【IoT用の通信規格のパイオニア】LoRa・LoRaWANとは何か?違いや特徴をご紹介
LoRaWANはloT向けの通信規格であるLPWAの一つです。
世界中で使われているLPWAの中でも先行して普及を図ってきた規格です。
今回はLoRa とLoRaWANの違い、LoRaWANの特徴などを紹介します。
LoRaとLoRaWANの違い
LoRaWANはLoRaを用いたネットワークのことを指します。
IoTの普及に伴い広いエリアをカバーする無線通信技術開発が進んでおり、それをLPWAと呼びます。
その中の代表的な規格の一つがLoRaです。
LoRaはサブギガ帯と呼ばれる周波数帯域を使用しており、最大伝送速度は250kbpsほど、伝送距離が最大10㎞ほどとされています。
免許不要の周波数帯域を用いるオープンな通信規格で、普及のためにLoRa Allianceという非営利団体が組織されており、全世界のloT企業の多くが加盟しています。
このLoRaによるネットワークを「LoRaWAN」と呼びます。
LoRa は基地局などの物理的な規格ですが、LoRaWANはネットワーク通信技術の規格です。
またLoRaは変調方式、LoRaWANはMACレイヤーによるデータの送受信を含めた仕様のことという違いもあります。そのためLoRaのことを「変調LoRa」と称することもあります。
LoRaWANの特徴
長距離通信ができる
LoRaWANは長距離通信に特化しているのが特徴です。
ゲートウェイを設置すれば、半径数㎞~10㎞の範囲でネットワークを構築できるとされています。
また山間部でも通信が可能で、NB-IoTやSIGFOXなどがカバーしていない場所でもネットワークを構築できるといわれています。
低電力
LoRaWANはボタン電池1個ほどの電力でも双方向通信ができる特徴があり、消費電力が少ないのでバッテリーは10年以上持続するとされています。
頻繁に充電作業をする必要がないので、設備維持にかかるコストも抑えられるというメリットも出てきます。
室内でも利用できる
LoRaWANは電波の回り込み特性に優れているとされています。
障害物を避けるように通信を行うので、室内でも快適に通信が可能です。
ただし従来の無線通信と同様に、金属製の躯体の中や金属の近くでは電波が乱れるほか、通信距離が短くなるなど影響があります。
干渉しにくい
LoRaWANは920MHz帯を用いており、この帯域は他の無線ネットワークが存在していても安定的に通信ができるとされています。
Wi-Fiで用いられる2.4GHz帯は電波が密集すると互いが干渉し通信が不安定になりますが、LoRaWANは他の電波の影響を受けにくいので不安定になりにくいとされています。
そのため電波干渉が起きやすい工場内でも利用しやすいネットワークです。
出典元:KDDI「LoRaWAN」
出典元:KDDI「LoRa」
世界的に広く利用されている通信規格
LoRaWANは低電力で長距離通信ができることから、世界中に普及しています。
少ない費用で利用できるので、今後も広く普及していくことが予想されます。
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