Dockerとはなんなのか?利用するメリット6つや使い方などを解説

Dockerとはなんなのか?利用するメリット6つや使い方などを解説
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Dockerとは?


Dockerとはコンテナ仮想化によってアプリケーションを開発、配置、実行するためのコンテナ仮想化ツールです。

Dockerとは、Docker Inc.が開発したオープンソースのソフトウェアで、Linux、macOS、Windowsで使用することができます。

Dockerは「港湾労働者」という意味を持つ言葉で、貿易を行う港湾労働者がコンテナを使って仕事をすることからそう名付けられました。

対応OS メモリ容量 料金
Linux、macOS、Windows 無料

開発された背景

サーバーの仮想化技術により、1台のマシン上に複数の仮想マシンを実行できるようになりました。

その後、サーバー仮想化に代わるモデルとして、Dockerのコンテナが注目されるようになりました。コンテナであれば、仮想マシンイメージがGBクラスになるのと比較して、小さいものであれば数十MB程度です。

また、Dockerを利用することで開発環境の構築が自動化できるため、開発者は開発に専念できるようになりました。

仮想マシンとの違い

仮想マシンとは1つの物理マシン上で複数の独立したサーバーのように機能させるものです。

Dockerのコンテナ仮想化も、隔離されたアプリケーション実行環境を提供するという意味では仮想マシンと同じです。

仮想マシンは資源の負担が大きいですが、自由度も高いです。一方、Dockerは仮想マシンよりも多くのコンテナを動かすことができ、システム資源の負担は小さいですが、OSは限られます。

Dockerの仕組み

Dockerはどのような仕組みになっているのでしょうか。

コンテナ仮想化ツールであるDockerは、アプリをコンテナに分けて実行したり、他のOSにコンテナを移した場合でも動作させることができるツールです。

Dockerでは従来の仮想化を改善したコンテナ技術を使用しています。ここではDockerのコンテナ技術や、コード化して管理する仕組みについてご紹介します。

コンテナ技術

Dockerは「コンテナ型仮想化」と呼ばれる技術の1つです。

コンテナ技術は仮想化をさらに進化させたもので、仮想化と同じくサーバー管理を簡単に行えるようにするものです。OSとソフトウェアを出荷する代わりにコンテナの中にコードやそれに依存するものだけをパックしておくことで、どこででも利用することができるようになります。

また、それぞれ動作の異なるコンテナを1つのマシン上に複数配置することもできます。

コード化して管理する

Dockerはインフラ環境をコード化して管理できるものです。

Dockerはインフラ構築ツールでもあり、インフラ環境をコード化して管理することにより、インフラ構築を自動化することができます。

そのため、従来であればエンジニアが一から自分のローカルに開発環境を構築していた部分の作業を省けるため、余計な労力を発生させずにアプリケーション開発のみに専念することができるようになります。

Dockerを利用するメリット6つ


Dockerにはさまざまなメリットがあります。

ローカルの開発環境を構築するソフトウェアにはDocker以外にもさまざまな種類がありますが、Dockerを使うことにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

ここではDockerを利用するメリット6つをご紹介しますので、Docker導入の参考にしてみてください。

Dockerを利用するメリット1:軽量化を図れる

Dockerを利用することで、軽量化を図ることができます。

ローカルの開発環境を作る場合、ホスト型仮想化という技術を採用したVitrualBoxを使用するケースが多いですが、ゲストOSを使ってプロセスを実行するためオーバーヘッドが大きいという問題がありました。

一方、DockerはゲストOSを使用しないため軽く、処理の遅延を気にせずに快適に作業を行うことができます。

Dockerを利用するメリット2:誰でも同じ環境が作れる

Dockerを利用することで、誰にでも同じ環境が作れます。

システム開発をチームで行う際、ローカルの開発環境を構築すると、メンバーそれぞれの開発環境が異なってしまうことがあります。

その点、Dockerはテキストファイルを使って言語やデータベースのバージョンなどを自動で設定することができるため、チーム全員が同じ条件でローカルの開発環境を構築することができます。

Dockerを利用するメリット3:コスト削減効果がある

Dockerを利用することで、コストを削減することができます。

アプリケーション開発を行う場合、これまではサーバーの管理に多くのインフラコストがかかっていました。

しかしDockerを導入すれば、1つのOS上で複数のアプリケーションを同時に稼働させることができ、さらにアプリケーションごとのインスタンスも不要になるため、毎日のインフラコストを大幅に削減することが可能です。

Dockerを利用するメリット4:構築環境を配布しやすい

Dockerを利用することで、構築環境をメンバーに配布しやすくなります。

システム開発の際には開発者は自分のローカルに開発環境を整える必要がありますが、Dockerはインフラ環境をコード化して管理することができるため、用意したインフラ環境をそのまま配布することができます。

そのため、開発者は配布された環境を適用するだけで環境構築が可能になり、スムーズに開発作業へと移ることが可能です。

Dockerを利用するメリット5:開発・リリースサイクルが安定する

Dockerを利用することで、開発やリリースサイクルを安定させることができます。

Dockerではコード化したファイルを共有することでスムーズに環境構築ができ、さらにスクラップ&ビルドも容易です。

そのため、Dockerでコード化したファイルを管理し、ビルドし、デプロイし、環境のテストなどを毎日実行することで、整った開発環境で安定した開発を行い、リリースサイクルを回すことができるようになります。

Dockerを利用するメリット6:オーケストレーションツールが便利!

オーケストレーションツールとは、コンテナを管理するツールです。

オーケストレーションとは、システムやアプリケーション、サービスなどの設定、管理、調整の自動化を意味する言葉です。

Dockerではオーケストレーションツールの「Kubernetes」をサポートしているため、オーケストレーションツールを利用することでコンテナ管理や運用がより簡単になります。

Dockerの使い方


Dockerの使い方をご紹介します。

従来のサーバーの仮想化と違い、Dockerはインフラ環境構築の手間を省くことができる非常に便利なツールです。しかしDockerを使ってみたくても、ハードルが高いと考えている方も多いのではないでしょうか。

ここからはDockerの使い方をご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

WordPressのコンテナを動かしたい場合

WordPressのコンテナを動かす場合、Dockerを利用することですぐに立ち上げることができます。

まずはリポジトリ一覧を更新(sudo apt-get update)し、docker-ceをインストールして起動します。

さらにwordpressのdockerイメージ(docker pull wordpress)を取得してネットワークを作成し、wordpressのdockerコンテナを作成しましょう。

ツールのDockerイメージとして使う場合

ツールのDockerイメージとして使うこともできます。

Dockerをサーバーの中で活用することはなくても、サーバサイドのソフトウェアをインストールし、立ち上げるのに利用するケースも多いでしょう。

ここではDockerでJenkins、Redmine、Nginxの開発環境を構築する方法をご紹介します。

Jenkins

docker-ceとdocker domposeをインストールし、「volumes: ‘jenkins-home:/var/jenkins_home’」などのコマンドでファイル作成を行います。

「docker-compose -f docker-compose.yml up -d」を実行し、ブラウザで「http://localhost/jenkins/」が表示できるか確認しましょう。

Redmine

docker-ceとdocker domposeをインストールし、「volumes: ‘redmine-files:/usr/src/redmine/files’」などのコマンドでファイル作成を行います。

「docker-compose -f docker-compose.yml up -d」を実行し、ブラウザで「http://localhost/redmine/」が表示できるか確認しましょう。

Nginx

docker-ceとdocker domposeをインストールし、「docker pull nginx:latest」などのダウンロードします。

「$ docker run -d -it -v /Users/[username]/docker/:/share -p 80:80 –name nginxserver nginx」でコンテナを作成し、「curl localhost」で表示できるか確認しましょう。

Dockerの活用シーン2つ


Dockerはさまざまなシーンで活用できます。

ここまでご紹介したように、Dockerとはアプリケーション開発において手間がかかるインフラ構築を自動化できる便利なツールです。それでは、Dockerとは具体的にどのようなシーンで活用できるのでしょうか。

ここでは最後にDockerの活用シーン2つをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

開発環境の違いによる動作のトラブル

Dockerを活用することにより、動作環境の違いによるさまざまなトラブルを回避することができます。

開発環境や動作環境が違うと、開発したプログラムが意図した動作を行わなかったり、最悪の場合は利用不可になることもあります。

しかしDockerであれば実行環境をコード化して保存しておくことができるため、同じ実行環境を開発時や最終実行時に適用することにより、環境の違いによるトラブルをなくせます。

クラスタ構成を構築する場合

Dockerを活用することにより、複数のサーバーを使ったクラスタ構成が簡単に実現します。

「クラスタ構成」とは、複数のサーバーを連結させて全体で1つのサーバーであるように動作させる「クラスタリング」のことです。

Dockerは多機能かつ構成が簡単に実行できるコンテナクラスタ環境構築ツール「Kontena」が利用できるため、クラスタ構成を容易に構築することができます。

Dockerとは何かを知り活用してみよう


Dockerについて理解を深めましょう。

Dockerを利用することにより、アプリ操作をコンテナにわけて実行したり、他のOS上に移して動作させることもできるようになります。

ぜひこの記事でご紹介したDockerの仕組みやDockerを利用するメリット、Dockerの使い方などを参考に、Dockerについて理解を深めてみてはいかがでしょうか。

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