クローリングとスクレイピングの注意点とは?適したライブラリやツール8選を紹介

クローリングとスクレイピングの違い
インターネット上にあるWebサイトからさまざまな情報を収集する技術としてクローリングやスクレイピングが注目されています。それぞれどのような違いがあるのかご存知でしょうか。
両者はまとめて紹介されるケースが多く混同しやすいですが、それぞれ異なる意味を持ちます。本記事では、クローリングとスクレイピングについて詳しくご紹介します。
クローリングとは
クローリング(crawling)とはプログラムがWebサイトを巡回することです。そのため、クローリング自体には情報を収集するといった意味はありません。
また、クローリングを行うプログラムには「クローラー」の他に「スパイダー」などがあります。
スクレイピングとは
スクレイピング(scraping)とは不要な情報を削ぎ落して必要な情報を抽出することです。スクレイピングは「削り取る」などの意味を持つ言葉で、情報抽出を行うものです。
Webにおけるスクレイピングでは、クローリングによってインターネット上を回って集めた情報の中から、必要な情報のみを抜き取る作業を行っています。このように、クローリングとスクレイピングは合わせて利用されることが多い技術となっています。
クローリングとスクレイピングによってできること
クローリングとスクレイピングをとは、インターネット上にあるWebサイトを巡回して情報を収集する技術です。それでは、従来のように人が手作業で作業を行うことと比較して、具体的にどのようなことができるのでしょうか。
ここではクローリングとスクレイピングによってできることをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
膨大なデータの収集
人が手作業でさまざまなWebサイトから情報収集を行おうとすると、膨大な時間や手間がかかります。また、収集できる情報量も限られています。
しかしクローリングとスクレイピングを利用することによって、人の手では難しい膨大なデータを少ない工数で収集することが可能になります。
業務の自動化や改善
クローリングとスクレイピングを利用することによって、これまで時間をかけて行っていた情報収集作業を自動化することが可能となります。そのため、情報収集に時間を取られていた従業員の業務を大幅に改善することができるでしょう。
また、データ収集作業をクローリングとスクレイピングで自動化することで、人はより重要な作業に時間をかけることができるようになり、業務効率化も実現できます。
クローリングとスクレイピングをする際に注意すべきこと
インターネット上にある膨大な情報を自動で収集することができるクローリングとスクレイピングは非常に便利な技術ですが、利用する場合にはいくつかの注意点があります。
ここではクローリングとスクレイピングをする際に注意すべきことをご紹介しますので、以下の点について注意しながら利用するようにしましょう。
サーバーに負荷がかかる
クローリングとスクレイピングは情報収集先のWebサイトにアクセスして作業を行うため、Webサイトのサーバーに負荷がかかることになります。また、収集する情報の量によってはサーバーへの負荷が大きくなりすぎて、サーバーがダウンする可能性もあります。
サイトの規約を確認する
クローリングとスクレイピングを禁止しているWebサイトも存在するため、サイトの利用規約をチェックしましょう。仮にクローリングとスクレイピングを禁止しているサイトに対して作業を行い、情報を利用してしまうと、サイト運営側から訴えられる可能性もあります。
クローリングとスクレイピングに適した言語
自分でクローリングとスクレイピングの構築を行う場合、プログラミング言語を使って構築することになります。それでは、どのようなプログラミング言語がクローリングとスクレイピングの構築に適しているのでしょうか。
ここではクローリングとスクレイピングに適した言語をご紹介しますので、言語選びの参考にしてみてください。
Python
Pythonは近年、人工知能の開発や機械学習で注目されている言語です。コードがシンプルでわかりやすく、読み書きがしやすいため初心者でも習得しやすい言語だと言えます。
Pythonはクローリングとスクレイピングを構築するのによく用いられる言語で、「Scrapy」や「Beautiful Soup」などのライブラリが使われます。
Ruby
Rubyは日本人が開発した言語です。楽しくプログラミングができることをモットーにしており、自然な読み書きができることから人気の高い言語です。また、Webアプリ開発を効率化できる「Ruby on Rails」という便利なフレームワークを利用できます。
Rubyでクローリングとスクレイピングを構築する際は、多くの場合「Nokogiri」というライブラリを利用します。
Pythonのクローリングとスクレイピングに適したライブラリ3選
前述のとおり、クローリングとスクレイピングの構築にはPythonが利用されるケースが多くあります。また、Pythonでクローリングとスクレイピングを構築する場合は、主に「Scrapy」「Pyppeteer」「Beautiful Soup」などのライブラリが利用されています。
ここではPythonのクローリングとスクレイピングに適したライブラリを3つご紹介します。
1:Scrapy
ScrapyはPythonのクローリングとスクレイピングのライブラリです。
Scrapyではクローリングとスクレイピングの両方が構築でき、さらにCSV形式やXML形式のファイル出力も行えます。
そのため、複数のWebサイトを対象としたクローリングとスクレイピングを行いたい場合に便利なライブラリです。
2:Pyppeteer
PyppeteerはNode.jsで作られたPuppeteerのPython版のライブラリです。
APIを使ってプログラムからChromeブラウザを制御するものですが、ブラウザの制御ができることからクローリングやスクレイピングにも利用できます。
3:Beautiful Soup
Beautiful SoupはPythonのスクレイピングのためのライブラリです。HTMLやXMLなどのファイルからデータを抽出し、データ解析を行うことに特化したライブラリとなっています。
そのため、スクレイピングによって必要な情報の抽出はできますが、データを用意するためのクローリングなどの処理は別途用意する必要があります。
クローリングとスクレイピングに必要なファイル
プログラムを使ってクローリングとスクレイピングを行う場合、必要になるファイルが2つあります。1つは「サイトマップ」、もう1つは「robots.txt」です。
ここではクローリングとスクレイピングに必要なファイル2つをそれぞれご紹介しますので、どのようなものなのか参考にしてみてください。
サイトマップ
サイトマップとは、クローリング対象のWebサイトのURLが記載されたXMLファイルです。サイトマップはクローリングとスクレイピングを依頼してきたクライアントからの依頼書のようなもので、クローリング対象のWebページが予め指定されています。
そのため、サイトマップを利用することで、正確に対象のWebページにクローリングを行うことができるようになります。
robots.txt
robots.txtとは、アクセス対象のWebサイトを記載したテキストです。URLにアクセスを行うプログラムに対して指示を出しているもので、アクセス不可のURLについても記載されています。
robots.txtには、実際にクローリングを行うプログラムを指定する「User-agent」、アクセスしてはいけないパスを指定している「Disallow」、アクセス可能なパスを指定している「Allow」などが記載されています。
クローリングとスクレイピングの活用例
クローリングとスクレイピングによって情報収集を自動化し、業務に役立てることができます。それでは、クローリングとスクレイピングは具体的にどのような業務で利用されているのでしょうか。
ここではクローリングとスクレイピングの活用例をご紹介します。
膨大なデータの収集・分析
クローリングとスクレイピングを行うことで、ビッグデータの収集や分析に活用できます。近年ではビッグデータを分析することで市場調査をしたり、マーケティング戦略に利用したりするケースが多くなっています。
たとえば特定の業界のWebサイトに対してクローリングとスクレイピングを行うことにより、その業界の製品の平均価格などを把握することもできます。
SEOの効果分析や他社分析
クローリングとスクレイピングでは、特定の検索キーワードでのブログやオウンドメディアの検索順位を分析することもできます。
そのため、効果を期待しているキーワードについて、他社サイトと自社サイトの検索順位を比較したり、自社サイトでのSEO施策の効果を検証したりすることができます。
自社のみでなく、競合他社のサイトの分析も可能な点が大きなメリットだと言えるでしょう。
クローリングとスクレイピングをするためのツール5選
プログラミングスキルがなく、自分でクローリングやスクレイピングの構築ができないという方は、クローリングとスクレイピングができるツールを利用するのがおすすめです。
ツールの中には無料で利用できるものもあります。ここではクローリングとスクレイピングをするためのツールを5つご紹介します。
1:Octoparse
Octoparseは無料でも利用できるスクレイピング&Webクローラーです。コードを書かずにWeb上のデータ収集を自動化することが可能です。
URL指定や検索ワード指定などで膨大な量のデータをスクレイピングでき、データは自動的にクラウドサーバーに保存されます。また、ExcelやCSV、HTMLなどの形式でファイル出力が可能です。
2:Content Grabber
Content Grabberは、簡単にデータ抽出ができるクローリング・スクレイピングツールです。抽出したデータはExcelやCSV、XMLファイルとして保存できます。
使い方は簡単ですが、高度な抽出を行いたい場合にはプログラミングスキルが必要になります。利用開始から30日間は無料で利用できるため、お試しで利用してみるのもよいでしょう。
3:Import.io
Import.ioはクラウド上で利用できるクローリング・スクレイピングツールです。URLを入力するだけのシンプルな操作でクローリングとスクレイピングができます。
また、無料版も用意されているため、手軽に利用できるのもポイントです。OSはLinuxにも対応しており、スケジュール設定によって自動的にデータ抽出を行えるスケジュール機能も搭載しています。
4:Mozenda
Mozendaは非常に歴史の長いクローリング・スクレイピングツールです。クラウドベースのツールで、古くから存在するクローリング・スクレイピングツールのため、高い信頼性を誇ります。
Mozendaを利用することで、初心者でもすぐにWebスクレイピングができるようになります。
5:Scraper
ScraperはGoogle Chromeの拡張機能として提供されているクローリング・スクレイピングツールです。そのため、ブラウザにGoogle Chromeを利用している場合は導入するだけで誰でも無料で利用できます。
ただし、スケジュール設定などの便利な機能はないため、日々同じ対象サイトからデータ抽出を行いたい場合には作業が自動化できず不向きと言えます。
クローリングとスクレイピングを活用しよう
クローリングとスクレイピングを利用することで、Web上のデータ収集作業を自動化できます。
ぜひクローリングとスクレイピングによってできることや注意すべきこと、便利なWebスクレイピングツールなどを参考に、ビジネスにクローリングとスクレイピングを活用してみてはいかがでしょうか。
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