ニアショアとは?ニアショア開発の6つのメリットと4つのデメリットを解説

ニアショアとは?ニアショア開発の6つのメリットと4つのデメリットを解説
基本情報技術者試験の試験対策はこちら>>
最新情報や関心のある情報を毎日お届け。 FEnetインフラメールマガジン メルマガ登録はこちらから>>

ニアショアとは


「ニアショア」とは「近くの海岸」というような日本語に訳すことができる言葉です。また、ニアショア開発はシステムやソフトウェア開発の一部もしくはすべてをアウトソーシングする際に、比較的距離が近い場所に委託することを意味します。

海外にアウトソーシングすることを「オフショア開発」と呼びますが、その反対語と言っても良いでしょう。本記事ではニアショア開発についてご紹介しますので、どのような特徴があるのかぜひ参考にしてみてください。

オフショアとの違い

オフショア開発とは、システム開発などの開発業務を海外に委託することです。そのため、ニアショア開発とオフショア開発の大きな違いは国内に委託するのか海外に委託するのかという点です。

また、ニアショア開発の場合は距離が近い場所に委託するため、打ち合わせなどは気軽に行うことができます。しかしオフショア開発の場合、相手は海外なので基本的にメールやスカイプなどによる打ち合わせとなります。

ニアショア開発の6つのメリット


システム開発の委託を検討する場合、本社から距離的に近い場所にシステム開発をアウトソーシングするニアショア開発のメリットが知りたいというケースも多いでしょう。それでは、ニアショア開発には具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

ここでは、ニアショア開発の6つのメリットをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

1:現場責任者の育成がしやすい

オフショア開発の場合、海外で働く現場責任者を現地採用もしくは一から育成しなければいけないため、どちらを選ぶ場合も言葉や文化の問題が大きな課題となります。

しかしニアショア開発の場合は日本国内かつ距離が近い場所にアウトソーシングを行うことから、オフショア開発と比較すると現場責任者の育成がしやすいというメリットがあります。

2:コスト削減効果がある

ニアショア開発では本社から近い距離にある企業へアウトソーシングを行うため、スタッフが行き来する場合にも交通費などのコストを抑えることができます。

また、地方の企業の場合は賃金も都心に比べると控えめの価格になっていることから、都心の企業へアウトソーシングするよりも開発コストを抑えられます。そのため、コストを抑えてアウトソーシングしたい場合に適しています。

3:コミュニケーションミスが少ない

前述のとおり、距離が近い場所へアウトソーシングするため、スタッフの行き来がしやすいのもニアショア開発のメリットです。面と向かって打ち合わせがしやすく、何かトラブルがあった場合にはすぐに現地に向かい、直接会話をしたり対応を行うこともできます。

また、アウトソーシング先の企業への指示も円滑に行うことができるため、コミュニケーションのミスが少なく開発業務もスムーズに進めやすいでしょう。

4:災害時のリスクを分散できる

日本は災害大国なので、地震などが発生した場合には企業が被害を受け、開発業務を停止せざるを得なくなるケースもあります。しかしニアショア開発で少し離れた場所へ複数の開発拠点を置くことにより、災害が発生した場合に企業活動が停止するリスクを分散することができます。

ただし、あまりにも近い場所へアウトソーシングするとどちらも災害の被害を受けてしまう可能性があるため、注意が必要です。

5:国際情勢などの影響を受けにくい

オフショア開発の場合、アウトソーシング先は海外になるため、国際情勢の悪化などによって大きな影響を受ける可能性があります。近年でもアウトソーシング先の国でデモやクーデターなどが発生したことで、日本企業が影響を受けたケースがありました。

一方、ニアショア開発は国内で開発するため、そういったカントリーリスクの影響を受ける心配がないというメリットがあります。

6:地方経済活性化につながる

地方によってはニアショア開発を促進させる取り組みを実施しているケースがあり、地方経済の活性化などを目的とした補助金や固定資産税の免除などの制度を実施している場合があります。

そのため、そういった制度を設けている地方でニアショア開発を行うことにより、地方経済や産業などの活性化にもつながるというメリットがあります。

ニアショア開発の4つのデメリット


ニアショア開発にはさまざまなメリットがあることをご紹介しましたが、一方でデメリットとなる点も存在します。そのため、ニアショア開発を検討する場合はメリットだけでなくデメリットについても十分考慮する必要があるでしょう。

ここではニアショア開発の4つのデメリットをご紹介しますので、参考にしてみてください。

1:再委託される場合がある

ニアショア開発では、システム開発を委託した企業が別の下請けに再委託を行う可能性があります。しかし再委託が行われた場合、間に1つ企業を挟むことになるため、迅速な修正対応が難しく、要件の認識にも差異が出ることが多いです。

そのため、ニアショア開発で契約を行う場合は、委託先の企業と再委託に関する事項を明確にした契約を結ぶことが大切です。

2:エンジニアの確保が困難である

近年ではIT人材不足が深刻化しており、日本国内のエンジニアの数が不足しています。さらに地方の場合はよりエンジニア不足が顕著なため、都心と比較してエンジニアが確保しにくいというデメリットがあります。

そのため、案件の内容によっては対応できるエンジニアが確保できず、ニアショア開発では対応ができないということもあるでしょう。

3:発注する企業選定が難しい

ニアショア開発では前述のような理由から、発注先の企業が見つけにくいです。特に地方の場合はシステム開発を委託できる企業が限られているため、ちょうど別の案件を受注中でスケジュールが合わず、対応できないケースもあります。

そのため、ニアショア開発を行う場合には複数の企業を候補としてあらかじめ選定しておくことが重要です。

4:最新技術に疎い場合がある

地方は都会よりも最新のテクノロジーや新しいサービスに接する機会が少ないです。そのため、地方の企業にニアショア開発を委託する場合、都心よりもトレンドの最新技術に疎いケースがあります。

このことから、想定よりも技術力が低かったり、希望しているようなスキルでの開発が実現できない可能性もあります。ニアショア開発を依頼する場合は依頼内容を理解し、対応できる技術を持った企業を選ぶようにしましょう。

ニアショア開発を行う企業の探し方


実際にニアショア開発を行いたいと考えた場合、どのようにしてニアショア開発を依頼する企業を見つければよいのでしょうか。

システム開発会社を効率よく探すには、インターネットでIT企業のホームページを検索することも可能ですが、検索サイトやマッチングサービスを利用して探す方が効率的でしょう。

最後に、ニアショア開発を行う企業の探し方をご紹介します。

Webサイトやマッチングサービスから探す

ニアショア開発の委託先企業を探す場合は、企業の個別サイトはもちろん、ニアショア開発専門の機関を利用することも可能です。ニアショア開発のためのプラットフォームとなっているWebサイトとしては、「ニアショア機構」や「ニアショアIT協会」などがあります。

これらのWebサイトでは、ニアショア開発を依頼した企業と、システム開発の案件を受注したいエンジニアや企業をマッチングするサービスを行っています。

ニアショア機構

ニアショア機構は日本全国の正社員として働くエンジニアとテレワーク派遣で繋がることができるマッチングプラットフォームです。

ニアショア機構を利用することで、発注元の企業はエンジニアリソースの確保や一定数以上のエンジニアの無料調達のサポートなどのメリットがあり、ニアショア企業にも発注企業の開拓やニアショア事業確立のためのコンサルティングなどが受けられるというメリットがあります。

ニアショアIT協会

ニアショアIT協会は地域活性化を目的に、地方のIT企業のニアショア開発受注をサポートしています。都市部にあるフロント企業と地方のニアショア企業とを連携させることで、地方の受注機会を増やす取り組みを行っています。

ニアショアIT協会の会員になることで、同じ会員企業へニアショア開発を発注、受注することが可能です。

ニアショア開発のメリット・デメリットを理解しよう


ニアショア開発は日本国内で開発を委託することで、地方経済の活性化にもつなげることができる取り組みです。

ぜひこの記事でご紹介したニアショアの概要やニアショア開発のメリット、デメリット、ニアショア開発を行う企業の探し方などを参考に、ニアショア開発について理解を深めてみてはいかがでしょうか。

インフラエンジニア専門の転職サイト「FEnetインフラ」

FEnetインフラはサービス開始から10年以上『エンジニアの生涯価値の向上』をミッションに掲げ、多くのエンジニアの就業を支援してきました。

転職をお考えの方は気軽にご登録・ご相談ください。