【日本のITシステム管理】日本ではIT予算の8割が既存システムの管理に使われている

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日本のIT予算の大部分を占めているのは「既存システムの維持や管理」と言われています。
なぜシステムの維持や管理にそれほど多くの予算が割かれているのでしょうか。
今回は、その理由等を含めIT業界の予算管理について紹介します。

IT予算、既存システムと新規システムの比は8:2

日本情報システム・ユーザー協会が公表した『企業IT動向調査2019』によると、ランザビジネス(既存ビジネスの維持や管理)に使われるIT予算と、バリューアップ(新規開発)に使われるIT予算の割合は8:2の割合でランザビジネスの方が多いことがわかります。

過去の実績を調べたところ、2014年度以来この8:2という割合はほぼ変わっていません。
ランザビジネスに予算の9割以上を割いている企業は全体の4割にも上っており、新規開発よりも既存システムの維持に多くのお金を投じていることが見て取れます。

新規開発に対して消極的な企業が多くなったためか、既存システムの維持に多くのコストを割かなければならないビジネスが増えたためなのか、この資料だけではわかりません。
少なくとも予算という側面からは、新規開発に回せるお金が維持に回されるお金に比べて非常に少ないことがこの調査結果からわかります。

予算振り分けの問題と2025年の目指す姿

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予算の多くが既存システムの運営や管理に使われているのは理由があります。
まず、古いシステムを構築していった世代の引退による人材不足です。
「引退した人の代わりに若い世代を古いシステムのメンテナンスに充てれば済む」と思うかもしれませんが、最先端の技術を学んできた人材に何世代も前のシステムのメンテナンスをさせると退職してしまう事例もあるようです。
人材が足りなくなればシステムの維持管理にかかるコストは増大してしまいます。

また、古いシステムの刷新には5年~10年単位の時間と多くのお金が必要ですが、これは単年度予算主義で動いている企業や政府とは相容れない部分もあります。
結果的に刷新ではなく維持の方へとシフトせざるをえなくなるため、予算の多くがランザビジネスに振り分けられていることが考えられます。

この問題を解決するために、2025年までにデジタルトランスフォーメーション(DX)を行うべきという提言があります。
既存システムのブラックボックス状態を解消し、データをフル活用した本格的なDXを実行することで技術的な負債を解決し、さらにクラウド技術等を活用することで投資を効率化させ、投資効果の高い分野へ資金を移すべきだ、という主張です。
これらを実行することで2025年にはランザビジネスとバリューアップの予算比を6:4にするという目標が、経済産業省が公開しているDXレポートに記されています。

情勢の変化についていこう

ランザビジネスからバリューアップへの予算配分の見直しが行われれば、エンジニアサイドにもそういった情勢の変化についていくためのフレキシブルな対応とスキルが求められます。

保守管理ばかりやっていれば安泰だと思っている人もいるかもしれませんが、そうでない時代に備えてしっかりと世の中の流れを見ておくことをおすすめします。

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