【組み込み】C#からPythonを呼び出す方法を紹介

組み込みとは?
一般に、特定の機能を家電製品や機械などに埋め込んで利用することを「組み込み」といい、いろいろな機能が使えるPCと違い、ある特定の機能だけを使いたいコンピュータに対して使われます。しかし、ここでの組み込みは少し意味が違います。プログラミング言語でいう「組み込み」は、ある言語から、ほかの言語を呼び出す行為を指します。この記事では、組み込みのメリットや、実際にC#からPythonの記述を呼び出す方法を紹介していきます。
組み込みを行うメリット
組み込みは、2つの言語の文法を処理しないといけないため、ややこしく感じる方も少なくないでしょう。しかし、組み込みによって様々な恩恵を受けることができます。ここでは、組み込みを用いる2つのメリットを紹介します。
使い慣れた言語を主軸に新しい言語を試せる
例えば人によっては、「C#で様々なモジュールを作成してしまい、今からPythonを学習・ライブラリの作成には時間がかかる」ということがあります。そうした時に組み込みを用いることで、C#で作成したモジュール群を生かしつつ、Pythonの短く多機能な記述を部分的に試用する、といったことが可能になります。
複数言語の利点を併用できる
C#はオブジェクト指向により非常に複雑なプログラムでもきれいに記述することができ、またPythonは機械学習や画像処理など、多岐にわたる豊富なライブラリを持ちます。このように各言語には各々の利点があり、組み込みを用いることでそれらの言語の利点を併用することができます。
C#からPythonを呼び出す環境の構築
ここまで、組み込みを行うメリットを紹介してきましたが、いかがでしたか。この項目では、「Windows10 Home」上での環境構築も含めたC#からPythonを呼び出す方法を紹介します。
コマンドプロンプトを起動する
コマンドを用いてWindowsの設定などを行うコマンドプロンプトで環境構築をしていきます。まず、Windows + R
キーを押して「ファイル名を指定して実行」というウィンドウを出し、cmd
と入力してenter
を押します。黒地に白い文字が並んだ画面(CUIと呼ばれる)が表示されたら成功です。
Python for .NETをインストールする
Python for .NETは、.NET(C# )からPythonを呼び出したり、Pythonから.NETを呼び出すためのパッケージです。先ほど起動したコマンドプロンプト上で、pip install pythonnet
と入力しenter
を押します。以下のような表示が出てきたらインストール成功です。Collecting pythonnet Downloading https://files.pythonhosted.org/packages/65/ed/cd200e95392d7f4a74319ff9166ba8a4a6fb28a405b065297f3fdec82da9/pythonnet-2.4.0-cp37-cp37m-win_amd64.whl (70kB) 100% |████████████████████████████████| 71kB 495kB/sInstalling collected packages: pythonnetSuccessfully installed pythonnet-2.4.0You are using pip version 19.0.3, however version 20.2b1 is available.You should consider upgrading via the 'python -m pip install --upgrade pip' command.
Visual Studioのインストール
下記のリンクから、.NETの統合開発環境(IDE)であるVisual Studioのダウンロードを行います。ここでは、Visual Studio Commuinity 2019を使ってご紹介します。
プロジェクトを作成する
Visual Studioを起動し、C#のコードをコンパイル・デバッグするためのプロジェクトを作成していきます。バージョンによって詳しいUIは異なるため少し違いがありますが、手順を示します。ウィンドウ左上のファイル/新規作成/プロジェクトを選択した後、「新しいプロジェクトを作成」ウィンドウが出てくるため「コンソールアプリ(.NET Core)」を選択します。また、ここでこの項目がない場合は、.NET関連の項目を追加でインストールしてください。プロジェクト名に任意の名前(ここではPython_in_Csharpとします)を挿入し、保存するディレクトリを選択したら「作成」を押します。using System;namespace Python_in_Csharp{ class Program { static void Main(string[] args) { Console.WriteLine("Hello World!"); } }}
といったプログラムが表示されれば成功です。
NuGetパッケージのインストール
Visual Studio上のプロジェクト/NuGet パッケージの管理を選択し、「参照」タブに移動して検索欄にpythonnet
と入力し検索します。結果の2番目に「pythonnet_py35_dotnet」というものがあるので、それをクリックし右側に出てきた「インストール」を押します。「変更のプレビュー」というウィンドウが出てきたら「OK」を押します。
実際に使ってみる
構築した環境を用いて、実際に組み込みをしてみましょう。Program.cs
上で static void Main(string[] args) { Console.WriteLine("Hello World!"); }
のようになっている部分を、 static void Main(string[] args) { using (Py.GIL()) { dynamic np = Py.Import("numpy"); Console.WriteLine(np.cos(np.pi * 2)); dynamic sin = np.sin; Console.WriteLine(sin(5)); double c = np.cos(5) + sin(5); Console.WriteLine(c); dynamic a = np.array(new List { 1, 2, 3 }); Console.WriteLine(a.dtype); dynamic b = np.array(new List { 6, 5, 4 }, dtype: np.int32); Console.WriteLine(b.dtype); Console.WriteLine(a * b); Console.ReadKey(); } }
このように書き換えます。F5
キーで実行し、結果が1.0-0.958924274663-0.6752620892float64int32[ 6. 10. 12.]
となっていれば成功です。PythonのコードをC#内に組み込むときはusing (Py.GIL())
で始まるブロックの中に記述していきます。dynamic np = Py.Import("numpy");
のようにPythonのモジュールをC#の変数に格納することで、Console.WriteLine(np.cos(np.pi * 2));
のようにモジュール関数のC# 内への組み込みをしています。 dynamic a = np.array(new List { 1, 2, 3 }); Console.WriteLine(a.dtype); dynamic b = np.array(new List { 6, 5, 4 }, dtype: np.int32); Console.WriteLine(b.dtype); Console.WriteLine(a * b);
のように、C#で定義したListをPythonで行列に変換し、その積を出力する、といったこともできます。
Pythonの処理を行おう!
この記事ではPython for .NETを用いて、C#のコード内でPythonの処理を行う方法を紹介しました。C#とPythonの良いとこ取りができ、上手く使えば可視性の上昇・コード量の削減が見込めるため、使いたいライブラリによっては検討の価値があると思います。組み込みを使って、より高度な実装を楽しみましょう。
FEnetを運営しているネプラス株式会社はサービス開始から10年以上
『エンジニアの生涯価値の向上』をミッションに掲げ、
多くのインフラエンジニア・ネットワークエンジニアの就業を支援してきました。
ネプラス株式会社はこんな会社です
秋葉原オフィスにはネプラス株式会社をはじめグループのIT企業が集結!
数多くのエンジニアが集まります。

-
インフラ業界に特化
ネットワーク・サーバー・データベース等、ITインフラ業界に特化。Cisco Systemsプレミアパートナーをはじめ各種ベンダーのパートナー企業です。
業界を知り尽くしているからこそ大手の取引先企業、経験豊富なエンジニアに選ばれています。
-
正社員なのにフリーランスのような働き方
正社員の方でも希望を聞いたうえでプロジェクトをアサインさせていただいており、フリーランスのような働き方が可能。帰社日もありません。
プロジェクト終了後もすぐに次の案件をご紹介させていただきますのでご安心ください。
-
大手直取引の高額案件
案件のほとんどが大手SIerやエンドユーザーからの直取引のためエンジニアの皆様へに高く還元できています。
Ciscoをはじめ、Juniper、Azure、Linux、AWS等インフラに特化した常時300件以上の案件があります。
-
スキルアップ支援
不要なコストを削減し、その分エンジニアの方へのスキルアップ支援(ネットワーク機器貸出、合格時の受験費用支給など)や給与で還元しています。
受験費用例)CCNP,CCIE:6-20万円、JNCIS:3-4万円、AWS:1-3万円など
※業務に関連する一定の資格のみ。各種条件がありますので詳しくは担当者へにお尋ねください。
-
現給与を保証します!※
前職の給与保証しており、昨年度は100%の方が給与アップを実現。収入面の不安がある方でも安心して入社していただけます。
※適用にはインフラエンジニアの業務経験1年以上、等一定の条件がございます。
-
インセンティブ制度
ネットワーク機器の販売・レンタル事業等、売上に貢献いただいた方にはインセンティブをお支払いしています。
取引先企業とエンジニア側、双方にメリットがあり大変好評をいただいています。
-
社会保険・福利厚生
社員の方は、社会保険を完備。健康保険は業界内で最も評価の高い「関東ITソフトウェア健康保険組合」です。
さらに様々なサービスをお得に利用できるベネフィットステーションにも加入いただきます。
-
東証プライム上場企業グループ
ネプラスは東証プライム上場「株式会社夢真ビーネックスグループ」のグループ企業です。
安定した経営基盤とグループ間のスムーズな連携でコロナ禍でも安定した雇用を実現させています。
ネプラス株式会社に興味を持った方へ
ネプラス株式会社では、インフラエンジニアを募集しています。
年収をアップしたい!スキルアップしたい!大手の上流案件にチャレンジしたい!
オンライン面接も随時受付中。ぜひお気軽にご応募ください。


C#新着案件New Job
-
【高額年収】/競馬場向け音声案内ツール運用保守/神奈川県横浜市/【WEB面談可/インフラサーバ経験者/20~40代の方活躍中】/在宅勤務
年収600万~720万円神奈川県横浜市(桜木町駅) -
【高額年収】/ECサイト運用保守/Windows/東京都23区東部/【WEB面談可】/在宅勤務/20代~40代の方活躍中
年収600万~720万円東京都23区東部(-駅) -
【高額年収】/共通基盤や製品に関わる運用保守/C#/東京都中野区/【WEB面談可】/在宅勤務/20代~40代の方活躍中
年収600万~720万円東京都中野区(中野駅) -
ECサイト構築/Windows/東京都23区東部/【WEB面談可】/在宅勤務/20代~40代の方活躍中
年収540万~720万円東京都23区東部(-駅) -
VR・AIサービス運用保守/C#/東京都品川区/【WEB面談可】/在宅勤務/20代~40代の方活躍中
年収600万~720万円東京都品川区(五反田駅) -
Web受付ツール及びサーバ運用保守/東京都千代田区/【WEB面談可/インフラサーバ経験者/20~40代の方活躍中】/在宅勤務
年収480万~660万円東京都千代田区(飯田橋駅)