NB-IoTの特徴6選|NB-IoT以外のLPWAの種類6選など紹介

LPWAについて
LPWAとは「Low Power Wide Area」を略した言葉で、できるだけ低消費電力で長距離通信を実現する通信方式です。
LPWAの最大伝送速度は100bps、伝送距離は最大50kmほどとなっており、近年ではIoTを構成する要素として注目されています。
また、LPWAの無線通信規格はライセンスが要らないアンライセンスバンドと、ライセンスが必要なライセンスバンドの2つにわけられます。
IoTの通信規格「NB-IoT」とは
「NB-IoT」とは、「Narrow Band IoT」の略で、国際標準化団体間のプロジェクトである3GPPの「Release13」によって、カテゴリNB1と規定された通信規格です。
LPWAのセルラー接続技術の一つで、Narrow Bandの通り180KHz幅と非常に狭い帯域幅を使い、最大通信速度は上り63kbps/下り27kbpsと低速な通信を行います。
これによって省電力性の高い通信が可能です。
NB-IoTは家電や環境センサーなど送受信するデータ量が非常に少なく、高速でのデータ通信が必要ではないIoT向けの利用に適した仕様です。処理するデータ量や搭載する機能を最小限に抑えることで通信モジュールの低価格化も実現できるといわれています。
水道やガス、電気などのスマートメーターによる遠隔検診、防犯機器などの警報通知、河川氾濫や土砂崩れなど災害の予兆監視、スマートパーキング、公共インフラの予知保全など送信データの量が少なく通信頻度も低い分野での活用が進んでいます。
NB-IoT以外のLPWAの種類6選
NB-IoT以外のLPWAの種類をご紹介します。
NB-IoTなどのライセンス系LPWAはキャリアが免許を受けているLTEの周波数を使用しているものですが、他にも無線局を必要としないアンライセンスバンドなどがあります。
ここではNB-IoT以外のLPWAの種類6選をご紹介しますので、どのような種類があるのか参考にしてみてはいかがでしょうか。
NB-IoT以外のLPWAの種類1:LoRaWAN
LoRaWANとはオープンな非営利団体である「LoRa Alliance」が定めた無線ネットワーク規格です。
LoRaWANはNB-IoTと違ってライセンスを必要としないアンライセンスバンドで、オープンソースの通信規格として仕様が公開されているため、IoT向けの通信規格として世界で広く活用されています。
また、LoRaWANは920MHz帯を利用しています。
NB-IoT以外のLPWAの種類2:SIGFOX
SIGFOXとはSigfox社が定めた無線ネットワーク規格です。
LoRaWANと同じく非常に低速ながら、低消費電力かつ長距離伝送が可能なLPWA規格です。仕様上は50kmほどの距離まで通信が可能となっています。
また、現在はフランスやスペイン、オランダなどのヨーロッパで展開されており、日本でも920MHz帯を利用して使用することができます。
NB-IoT以外のLPWAの種類3:zeta
zetaとはマルチホップ通信が可能な無線ネットワーク規格です。
zetaは超狭帯域による多チャンネル通信が可能なLPWA通信規格です。zetaの大きな特徴は他のLPWA規格と違ってマルチホップ通信が可能なことで、安価ながら電池駆動の中継器を使用したメッシュネットワークによって幅広いエリアをカバーします。
また、クラウドプラットフォーム「ZETA Server」も提供しています。
NB-IoT以外のLPWAの種類4:ELTRES
ELTRESとはソニーが開発した独自の無線ネットワーク規格です。
「ELTRES」はスペイン語を語源としており、定冠詞の「EL」とELTRESの特徴である「長距離安定通信」「高速移動体通信」「低電力消費」という「3つ」を表す「TRES」を組み合わせた造語です。
ELTRESは一部の性能を削ぎ落すことで、他のLPWAと比べて高い長距離安定通信と高速移動体通信を可能にしています。
NB-IoT以外のLPWAの種類5:RPMA
RPMAとはIngenuが定めた無線ネットワーク規格です。
「RPMA」は「Random Phase Multiple Acce」を略した名称で、もともとはサンディエゴのOn-Ramp Wireless(現Ingenu)が開発した通信方式です。
本来は変調方式を含んだ通信方式の技術的な呼び名でしたが、RPMA以外に変調方式を使用する通信規格が存在しないことから、現在でもこの名称で呼ばれています。
NB-IoT以外のLPWAの種類6:Wi-SUN
Wi-SUNとはIngenuが定めた無線ネットワーク規格です。
「Wi-SUN」は「Wireless Smart Utility Networ」を略した言葉で、日本の電力会社のスマートメーターと家庭内HTMS(Home Energy Management System)を繋ぐBルート通信に標準採用されています。
そのため、今後Wi-SUNはHEMSゲートウェイに接続する機器にも広まると予想されています。
NB-IoTの特徴6選
NB-IoTの特徴をご紹介します。
さまざまな種類があるLPWAの中でも、NB-IoTはキャリアが国から免許を受けて、LTEの周波数帯を使用しているものです。また、近年ではIoTに適した通信規格として注目されているNB-IoTですが、具体的にはどのような特徴があるのでしょうか。
ここではNB-IoTの特徴6選をご紹介しますので、どのような特徴があるのか参考にしてみてください。
NB-IoTの特徴1:IoT向けに特化している
NB-IoTはIoT向けの利用に特化した仕様になっています。
IoTの通信ではシンプルなデータをやり取りします。たとえば、センサーで測った温度やGPSの位置情報など、数値のみを送ることができれば問題ありません。
NB-IoTは非常に狭い帯域幅を使用しており、通信速度も低速です。しかし省電力性が高く、低価格化も実現しやすいことから、データ量が少なく高速通信も必要としないIoTに非常に適しています。
NB-IoTの特徴2:バッテリーが長命
NB-IoTはバッテリーが長持ちするという特徴があります。
NB-IoTは長時間のバッテリー駆動が可能な、費用対効果の高い効率的なソリューションです。高効率な低消費電力で利用することができるため、バッテリーは充電する必要がなく、約10年以上デバイスを稼働させることができます。
NB-IoTの特徴3:受信間隔の拡大
NB-IoTは受信間隔を拡大しているという特徴があります。
NB-IoTではUEでの信号受信を最長で2.9時間まで間欠的に行うことが可能です。また、それ以外の時間については多くの機能を停止することによって、電池の長寿命化を実現しています。
NB-IoTの特徴4:PSM技術の使用
NB-IoTはPSM技術を採用しているという特徴があります。
PSM(Power Saving Mode)とは通信しないことで電池を長く持たせる技術です。通信頻度が少ない場合などで利用すれば、基本的に着信を受け付けず、デバイス側からデータを送信する必要が発生した場合などにようやく通信を行うことになります。
NB-IoTの特徴5:次世代を担う普及率の高さ
2018年にカウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ社が発表したIoTサービスによる市場調査結果によると、2025年までにセルラーIoTの接続機器は全世界で50億台を突破し、IoT接続の半数に近い割合がNB-IoTになる見通しであるとしています。
今後は、製造業のスマートマニュファクチャリング、電気・ガス・水道などのスマートユーティリティ、自動車のスマートモビリティなどが今後さらに成長すると予測されます。それらに関わるアプリケーションは、省電力かつ低コストで広域に接続できるセルラー接続を必要とし、NB-IoTはそのニーズに対応するセルラーLPWA接続の一つとなります。
2018年上半期と2025年の、世界のセルラーIoT接続のシェアを技術別に比較した予測も発表されています。
それによると、2018年には42%を占めていた2G IoT接続と22%のシェアを保持していた3G IoT接続は、NB-IoTに置き換えが進み、2025年にはそれぞれシェア率は1%未満になる見込みとなっています。
その一方で2018年に4%程度であったNB-IoTは、2025年には45%ほどのシェアまで成長し、IoT接続の主流になると予測されています。
NB-IoTの特徴6:通信速度が遅い
NB-IoTは通信速度が遅いという特徴があります。
NB-IoTの通信速度は上りが63kbps、下りが27kbpsとなっており、速いとは言えません。しかしIoTとしての用途で用いるのであれば、十分な通信速度があります。
また、非常に狭い帯域を使用し、通信速度も低速にすることで、消費電力を少なく抑えることが可能となっています。
NB-IoTに置き換えが進むIoT通信
IoTには、送受信するデータの量や通信頻度が少ないものも多くあります。
そのようなIoT通信の分野では、狭い帯域幅で低速通信を行う接続方式でも問題はありません。消費電力を抑え、低コストで通信が可能なNB-IoTが適合し今後ますます採用が進んでいくと考えられています。
NB-IoTを理解し日々の生活を快適にしていきましょう
NB-IoTは非常に狭い帯域かつ低速にすることで消費電力をおさえ、IoT向けの利用に特化している通信規格です。
ぜひこの記事でご紹介したNB-IoTの概要やNB-IoT以外のLPWAの種類、NB-IoTの特徴などを参考に、今後のIoT通信規格の主流となっていくと考えられているNB-IoTについて理解を深めてみてはいかがでしょうか。
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