Entity FrameworkのJoinを使って複数テーブルからデータを取得する方法
アプリケーションの開発を経験された方でしたら、データベース へアクセスし、複数テーブルを結合させてデータを取得するといったSQLのコーディングを行ったことがあるのではないでしょうか。
その際に使用するのがJoinです。Entity FrameworkでもこのJoinを活用してデータを取得することが可能ですので、ここではその方法を紹介します。
- SE
- SQLにはJoinって内部結合と外部結合が存在しますが、Entity Frameworkでも両方できるのでしょうか?
- PL
- はい。もちろんできますよ。C#側でコーディングするSQLといった感じでしょうか。一緒に結合のプログラミング方法を見ていきましょう。
目次
複数テーブルからデータを取得する
Entity Frameworkはデータベースにアクセスする際に、本来必要なSQLをコーディングしなくても、アクセスすることができる機能です。
Entity Framework を経由してデータベース(SQL ServerやOracleなど)にアクセスするLINQ機能をLINQ to Entitiesといいます。このLINQ to Entitiesにおいて、データベースにある複数テーブルを結合してデータを取得する際に利用する命令が「Join」です。
このLINQ to EntitiesはSQLに変換されてデータベースで動作します。そのため、結合するにはSQLと同じ命令であるJoinが必要となります。JoinはSQLコーディングの中でも必須の知識ですので、理解は早めに深めましょう。
LINQ to EntitiesでJoinを使用したサンプルプログラム
以下のソースはLINQ to Entitiesを活用して、内部結合を行うサンプルです。Joinはメソッド構文でコーディングします。
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using System;
using System.Linq;
using System.Windows.Forms;
namespace WindowsFormsApp11
{
public partial class Form1 : Form
{
public Form1()
{
InitializeComponent();
}
private void button1_Click(object sender, EventArgs e)
{
using (DB_TESTEntities dbContext = new DB_TESTEntities())
{
var result =
dbContext.Userclasses.Join(
dbContext.Kyoukas,
u => u.ID,
k => k.Userclass_ID,
(u, k) => new { u.USERName, k.RisyuKyouka }).ToArray();
foreach (var item in result)
{
textBox1.Text = item.USERName;
textBox2.Text = item.RisyuKyouka;
}
}
}
}
}
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実行画面
実行結果
テキストボックス上にUSERNameの内容が反映され、下には科目の内容が出力されています。
データベースの内容は以下とします。
- PG
- Entity FrameworkでJoinを活用するって覚えることが多そうですね。でも早めにLINQ to Entitiesの知識は習得します。
- PL
- LINQ to EntitiesはSQL Serverにとらわれないところがいいですよね。また、Entity Frameworkからはストアドプロシージャを呼び出すことも可能ですから、両方活用できたら現場でも即戦力ですね!
SQLクエリよりもEntity Frameworkを活用しましょう
SQLクエリよりもEntity Frameworkを活用したクエリの方がコーディング量はぐっと減り、開発生産性が向上するでしょう。まだまだ多くの現場では、ADO.NETのデータセットを利用してのデータ取得が多くを占めています。
しかし、マイクロソフトのデータアクセス技術は、Entity Frameworkの機能強化を中心に行われていますので、これからますます利用する機会は増えていくことでしょう。Entity Frameworkを扱うには知識が必要ですが、使いこなせれば開発者にとっても使い勝手がいいでしょうし、保守もしやすいです。
複数のテーブルからデータ取得を行う際には、Entity FrameworkのJoinを積極的に活用していきましょう。