フリーランスエンジニアの確定申告のポイント4つ|青色申告のための条件も解説

フリーランスエンジニアの確定申告のポイント4つ|青色申告のための条件も解説
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確定申告とは


所得税の確定申告とは、個人が1月1日から12月31日までの1年間での収入や支出などを税務署に申告し、納付するべき所得税額を確定する作業のことです。
確定申告は1年に1回行われるもので、基本的には翌年の2月15日から3月15日までの期間で税務署に報告し、納税するまでの作業がセットとなっています。
令和2年分の確定申告に関しては、期限が2021年4月15日までとなっており、1ヵ月延長されています。
また、確定申告には所得税だけでなく個人事業者の消費税の確定申告などもあります。

出典:所得税の確定申告|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kakutei.htm

確定申告が必要な人


確定申告が必要なのは以下の4点に該当する人とされています。

1:個人事業主(フリーランス)

個人事業主として仕事を受けているエンジニアやフリーランスで報酬をもらって活動しているエンジニアは確定申告をする必要があります。
個人事業主として「開業届」を提出している場合は青色申告、開業届を提出していない場合は白色申告を申請します。

2:給与収入が2000万円以上

会社員であっても給与収入が2000万円以上ある人は確定申告が必要になります。

3:2か所以上から給与をもらっている人

2か所以上の企業などから給料をもらっている人は確定申告が必要になります。

4:給与以外に20万円以上の所得がある人

副業などで本業(会社員)としての給料以外の収入が20万円以上ある場合は、確定申告しなければいけません。
副業としてフリーランスで活動しているエンジニアも確定申告をしなければ申告漏れにつながってしまうので、注意する必要があります。

フリーランスエンジニアの確定申告のポイント4つ


現在企業に勤めているエンジニアの方の中には、将来フリーランスエンジニアとして独立することを視野に入れている方もいるでしょう。
しかしフリーランスになって、自分で1年間の収支を取りまとめて確定申告を行わなくてはいけなくなった場合に、どのようにすればよいのかわからず不安に思っている方もいるのではないでしょうか。
ここではフリーランスエンジニアの確定申告のポイント4つをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

1:フリーランスは必ず行う

企業に勤めず個人で仕事を行っているフリーランスの方は、エンジニアに限らずどのような事業を行っている場合でも確定申告が必須となります。
具体的には、1年間の所得が20万円以上あるフリーランスなどの個人事業主に関しては、確定申告によって1年間の収入を確定する必要があります。
必須とは言え、フリーランスの場合は確定申告を行うことによって還付されるケースも多く、節税効果が期待できます。
また、確定申告を行うことで納税の証明になるため、災害などによって働けなくなった際に補償が受けやすくなります。必ず確定申告を行いましょう。

出典:個人事業者の方の確定申告|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kakutei/kakutei/kojinjigyo.htm

2:経費に該当する費用を把握する

確定申告では、1年間の収入を計算した後で必要経費や控除を差し引くことで所得を算出することになります。
そのため、フリーランスエンジニアとして確定申告をする場合は、事業を行う上で必要になった経費の管理も自分で行う必要があります。
しかし使用したお金すべてが経費にできるというわけではないため、どのようなものが経費に該当するのかを把握しておく必要があります。
経費に該当する費用は、「事業を運営するために必要になったお金」です。
たとえば、フリーランスエンジニアになるためのセミナーの参加費用やホームページ作成のために購入したレンタルサーバー代、新しく購入したパソコンや周辺機器などの費用は経費に計上できます。
また、領収書は提出する必要はありませんが、根拠を説明するために必ず保管しておきましょう。

3:家事按分を理解する

家事按分(かじあんぶん)とは、自宅を仕事場にしている場合に家賃や光熱費、通信費などを事業で使用した分だけ経費として計上できるというものです。
フリーランスエンジニアはほとんどの場合自宅で仕事をすることになるため、家事按分は必ず理解して経費として計上するようにしましょう。
ただし、家事按分は事業に必要な比率分を経費として計上できるものなので、家賃や光熱費のすべてを経費にすることはできません。
必ず根拠を説明できる比率で計上するようにしましょう。

4:会計ソフトをうまく活用する

フリーランスエンジニアとして自分で確定申告をするのであれば、会計ソフトを利用するのがおすすめです。
会計ソフトであれば簿記などの専門的な知識がなくても、使用した経費や収入などを入力しておくことで自動で計算し、確定申告できる状態にしてくれます。
また、電子申請に対応している会計ソフトであれば、確定申告までインターネット上で完結させることも可能です。
会計ソフトであれば年間1万円ほどで利用でき、さらにソフトの利用料金も経費として計上できます。

青色申告のメリット5つ


確定申告には大きく分けて白色申告と青色申告の2種類があります。
青色申告で確定申告を行うには、個人事業主として開業届を出し、さらに青色申告の申請書を提出する必要があります。
青色申告は原則として複式簿記で帳簿を記録する必要があることから、白色申告よりも手間がかかります。
しかしその分節税効果が高いため、フリーランスエンジニアを目指している方の中には青色申告について知りたい方も多いでしょう。
ここでは青色申告のメリット5つをご紹介していきます。

1:青色申告特別控除を受けられる

青色申告では最高65万円の青色申告特別控除を受けることが可能です。
青色申告の中にも控除額は3段階あり、それぞれ「10万円」「55万円」「65万円」となっています。
10万円控除の場合は簡易簿記もしくは現金式簡易簿記での帳簿付け、55万円控除の場合は複式簿記での帳簿付け、65万円控除の場合は複式簿記での帳簿付けかつe-Taxによる電子申請を行うという条件があります。
そのため、青色申告をする場合はe-Taxで申請するようにしましょう。

出典:個人事業者の方の確定申告|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kakutei/kakutei/kojinjigyo.htm

2:家族への給与を経費として落とせる

青色申告の場合、フリーランスエンジニアなどの仕事を手伝ってくれている家族に対する給与を全額経費として計上することが可能です。
事業を手伝ってくれる家族は「専従者」と呼び、専従者に支払う給与は「専従者給与」と言います。
ただし、専従者に給与を支払って青色申告で経費にする場合は、配偶者控除や扶養控除は受けられなくなるため、あらかじめ念頭に置いておきましょう。

3:赤字の繰越が3年までできる

青色申告であれば、事業による純損失を3年間全額繰り越すことができます。
1年間の収支を計算した結果赤字になった場合、その損を翌年以降に繰り越せます。
そのため、赤字分だけ翌年の所得が下がり、節税できるということです。
また、実際に赤字を翌年に繰り越す場合には、確定申告の際に「申告書の第四表(損失申告用)」を作成して提出する必要があります。

出典:所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き│税務署
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2019/pdf/003.pdf

4:備品代を一括で経費としてまとめられる

青色申告には「少額減価償却資産の特例」というものがあり、30万円未満のものであれば一括で経費として処理することができます。
本来であれば、10万円以上の品物や耐用年数が1年以上ある品物は固定資産となるため、減価償却を行う必要があります。
そのため、たとえば新しいパソコンを20万円で購入した場合でも、その年の経費として一括で計上するのではなく、数年かけて資産価値を減らしていき、経費として計上する必要があります。
しかし青色申告であれば、パソコン代20万円をその年の減価償却費として経費に一括計上できます。

出典:少額減価償却資産の特例|中小企業庁
参照:https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/g_book/2020/download/06zaimu.pdf

5:帳簿の知識が身につく

青色申告では複式簿記による帳簿付けが原則となっていることから、しっかりと帳簿をつける必要があります。
そのため、自然に帳簿の知識が身についていくでしょう。
フリーランスエンジニアが確定申告をする場合は会計ソフトを利用するのがおすすめですが、あえて自分で帳簿をつけておくことで、簿記などの専門的な知識も身につけることができます。

フリーランスエンジニアが青色申告をするための条件


ここまでご紹介したとおり、フリーランスエンジニアが青色申告を行うことにはさまざまなメリットがあります。
しかし青色申告には事前の申請が必要になるため、あらかじめ準備をしておかなければ青色申告で確定申告を行うことはできません。
それでは、青色申告には具体的にどのような条件があるのでしょうか。
ここではフリーランスエンジニアが青色申告をするための条件をご紹介しますので、参考にしてみてください。

:開業届と青色申告承認申請書が提出されている

青色申告を行う場合、事前に税務署で青色申告承認申請書を提出する必要があります。
さらに青色申告承認申請書は開業届を出していなければ受け付けてもらえないため、開業届と青色申告承認申請書の両方を事前に提出しておく必要があります。
また、新規開業の場合は青色申告承認申請書は開業してから2カ月以内に提出する必要があるため、あらかじめ準備しておきましょう。

出典:[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/04.htm

:複式簿記で帳簿がつけられている

本記事でもすでにご紹介したとおり、青色申告で最大65万円の控除を受けるためには複式簿記で帳簿をつける必要があります。
複式簿記がわかりにくいという理由で青色申告を敬遠しているという方もいるかもしれません。
複式簿記ではなく簡易簿記で帳簿を付ける方法でも青色申告は可能ですが、簡易簿記の場合は青色申告であっても控除額は10万円となってしまいます。
そのため、青色申告で申請する場合は会計ソフトを利用するのがおすすめです。

出典:はじめてみませんか? 青色申告|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shotoku/kichou01.pdf

確定申告の進め方


確定申告の進め方は大まかに以下の手順で行います。

■確定申告の進め方(フリーランスの場合)
1.フリーランスの場合、その年の1月~12月の報酬(売上)を計算する。
2.国税庁のWebサイトから確定申告書AまたはBをダウンロードする(個人事業主はB様式)
※税務署・市町村役場の窓口受け取りや郵送で取り寄せることもできます。
3.青色申告をする場合は「青色申告決算書」、「1年間の収入を確認できる書類」、「経費として申告するために必要な書類」のほかに必要に応じて「医療費控除の明細書」、「寄附金の受領証明書」などを用意する。
4.上記の書類をそろえて税務署の窓口に直接持っていく、もしくは郵送することで確定申告書を提出する。

申告書類の提出方法3パターン


フリーランスエンジニアとして確定申告を行う場合、書類の提出方法にも複数のパターンがあります。
提出方法によっては青色申告の65万円の控除が受けられなくなるため、事前にどのような方法があるのか知っておくことは大切です。
ここでは確定申告の申告書類の提出方法3パターンを紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

1:e-Taxを利用する

確定申告書類をインターネット上の「確定申告書等作成コーナー」というWebページで作成した場合、そのままe-Taxを使ってオンライン上で書類を提出することが可能です。
e-Taxで確定申告を行った場合、65万円の控除を受けることが可能になります。
また、一度で申請を終わらせなくても作成途中のデータは自分のパソコンに保存することもできるので、ぜひe-Taxを活用しましょう。

出典:申告書の提出方法|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2018/a/02/2_03.htm

2:税務署の窓口に持参する

作成した確定申告書類をそのまま所轄の税務署の窓口へ提出することもできます。
税務署が営業時間外の場合は、時間外収受箱が用意されているため、そこに投函して提出することも可能です。
ただし、窓口に提出した場合、青色申告を行ったとしても65万円の控除を受けることはできなくなります。

出典:申告書の提出方法|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2018/a/02/2_03.htm

3:税務署に郵送する

作成した確定申告書類を郵便または信書便によって、所轄の税務署へ提出することも可能です。
収受日付印のある確定申告書の控えが必要な場合は、複写によって作成した申告書の控えと、宛名を記載した切手貼付済み返信用封筒を同封することで控えを返送してもらうことができます。
ただし、郵送で提出した場合は青色申告を行ったとしても65万円の控除を受けることはできなくなります。

出典:申告書の提出方法|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2018/a/02/2_03.htm

フリーランスエンジニアの確定申告のポイントを確認しよう


フリーランスエンジニアは確定申告を行う必要があります。
ぜひ本記事でご紹介したフリーランスエンジニアの確定申告のポイントや青色申告のメリット、フリーランスエンジニアが青色申告をするための条件などを参考にして、スムーズに確定申告が行えるよう準備しておきましょう。

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