【4モード別】RAIDの特徴と注意点|RAIDのメリットや設定方法は?

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RAIDとは何か

RAID(レイド)は元々比較的安価なコストで大容量の冗長性の高い堅牢なストレージ(補助記憶装置)を複数台のハードディスクで構築するために考案されました。今では冗長性が確保されていない代わりにアクセス速度が向上するストライピング(RAID0)もRAIDの一種に分類されます。RAIDではその性質上、同じ規格のハードディスクで統一するのが原則です。また、ストレージデバイスもハードディスクだけでなくSSDなどのメモリ媒体も一般的に使用されるようになったそうです。RAIDには大きく分けて4つの設定方法が存在し、それぞれに長所・短所があります。ここでは4モード別にRAIDの動作原理について解説いたします。

RAIDのメリット4つ

RAIDには、特にシステムの信頼性が確保されている点と容量が拡張できる点、またパフォーマンスの向上ができるという利点があります。システムの信頼性はデータの冗長化によってなされています。もし冗長化した部分が読み取れなくなっても、同じデータのコピーが存在するのでデータが守られるということなっています。ここではこれらの点について見ていきましょう。

RAIDのメリット1:冗長性を確保できる

複数台のハードディスクのデータを重複して保存するため、データの冗長性が確保できます(RAID1、RAID5、RAID10など)。この冗長化された部分では読み込み速度の向上が期待できます。なお、RAID0のみの場合、冗長性はありません。

RAIDのメリット2:システムの信頼性の向上

RAID0以外のRAIDでは、データは重複して保存されます。一部ハードディスクが故障しても残りのハードディスクが持っているデータでデータを復旧できる場合があります。このため、システムの信頼性の飛躍的向上が見込めますので、銀行などでは通常サーバはRAIDで組んであります。なお、RAID0に限って言えばデータは重複して保存されませんので、システム全体の平均故障間隔はかえって短くなってしまうと言われています。

RAIDのメリット3:容量を拡張できる

完全に同じ複製を作るだけのRAID1には当てはまらないのですが、RAID0などのシステムの信頼性の向上が望めないものは、容量を拡張できるというメリットがあります。一つのデータの塊を複数のハードディスクに書き込むため、ハードディスクの台数分の容量を得ることができます。一般に容量が小さいストレージの方が相対的に安価なのでこれは魅力といえます。このように一般に容量と信頼性はトレードオフの関係にあります。

RAIDのメリット4:転送の高速化が可能

RAIDでは複数台のハードディスクに同時に読み書きを行うため、一般に読み込みか書き込み、あるいはその両方の転送の高速化が可能です。ただし、それぞれのモードによる構成の違いからどの転送がどのように速くなるかは、構成次第といわれています。そこで以下にモード別に詳しく見ていくことにしましょう。

【4モード別】RAIDの特徴と注意点

RAIDはその構成と動作モードによって異なる特徴があるため、注意が必要です。ここではRAIDの動作モード別にその特徴と注意点についてご説明し、RAIDの導入をご検討中の方のために、どのタイプのRAIDの導入が適当かその判断材料を提示します。

「RAID1」の特徴と注意点

RAID1は2台以上のハードディスクに全く同じデータを書き込む方式です。このため容量が増えない反面、信頼性は飛躍的に向上します。一番簡単に理解できるRAID1ですが、実はRAID0との組み合わせの相性がよいという特徴もあります。ここではこのRAID1について詳しく見ていきましょう。

特徴:2台のHDDに同じデータを書き込む

RAID1では全く同じデータの複製を同時に2台のハードディスクに書き込むのでミラーリングとも呼ばれています。このため、原理的には片方のハードディスクが壊れても、もう一台のハードディスクには完全なデータが残っているので、1台のハードディスクだけが壊れた場合、データ的には完全な復旧が可能といわれています。同じデータが重複して2台のハードディスクに存在するので、読み込むデータの位置をずらして読み込むことにより、最大2倍の読み込み速度が実現されます。トータルでは読み込み頻度が高く、書き込み頻度が低い銀行系システムやWebサーバなどでは、システムの信頼性も高く、かつ転送速度も向上するのでよく使用されています。

注意点:バックアップをとっておく

RAID1を使用する際の注意点として、通常の操作でファイルなどのデータを消去してしまうとミラーリングの特性上、両方のハードディスクからデータが消去されてしまいます。削除するデータの復旧まで考えるならバックアップを取っておくなどの対策が必要です。

「RAID0」の特徴と注意点

RAID0は2台のハードディスクに別々のデータを書き込む方式です。このためRAID1とは逆に容量が2倍になる反面、信頼性は低下します。ここではこのRAID0について詳しく見ていきます。

特徴:2台以上のHDDにデータを分散して書き込む

RAID0は別名ストライピングといい、2台以上のハードディスクにデータを分散して書き込みます。このため、n台のハードディスクで一つのストライピングアレイを構成すると、書き込み速度は最大n倍の転送速度が得られます。一方、ランダム読み込みの性能はデータが分散してしまうため遅くなってしまいます。また、容量はハードディスクの台数分だけ得られますので、信頼性が低下することを除けば、最もコストパフォーマンスが高くなります。

注意点:1台でもトラブルが発生すると読み取れない

RAID0のストライピングでは、冗長性はありません。つまりストライピングアレイを構成する各々のハードディスクはそれぞれ別のデータを持っています。このため、RAIDアレイのどの1つのハードディスクが壊れてもデータは読み取れなくなってしまいます。例えば、n台の同じ性能のハードディスクでストライピングを構成した場合、最大n倍弱の故障率になってしまいます。このため、信頼性が要求される場面で、ストライピングが使用されることはほとんどありません。

「RAID5」の特徴と注意点

RAID5は、3台のハードディスクにそれぞれ冗長性を持たせながらデータを書き込む方式です。また、この冗長性を分散させることにより転送速度の向上を図っています。RAID1とRAID0の間をとったような構成法のため、バランス型と言えます。ここでは少し専門的になりますが、このRAID5についてご紹介します。

特徴:符号を生成しながら書き込みを行う

RAID3では最低3台のハードディスクが必要になります。パリティ(符号)データという冗長コードを生成し、分散して記録するところが特徴といます。RAID0のように、複数のディスクに分散するため、読み出し機能が優れているだけでなく、1台のハードディスクに障害が発生した場合も、残りのハードディスクにより継続して利用することができるでしょう。

2台以上のHDDが故障したらHDDを交換

RAID5ではRAID6と異なり、2台以上のハードディスクが壊れると復旧できなくなってしまいます。1台でもハードディスクが壊れたら即交換と覚えておきましょう。

「RAID10」の特徴と注意点

RAID10はミラーリング(RAID1)をとった2つのRAIDアレイ同士をストライピング(RAID0)するものです。4モードの中で信頼性と転送速度が最大になります。ここではこのRAID10についてご説明いたします。

特徴:「RAID1」と「RAID0」の特徴の組み合わせ

RAID1とRAID0の組み合わせは大変相性がよく、転送速度と信頼性の両方を高めるためによく使用されます。RAID10は複数のRAID1のミラーセットにRAID0ストライピングとして組み合わせたものです。RAID5やRAID6と比べて、パリティコードを生成する必要がなく、シンプルに構成することができます。

注意点:4台以上のHDDが必要

信頼性も高く転送速度も速いRAID10ですが、ミラーリングしてからストライピングするため、4台以上のハードディスクが必要になります。また、容量はミラーリングしていますので半分以下になってしまいます。4モードの中で最もコストが高いと考えられます。

RAIDの設定方法

ここでは一般的なマザーボードのチップセットを利用したハードウェアRAIDを構築する方法をご紹介します。まず、マザーボードのBIOSで使用するSATAポートの設定をRAIDにします。次にRAID BIOS画面で使用するRAIDモードを設定した後、RAIDの構築をします。RAIDアレイの構築が終了しOSをインストールするとき、インストールCDなどからRAIDドライバーをインストールします。大体以上の手順でRAIDは構成できます。注意すべき点は2TB以上のボリュームを作成する際には64bitOSが必要なことと、BIOSの代わりにUFEIを使用する場合がある点です。この点はマニュアル等を確認してください。

RAIDモードごとの違いを理解しよう

RAIDの特徴と注意点をご紹介しました。最高レベルの転送速度と信頼性を実現したいならRAID10、信頼性が特に大事という方にはRAID1、ゲーマーなどでパフォーマンスを望む方にはRAID0、安価で全体的にバランスをよくしたい方にはRAID5がお勧めです。パソコン自作の経験がある方は、さっそくRAIDを組んでみましょう。デスクトップパソコンで導入すればストレージの構成を思い通りに構成できるので自作スキルの向上が望めるでしょう。