SOCのオンチップ・バス接続とは?5つの機能やSOC応用での分類クラス

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SOCとは

SOCとは、システムの動作や制御に必要な全ての機能を、一つの半導体チップに実装する方式です。一般的な半導体チップは機能ごとにわかれているため、1つの基板上に複数のチップを搭載していました。一方、SOCはこれまではわかれていた機能を統合し、1つのチップとして提供しています。そのため、SOCはスマート家電やスマートフォンなどに搭載されていることが多く、小型化や製造コストの削減といったメリットを持ちます。

CPUやSiPとの違い

CPUは中央演算装置、SiPは複数のICチップを一体化したものを指します。CPUとSOCはスマートフォンやタブレットなどのスペックに記載されているため同じようなものだと認識されているケースもありますが、CPUだけではシステムを制御できません。一方、SOCは制御に必要な機能も1つのチップに纏められているという違いがあります。また、SIPは複数の半導体チップを1つのパッケージに収納したものを指します。

SOCの機能5つ

ここまで簡単にSOCの説明や、SOCとCPU、SIPとの違いをご紹介しましたが、具体的にSOCがどのようなものなのかわからないという方も多いでしょう。SOCとは、装置やシステムの動作や制御に必要な機能を1つの半導体に纏めたものを指します。ここではSOCの機能5つをご紹介しますので、SOCを知るうえでぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

SOCの機能1:機能を統合したチップである

SOCはさまざまな機能を統合したチップとして設計されます。SOCは「System on a Chip(システムを一個のチップ上にのせる)」を略した言葉です。その名前のとおり、1つの半導体チップ上にシステムの動作に必要な多くの機能、もしくは全てのシステムが組み込まれているという特徴があります。また、SOCにはコンピュータの中枢となるCPUやメモリ、ビデオチップ、I/Oなどの多くの機能が統合されています。

SOCの機能2:サイズを小さくすることができる

SOCは1つの半導体チップにさまざまな機能を搭載するため、サイズを小さくすることが可能です。SOCの特徴として、1つのチップに多くの機能を詰め込めるため、一般的なチップと比較して回路に必要なサイズが非常にコンパクトになるということが挙げられます。スマートフォンやタブレットにSOCが用いられているのは、小さなサイズのデバイスに搭載するのにSOCの小ささが適していることも理由の1つとなっています。

SOCの機能3:システム全体で省電力機構を組み込む

SOCはチップごとではなく、システム全体で省電力機構を組み込むことが可能です。SOCの大きなメリットの1つが消費電力の少なさです。SOCは省電力機構を組み込む場合に、半導体チップ単体での省電力を目指すのではなく、システム全体で省電力機構を組み込むという考え方になっています。そのため、システム全体で省電力を図ることで電力を効率よく使用でき、より低消費電力と実現することが可能となっています。

SOCの機能4:オンチップ・バスで接続される

SOCはオンチップ・バスで接続されています。「オンチップ・バス」とは、1つのチップ内に複数の機能を組み込む場合に、各機能ユニット同士で必要となるデータ交信を行うデータ交信路のことを指します。SOCはプロセッサ・コア、グラフィックス・コア、メモリ・コア、コーデック・コア、インタフェース・コアなどのさまざまな回路ブロックを内蔵しており、コア同士はオンチップ・バスで接続されています。

SOCの機能5:携帯スマホに利用されているSOCの特徴

携帯やスマートフォンに利用されているほとんどのSOCは同じ特徴を持っています。SOCは構造上サイズをコンパクトにできるため、サイズ制限があるスマートフォンやタブレットなどのモバイルにも省スペースで搭載できます。携帯やスマートフォンに組み込まれているSOCの多くは、CPUとGPU、さらに電波で送信されてきた情報をデジタルデータに変換するのに必要なモデムも纏められていることが多いという特徴があります。

CPU・GPU・デジタルデータ変換モデムがワンチップに

スマートフォンに利用されているSOCには、CPU、GPU、デジタルデータ変換モデムがワンチップに搭載されています。携帯スマートフォンに搭載するSOCは特にスペースに限りがあるため、ほとんどすべての機能がワンチップに搭載されることになります。たとえば、CPUとキャッシュメモリ、GPU、メモリーインターフェイス、ストレージインターフェイス、LTEモデムなどがワンチップに収められています。

SOCの応用によって分類されるクラス2つ

SOCは応用によって2つのクラスに分けられます。システムに必要な機能を1つのチップに搭載したSOCは、応用によってSOCの主流である大量消費のコンシューマー市場を目的としている「C-SOC」と、高性能で少量の市場を目的としている性能重視の「PSOC」の2つのクラスに分類されます。ここではSOCの応用によって分類されるC SOC、PSOCの2つのクラスをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

分類されるクラス1:C-SOC

C-SOCは大量消費のコンシューマー市場に適したクラスです。C-SOCはSOCにおける応用では主流のクラスとなっており、特にコスト重視の設計を行います。C-SOCは巨大な大量消費のコンシューマー市場をターゲットとしており、基本的にコストベースの設計を重視しています。また、SOCのカテゴリではC-SOCのコスト重視設計が強調されるという特徴があります。

C SOCのメリット

C-SOCは低コストの設計やパッケージがメリットとなっています。SOCではC SOCのコスト重視設計が強調されます。どのようなプロジェクトにおいても設計生産性は求められますが、C-SOCの再利用設計ではそれらの要求を実現することが可能となります。また、SOCはさまざまパッケージングの形式を求めますが、C-SOCではピン数が少なく、低コストのパッケージの開発を促進するという機能を持っています。

C-SOCのデメリット

C-SOCは品質がPSOCよりも劣るという点がデメリットとなっています。C-SOCはコストに関してはできる限りローコストをめざし、さらにパッケージに関しても非常にコストを抑えて大衆向けの市場に広く展開するという特徴を持っています。そのため、性能はPSOCよりも劣ります。

分類されるクラス2:PSOC

PSOCは高性能で高級な市場に適したクラスです。PSOCはSOCにおける応用では少数派のクラスになっており、特に性能を重視した設計を行うハイエンドのクラスです。PSOCは数は少なくても高級な市場をターゲットとしており、基本的に性能重視の設計を行います。また、非常に複雑なパフォーマンスになっており、パッケージも高価で、コストに関しても技術的な上限まで利用するという特徴があります。

PSOCのメリット

PSOCは高品質な性能を持つことがメリットとなっています。PSOCはコストを掛けて性能を重視した設計を行うという特徴があるため、非常に高品質です。また、パッケージに関しても高級志向になります。さらに、SOCでのパッケージング方式ではPSOCは高性能かつピン数の多いパッケージ開発を促すという特徴があります。

PSOCのデメリット

PSOCはコストがかかることがデメリットとなっています。SOCにおいて特に重要なことは、技術ではなく、コストがどのくらいかかるかということです。PSOCは性能重視で高性能な市場を目標としていますが、設計もパッケージもコストがかかります。そのため、PSOCにおいては、たとえば外付けのドライバーや消費電力を節約することでボード上の配線面積を減らすといったことが今後の課題となります。

SOCの複合回路構造を統合化するために必要なこと4つ

SOCには、今後もSOCの特徴である回路構造を使用し続けることが期待されています。また、SOCの複合回路構造の統合化をサポートするためには、これから開発しなければいけない特殊技術が存在します。ここではSOCの複合回路構造を統合化するためにこれから必要なこと4つをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

必要なこと1:高性能アナログやRF回路への配線・メタル化技術

SOCの複合回路構造を統合化するためには、将来的には高性能アナログやRF回路への配線、メタル化技術などが必要とされます。SOCは高性能アナログやRF回路への配線、メタル化技術などの幅広い領域での特別なパッケージオプションを必要としています。高周波回路は本来専用のトランジスタを利用して回路を設計しますが、近年ではRF CMOSが一般的になっています。

必要なこと2:MEMS統合への上位層プロセスと不活性化技術

SOCの複合回路構造を統合化するためには、MEMSを統合するための上位層プロセスや、不活性化技術が必要とされます。MEMSとは「Micro Electro Mechanical Systems」を略した言葉で、機械要素部品やセンサー、アクチュエータや電子回路を1つの基板などの上に集積化したデバイスのことを指します。SOCにはMEMSを統合するための上位層プロセスや不活性化するための特殊技術が必要です。

必要なこと3:光センサー統合への局所プロセス

SOCの複合回路構造を統合化するためには、光センサーを統合するための局所プロセスが必要とされます。半導体素子である光センサーとは、光を電気エネルギーに変換して検知するセンサーで、受光素子とも呼ばれる光検出器を指します。SOCは将来的に光センサーを統合することができる特殊な局所的なプロセスが必要とされるでしょう。

必要なこと4:自由注入法の利用

SOCの複合回路構造を統合化するためには、自由注入法の利用が必要とされます。SOCには将来的にプロセスの調整が必要なものは多くあります。2つの閾値電圧を使うなど、半導体チップの低電力領域をぎりぎりまで確保するために、自由注入法を利用することが必要とされています。

SOCについて理解しよう

SOCとはさまざまな機能を1つの半導体チップに搭載できる仕組みです。SOCはスマートフォンやタブレットなどに利用されているチップで、システムの制御に必要なさまざまな機能を搭載でき、従来よりもスペースを取りません。SOCを知りたい方は、ぜひこの記事でご紹介したSOCの機能やSOCの応用によって分類されるクラス、SOCの複合回路構造を統合化するために必要なことなどを参考にしてみてはいかがでしょうか。

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