ・資金)全般を指しますが、プロジェクトの場合は人材を指すことも多い言葉です。複数のプロジェクトを同時進行している場合、社内のリソースは限られています。現場それぞれで動くのではなく、PMOが各部門とも調整を図りながら、まとめてリソースの確保や調達を行うことで、迅速化することが可能となります。

現場への効果4:コスト・スケジュール管理の高度化

プロジェクトでは、最初に計画した予算と期間の範囲内で目的を達成しなければなりません。通常プロジェクトでは、いくつものチームに分かれて業務を遂行しています。そのため、予算をオーバーしていたり、進捗の遅れが発生したりしていても、ギリギリまでわからない可能性があります。PMOが情報を吸い上げる仕組みをつくり、常に進捗などを一括管理することで、コストやスケジュール管理の高度化を図ることが可能となります。

現場への効果5:コミュニケーションの円滑化

プロジェクトでは、さまざまな立場の人たちがステークホルダーとして関わってきます。PMの意思や指示を現場に伝えるだけが、PMOの仕事ではありません。それぞれで動いている現場やベンダー、取引先などの意見や思いを汲み上げて、コミュニケーションの円滑化をはかることもPMOの大事な仕事となります。場合によってはメールのルールの標準化など、コミュニケーションの負担を減らす仕組みを作り上げることもあります。

プロジェクト経営への効果7つ

PMOを導入することは、経営側にとっても大きなメリットがあります。企業の業種や業態によってPMOもさまざまな形を取ります。プロジェクトの中に設置し、運営事務局としてPMの元でサポート的な役割を担う場合もあります。ここではプロジェクトの上位に設置し、個々のプロジェクトの管理や調整を行うタイプのものをメインにご紹介します。

経営への効果1:適切な環境を整備できる

個々のプロジェクトに責任を持つのはPMですが、状況を適切に判断する為には情報を集め、さまざまなデータを分析していくことが欠かせません。またメンバーを管理したり、ステークホルダー間の調整をしたりする必要もあります。そういったサポートをするのがPMOの役割のひとつです。PMOを導入することで、プロジェクトマネジメントの進行に適切な環境を整備することができます。

経営への効果2:手法・知識を標準化できる

いくつものプロジェクトを抱えている企業の場合、すべてのプロジェクトがいつもうまくいくとは限りません。メンバーや環境にもよりますし、情報も属人化してしまいがちです。PMの能力や経験もさまざまです。第三者として、PMOが俯瞰的な立場から共通する管理法などを提供することで、すべてのプロジェクトでマネジメントの手法や知識を標準化することができます。

経営への効果3:進捗状況を可視化する

個々のプロジェクトの進捗状況は、外からは見えにくいものです。プロジェクトのスケジュール管理はPMOの大事な仕事のひとつです。場合によっては必要なツールを整備し進捗状況を可視化することによって、納期や期限に遅れないように調整や管理もします。ギリギリでのトラブルを防ぎ、早めの対応を取ることが可能となります。

経営への効果4:優先順位付けできる

複数のプロジェクトを同時進行している場合、さまざまな状況や情勢の変化によって優先順位を付ける必要が出てくる場合があります。PMOがすべてのプロジェクトの内容や進捗状況を管理していることによって、重要なプロジェクトへ優先的に優秀な人材を充てるなど、必要なリソースの振り分けもすばやく判断することが可能となります。

経営への効果5:経営判断を迅速化する

一定期間を必要とするプロジェクトの進行中には、市場や情勢の変化などにより事業の変更を迫られる場面もあります。また、なんらかのトラブルが発生する場合もあるでしょう。個々のプロジェクトの状況は経営層には見えにくいものですが、PMOは常に状況をチェックしており、また普段から現場と経営層をつなぐ役割も果たしています。PMOから素早い報告を受けることで、迅速に経営判断をすることができるでしょう。

経営への効果6:人材の安定的な育成が可能

プロジェクト管理では、さまざまな調整をし、決断を下していく必要があります。予算や進捗などにも常に目を配らなければなりません。その成否は、PMなどマネジメントに関わる人間の資質によるところが大きいのです。こういった人を対象にマネジメントの手法や知識を得るための研修をしたり、アドバイスをしたりすることもPMOの仕事のひとつです。PMOを置くことによって、マネジメント人材の安定的な育成が可能となります。

経営への効果7:経営者の支援工数を軽減する

すべてのプロジェクトを成功に導くためには、経営者が全体の状況を把握し、戦略を練り、支援していかなければなりません。PMOはトラブルや問題点などを分析し、現場の状況も集め、まとめた形で経営者に報告をします。プロジェクトと経営者とのコミュニケーションの橋渡しも重要な役割です。ある種、参謀的な立場でサポートをするので、経営者はプロジェクトへの個別の支援工数を軽減することが可能となります。

PMOの導入方法2つ

ひとことにプロジェクトといっても、さまざまなものがあります。それに対応するPMOも、さまざまな形が考えられるでしょう。数百人規模のプロジェクトなのか小規模なものなのか、また大企業なのか中小企業なのかによっても、必要なPMOの規模や機能が異なります。大きく分けて「すべてのプロジェクトを管理するPMO」と「プロジェクトの中に設置してマネジメントをサポートするPMO」に分けられますが、決まった形はありません。

PMOの導入方法1:設立までの手順は?

まずはプロジェクトマネジメント自体の見直しが必要です。プロジェクトの数や業態によって、PMOの形態もいろいろです。いくつものチームを抱えるプロジェクトなら、チーム間の調整が重要でしょう。複数のプロジェクトを抱える企業なら、プロジェクトの間に立って調整する機能を持ったPMOが必要でしょう。PMOがスムーズに仕事を進めていく為には、どこまでの権限を持たせるのかを、ある程度、決めておくことも重要です。

PMOの導入方法2:人員の決め方

プロジェクトにふさわしいPMOの形態が決まったら、メンバーを決めていきます。システム開発などIT系の企業によくある形態のPMOならば、ベンダーやエンジニアとの折衝なども含まれてきますので、ある程度の知識を持っていることは必要でしょう。契約に関わる場面やプロジェクト内での共通様式の選定など、PMO内での仕事もさまざまなので、ふさわしい人員を選ぶことが必要です。

必要なスキル・資格を持っているか

PMOで働くには、「プロジェクト」についての知識や経験は必要でしょう。プロジェクトのメンバーやPMとしての経験も役に立つはずです。専門家としての資格には、「PMBOK」を出している米国PMIが認定する「PMP」、そして日本MPO協会の「NPMO認定PMO-S」があります。また現場での技術的、組織的な問題や悩みに臨機応変に対応するには、その分野のスキルは、あったほうがいいでしょう。

一般社団法人PMI日本支部:公式
日本MPO協会:公式

PMOとして向いているか

知識やスキルを持っていたとしても、PMOとして成功するとは限りません。PMOに何より求められるのは、コミュニケーション能力や調整力です。いくらプロジェクトのプロセスを標準化して、PMや経営層の意思を周知徹底する環境を整えても、実際に現場で動いているのは人間です。プロジェクト内の各チームなどのメンバーや、ベンダー企業などステークホルダーと渡り合える人間性が必要となるでしょう。

PMO導入の課題2つ

日本でのPMOはITや建築業界での導入が先行していたこともあり、数百人規模の大プロジェクトを扱う企業向けのものだと思われていました。しかしプロジェクトマネジメントの考え方自体は、企業の大きさに関わらず、チームで目標達成を目指す際には役に立つものです。日本PMO協会では、資格制度だけでなく教育・研修などMPO導入に向けた支援も行っているので、ぜひ確認してみてください。ここでは、日本での現状と課題を確認してみましょう。

日本NPO協会公式

PMO導入の課題1:中小企業への導入率の少なさ

PMOは大企業や複数のプロジェクトを同時進行している企業のものだというイメージがある為、中小企業への導入率はまだ低いままです。しかし企業規模を問わず、コスト管理や進捗管理などマネジメントの手法や知識は必要なものです。自社内で人材やスキルを揃えることが難しい企業向けには、プロジェクトごとにPMOの人材を提供する会社も増えてきました。規模によって1人のこともあれば、チームで派遣する場合もあります。

PMO導入の課題2:設立手法が分からない

PMOのメリットは分かっていても、そもそもどうやって設立したらいいのか分からない、というのは大企業でもよくあることです。「日本MPO協会」や「MPI日本支部」などでは、各種セミナーや研修なども用意されていますので、ぜひ公式サイトを確認してみてください。また世界でのプロジェクトマネジメントの基準書となっているのは、MPIが出している「プロジェクトマネジメント知識体系ガイド PMBOKガイド」です。

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PMOの経験者に訊く:日本PMO協会公式サイト

SE
PMOの導入率はまだまだ低いのですね。

PM
そうですね。これから導入企業が増えていくことが洋装されるので、今のうちから導入を検討しておきましょう!

PMOの導入を考えよう

プロジェクトを成功に導く為には、個々の案件を効率的にきちんと管理することが必要です。事業計画を立てた後はPMに丸投げという経営層も多いのですが、それでは急な情勢の変化などに対応していくことはできません。PMOは専門家としてプロジェクトを実務的な面からもサポートし、情報を集め、データを分析し、進行や進捗を管理します。また、組織にプロジェクトマネジメントの手法を浸透させていく役割も担っているのです。ぜひPMOの導入を検討してみましょう。


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