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ブロードキャストストームが起こる要因と与える影響それぞれ2つを解説!

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ブロードキャストストームが起こる要因と与える影響それぞれ2つを解説!
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    ブロードキャストストームとはどんな現象?

    ブロードキャストストームとは、ネットワークにおいて一斉送信用の特殊データや信号が転送され続ける現象のことをいいます。この状態は2台以上のネットワークでループが形成されることで発生し、最終的にネットワークの全体機能が停止します。この状態になった場合はループ形成経路を遮断することによって収束させることができます。ここでは、ブロードキャストストームが起こる原因や影響、防ぐための対策についてみていきましょう。
     

     

    ブロードキャストの詳細2つ

    ブロードキャストストームとはネットワークにおいてループが起こることで発生する現象だということがわかりました。そして、ブロードキャストストームの「ブロードキャスト」とは通信方式のことをいいます。ここでは、ブロードキャストストームの「ブロードキャスト」とはどのような通信方式で、また、ブロードキャストにはどういった利用事例があるかについてみていきます。

    ブロードキャストの詳細1:ブロードキャストの通信方式

    ブロードキャストストームの「ブロードキャスト」とは、ネットワークの通信方式の1つで、同じネットワークにある全ての端子と通信する方式になります。ブロードキャスト以外の通信方式にユニキャストやマルチキャストがあり、ユニキャストは同ネットワークの1つの端子と通信を行い、メール送受信やweb閲覧などに利用されています。マルチキャストは同ネットワークの複数端子と通信を行い動画配信などに利用されています。

    ブロードキャストの詳細2:ブロードキャストの利用事例

    ブロードキャストが届く範囲のことを同一ネットワークと呼びますが、この通信方式はすべての端末と通信するために無駄が多い通信方式といえます。しかし、相手のアドレスを知りたい場合や全ての端末と同期をとることが必要な場合に利用されます。ここではブロードキャストの利用事例についてご紹介します。

    RIP

    ブロードキャストの利用例としてはRIP(Routing Infomation Protocol)があります。RIPとは歴史が古いルーティンプロトコルのひとつで、現在でも多くの起業から採用されています。RIPは運用が簡単で、多企業から採用されているUNIXなどもこのプロトコルです。

    DHCP

    ブロードキャストの利用例としてDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)があります。DHCPとは、自動的にIPアドレスが取得できる仕組みとなっており、IPアドレスを振り分けるためのプロトコルです。ブロードキャストの多くが利用する255.255.255.255を利用しています。

    ARPリクエスト

    ブロードキャストの利用例にARP(Address Resolution Protocol)があります。ARPとは、インターネット層のアドレスに対応するリンク層アドレスを発見するために送信される通信プロトコルです。ARPリクエストを受診した各ノードは、格納された送信元IPアドレスが自IPアドレスと同じ場合に自MACアドレスを格納したARPリプライを送信元に返信します。

    ブロードキャストストームが起こる要因2つ

    ブロードキャストストームはネットワークで一斉送信用特殊データや信号が転送され続ける現象のことをいいますが、このような現象が起こる原因とはなんなのでしょうか。原因を知れば対策も可能になることでしょう。ここではブロードキャストストームが起こる要因2つをご紹介します。まずはブロードキャストストームが起こる原因を知り、未然に防ぐことを心がけましょう。

    起こる要因1:2台のスイッチを2本のLANケーブルで直結している

    ブロードキャストストームが起こる要因に、2台のスイッチを2本のLANケーブルに直結しているということがあります。2台のスイッチを2本のLANケーブルで直結した場合には、アクセスランプが点灯したままとなり、ブロードキャストフレームが大量に流れてしまうブロードキャストストームが発生します。また、この状態ではループが続くため、PCの動作低下などにつながります。

    起こる要因2:1本のケーブルの両端を同じスイッチに接続している

    ブロードキャストストームが起こる要因に、1本のケーブルの両端を同じスイッチに接続している場合があります。このように1本のケーブルの両端を同じスイッチに接続している場合は、ループ状態となってネットワーク全体の通信ができなくなります。同ケーブルの両端を同スイッチに接続することは、事前チェックしていればあまりない現象ですが、これらがブロードキャストストーム起こる原因だということをよく覚えておきましょう。

    ブロードキャストストームが与える影響2つ

    ブロードキャストストームは正常にLANを構成しておけばあまり起こらない現象ですが、誤ってLANをループするように構成してしまった場合には発生してしまいます。ここではブロードキャストストームが発生した場合に、どのような影響が発生するかについてみていきます。ブロードキャストストームが起こってもそのまま放置すると大変なことになる場合があるので、きちんと確認しておきましょう。

    与える影響1:PCの動作速度が低下する

    ブロードキャストストームの与える影響に、PCの動作速度が低下するということがあります。ブロードキャストストームが発生した場合、LAN上のすべての端末を宛先にするMACフレーム(ブロードキャスト・フレーム)がループ部分をいつまでも周り続けることになります。その結果、LANの帯域にブロードキャストストームが埋め尽くされて、正常な通信ができなくなってPCの動作速度は低下します。

    与える影響2:サーバーダウンする

    ブロードキャストストームの与える影響にサーバーダウンがあります。ブロードキャストストームが発生するとブロードキャストフレームがループ部分に滞留しフレームを埋めていきますのでLANに接続されているPC動作が低下しますが、最終的にLAN全体がダウンし、サーバーダウンとなる可能性があります。PCの動作低下を超えてサーバーダウンまでいってしまうと、それまでの作業が水の泡になるなど甚大な被害が予想されます。

    ブロードキャストストームを防ぐ4つの対策

    ブロードキャストストームはユーザーがちょっとしたミスをした場合に起こり得る現象です。そのため、ブロードキャストストームを防ぐためには、そのような現象が起こる前に事前に防止することが有効です。ブロードキャストストームは、一度起こって放置すればサーバーダウンまで引き起こす可能性のある現象ですので防止対策は重要になります。ここではブロードキャストストームを防ぐための5つの対策についてご紹介します。

    防ぎ方1:STPを導入する

    ブロードキャストストームを防ぐにはSTPを導入する方法があります。STPとは「Spanning Tree Protocol」のことで、スイッチ間に複数経路あるような場合に、経路の一部を遮断することによってループを解消する仕組みです。なお、STPは有効となる経路に障害発生した場合には、それ以外の経路を有効にするという機能もあるため、ネットワークを冗長化することができます。

    STPの導入方法

    ブロードキャストストームを防ぐためにSTPを導入するには、「スパニングツリー」を設定します。STPを導入するには、BPDUというフレームをスイッチの間で送受信し、優先度が高い設定のスイッチをルートブリッジにします。BPDUによってループ検出を行い、どのインターフェースがルートブリッジとして最短であるかを判断してブロッキングするインターフェースを決定します。

    STP対応のインテリジェントスイッチ

    STPを導入する方法としては、STP対応のインテリジェントスイッチを導入する方法があります。しかしSTP対応のインテリジェントスイッチは、通常のスイッチに比べて価格が高く、すべてのスイッチに導入することはハードルが高くなります。そのため、バックエンドに使用するスイッチのみでもSTP対応することによって、ブロードキャストストームを防ぐ手段となります。

    防ぎ方2:LANのストームコントロールを利用する

    ブロードキャストストームを防ぐために、ストームコントロールを利用するという方法があります。ストームコントロールは上限となる閾値を超えてトラフィックが多くなってきたときに、ポートを使えないようにしたり、フレームを破棄したりします。トラフィックがあらかじめ決められた閾値を超えてブロードキャストが破棄されるので、トラフィックが増えずに済み、その後ループが解消します。

    防ぎ方3:シャットダウンさせる

    ブロードキャストストームの防ぎ方としては、シャットダウンがあります。シャットダウンといっても、どういった設定のもとにシャットダウンするかが問題になりますが、たとえば入力トラフィック帯域がある一定の量を超えた場合に決められたポートをシャットダウンさせるという方法を取ることができます。あきらかにループしている要件を設定しておくことでループを止めることができます。

    防ぎ方4:保護設定を行う

    ブロードキャストストームの防ぎ方として、保護設定を行うということがあります。HUBポートの設定にブロードキャストストーム保護設定がある場合には、保護する閾値を設定して、保護対象ポートをどれにするか設定可能です。保護対象ポートが閾値を超えたブロードキャストパケットとなった場合は、それ以上パケットが転送されなくなります。

    ブロードキャストストームの対策をしよう

    ブロードキャストストームはユーザーのちょっとしたミスや状況によって起こり得るループ現象で、そのまま放置すればLANのダウンやサーバーダウンを引き起こします。しかし、ブロードキャストストームは事前にSTPを導入しておいたり、スパニングツリーを利用したり、保護設定するなど対策しておくことで防ぐことが可能です。あらかじめ、ブロードキャストストームが起きても大丈夫なように対策をしておくようにしましょう。
     

     

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