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エッジコンピューティングについて|メリット4選や活用例7選をご紹介

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エッジコンピューティングについて|メリット4選や活用例7選をご紹介
この記事でわかること
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    エッジコンピューティングについて


    エッジ(edge)は、IoTの分野において、ユーザー側で収集したデータを回線に送り出すポイントを指します。
    具体的にはユーザー側のデバイスや無線基地局などのネットワーク機器のことです。

    収集したデータをすべて送信するとネットワークにかかる負荷が大きくなり、情報処理の速度が落ちるという問題が起こります。
    エッジコンピューティングは、エッジ側で情報を処理することによってネットワークの負担を軽くする技術です。

    エッジコンピューティング以外の処理方法


    現在情報処理の主流として活用されているクラウドコンピューティングですが、増え続ける情報量にデメリットも指摘されるようになっています。
    エッジコンピューティングは、クラウドコンピューティングの抱える問題点を解消し、IoTなどの新技術をより効率的に利用するための方策です。

    エッジコンピューティング以外の処理方法には、フォグコンピューティングとクラウドコンピューティングが挙げられます。
    以下ではこの2つについての詳細を解説します。

    フォグコンピューティング

    フォグコンピューティングは、エッジコンピューティングと同様の意味で使われることもある言葉です。

    エッジコンピューティングの目的は、端末に近いところでデータを処理することで、クラウドを利用する際の負荷を減らすことです。
    フォグコンピューティングも同様の効果を期待されている技術ですが、エッジコンピューティングが物理デバイスに近いところで処理をするのに対して、フォグコンピューティングはクラウドに近いところで処理をするという違いがあります。

    クラウドコンピューティング

    クラウドコンピューティングは、手元のPCからサーバーにアクセスすることで様々なサービスを利用することが出来る技術です。

    データを保存することを例に挙げて考えます。
    クラウド以前は、PCのハードディスクやUSBメモリーにデータを保存していましたが、容量に制限があるなど不便な点が目立ちました。
    クラウドコンピューティング普及後は、インターネット回線を利用してデータをサーバーに送り、そこで情報を大量に保存することが可能になりました。

    自分の携帯電話からでも会社のPCからでも同一のデータにアクセスできることもメリットといえます。

    エッジコンピューティングのメリット4選


    エッジコンピューティングとはエッジ処理とも呼ばれるネットワーク技法の一つです。
    エッジとはデバイスや無線LANルーターなどのユーザーに近いネットワーク設備のことを言います。

    エッジコンピューティングのメリット
    近年はクラウドで様々な処理を行います。
    これからのloT時代は様々なデバイスがネットワークに繋がり、データ量も膨大になります。
    エッジコンピューティングは、膨大なデータをクラウドで処理せず、生成元であるエッジ上で処理します。
    必要なデータだけをクラウドに送信するので、通信の遅延や上位システムへの負荷を軽減するとされています。
    またエッジ側でデータ処理を行うとネットワークを介した応答を待つ時間が無いので、大容量のデータに対して高速にアプリケーション処理が可能です。

    出典元:NIF CLOUD「エッジコンピューティングの重要性とは?クラウドとの役割分担が効率アップのカギ」

    エッジコンピューティングのメリット1:データ処理を効率よく行える

    エッジコンピューティングのメリットは、クラウドコンピューティングに比べてデータ処理が効率的であることです。

    クラウドコンピューティングでデータを処理する際、情報が往来するために、時間的にも効率的にも無駄が発生するというデメリットがあります。
    それに対してエッジコンピューティングでは、ユーザーに近い場所でデータは処理し、必要なものだけをサーバーに送るため、無駄が省かれます。
    その結果サーバーからのレスポンスも向上し、リアルタイムでの情報のやり取りが可能となります。

    エッジコンピューティングのメリット2:通信のコスト削減ができる

    これまでデータはすべてサーバーに送信して処理されてきましたが、エッジコンピューティングを利用することによって、通信コストを削減することが期待できます。

    クラウドコンピューティングを利用した場合、ユーザー側で生成したデータをすべて送信することになるため、通信コストも高くなっていました。
    しかしエッジ側である程度データを変換・成形すると、必要な情報のみをクラウドに送信することができます。

    エッジコンピューティングのメリット3:トラブル時に対応しやすい

    クラウドコンピューティングにアクセスが過剰に集中した場合、障害が起きてネットワークにつながらないことがあります。
    災害時や大きなニュースがあった際にトラブルが起きやすく、このようなときにはクラウドに関係するすべてのサービスがストップしてしまうことになります。
    エッジコンピューティングのメリットは、クラウドコンピューティングに依存している現状を打開し、トラブルが起きた時に対応しやすくなることです。

    エッジコンピューティングのメリット4:セキュリティの高さ

    外部に持ち出したくない情報があった場合、ネットワークを介してデータをやり取りするクラウドコンピューティングシステムには不安が残ります。
    その点エッジコンピューティングは、ユーザーの端末付近で情報処理ができるため、ネット上に不用意に情報を流さなくてもいいというメリットがあります。
    またエッジ側でデータを加工してサーバーに送信することで、データを保護しながらネットワークを利用して情報を行き来させることも可能になります。

    ゼロトラストネットワーク

    ゼロトラストネットワークとは、なにも信用しない(ゼロトラスト)という考え方のもと構築されたセキュリティの概念です。
    現在のIT環境は、内部不正やサイバー攻撃などの脅威にさらされており、今や「社内だけは安全」といった考え方もできなくなっています。
    既存のファイヤーウォールやVPNのようなセキュリティ対策だけでは情報を守ることが出来なくなっている現状に鑑みて、内部・外部を問わずすべての情報の行き来を信用せず、その都度認証を必要とするのがゼロトラストネットワークです。

    エッジコンピューティングにおける活用例7選


    エッジコンピューティングは、今後も増えていくであろう情報処理の負担を分散する技術として、また、IoT技術を支えるものとして期待されています。

    以下では、普及が進む「顔認証システム」「5Gの運用」「人物行動分析サービス」など、生活やビジネスに使われている例と、最先端の技術として開発がすすむAIにかかわる「機械学習の精度向上」「IoT分野での活用」など、具体的な例を7つ挙げてみていきます。

    エッジコンピューティングにおける活用例1:顔認証システムに役立っている

    顔認証システムにエッジコンピューティングが活用されています。
    顔認証が使われる場面と言えば、入退場の際でしょう。
    建物に入ることを許可されている人物の顔写真を専用の機械に読み取らせることで入退場の管理ができますが、このシステムを実現するためには膨大な人数の顔情報を集約し、処理しなければなりません。
    また、顔情報は個人情報でもあるため、クラウドコンピューティングを利用する上ではセキュリティ面での不安もあるでしょう。
    そのためこれらを解決するエッジコンピューティングシステムが利用されているということです。

    エッジコンピューティングにおける活用例2:IoT分野で活用できる

    IoTとは「モノのインターネット」と呼ばれる技術です。従来インターネットに接続されるのはパソコンやサーバーといったIT機器でしたが、現在ではスマートウォッチやスマートスピーカーに代表される「モノ」がネットに接続するようになっています。
    これら「モノ」が得た情報をすべてクラウド上に流すとなるとコストも時間もかかりますが、エッジコンピューティングを利用することで、これらの問題点を解決することができます。

    エッジコンピューティングにおける活用例3:5Gの運用に役立つ

    5Gは「大容量」「超低遅延」「多数同時接続」の3つを特徴としており、次世代のインフラとして運用がスタートしましたが、ここでもエッジコンピューティングの貢献が期待されています。
    特に「超低遅延」の面において役に立つのがエッジコンピューティングです。
    大容量・多数同時接続が特徴の5Gですが、その性能にはやはり限界があります。
    エッジコンピューティングのメリットであるローカルな環境での情報処理が、クラウドへの負担を減らすことを可能にするでしょう。

    エッジコンピューティングにおける活用例4:ウェアラブルデバイスに役立っている

    ウェアラブルデバイスとは、手首や足首、頭など体の一部分に装着するデバイスのことです。
    身近な例として、スマートフォンと連携したスマートウォッチが挙げられます。

    ウェアラブルデバイスは腕時計や眼鏡のように身につけて使用することが出来るため、医療分野や健康管理などの分野での活用されています。
    身につけるものがエッジ端末となり、情報を収集・解析します。
    必要なデータをサーバーに送ることで管理が可能となります。

    エッジコンピューティングにおける活用例5:AIや機械学習の精度が上がる

    人工知能とも呼ばれるAIは、自律的に学習することでよりさまざまなことを学んでいきますが、学習精度の向上には大量のデータ取得や、そのデータの取捨選択が重要な要素となります。

    エッジコンピューティングは、末端のデバイスで大量の情報を処理、インプットを可能にします。
    またフィードバックの機能も果たすため、学習が効率的に進み、その結果、学習の精度が上がることが期待されています。

    エッジコンピューティングにおける活用例6:AIとの親和性が高い

    エッジコンピューティングはAIとの親和性が高いこともメリットに挙げられます。
    早く正確に情報を処理するためには、高性能かつ大容量のシステムが必要ですが、サーバーが遠隔地にある場合、処理に時間がかかる問題点が指摘されています。
    たとえば、AIを利用した自動運転の技術では、たとえ短時間でも、レスポンスの遅れが致命的なミスにつながります。
    エッジコンピューティングは迅速な判断を助ける手段として期待できます。

    エッジコンピューティングにおける活用例7:人物行動分析サービスに役立っている

    人物分析サービスは、例えば小売りの店舗などで活用されている技術です。
    来店した顧客の動きを予測したり分析したりすることで、購買行動を分析しています。
    店舗の出入り口などに設置されたカメラが人物の行動を追い、エッジ上で画像データの解析・検証を行います。
    サーバーに送られるのは、人物の座標など加工済みのデータのみであるため、画像データなどの容量の大きい情報をネットワークに流さずに済みます。

    エッジコンピューティングのデバイスを紹介


    2019年に5月に行われた「ワイヤレスジャパン2019」では、エッジコンピューティングを組み込んだデバイスが出展されました。
    近距離のネットワークを無線LANやBluetoothで構成したエッジコンピューティングと、従来のクラウドコンピューティングの両方の長所を利用する新技術が発表されました。

    注目を集めた「IoTカメラ」と、「GPSトラッカーZETA版」をご紹介します。

    IoTカメラ

    ACCESSが開発したデバイス「IoTカメラ」は撮影した映像をAIで解析し、人やものを検知できます。
    これは害獣管理や人数のカウント、空席感知などの用途が想定されています。

    映像の解析をカメラ内で行い、数値データなどを送信するので、通信容量や頻度も少なく済むのが特徴です。
    またFPGAを使用することで消費電力を抑制しており、30分に1回ほどの送信なら単三電池4本で1年間継続動作が可能とされています。

    現在位置を知らせることのできるデバイス「GPSトラッカーZETA版」

    GPSトラッカーZETA版は、クラウド側から現在位置をプッシュ型で送らせることができるデバイスです。
    一般的なloTは30分や1時間に一度の頻度で定期的にデータを送信するものが多いです。

    しかし場合によってはモニタリングする側が現在位置を知りたいと考えるケースもあり、GPSトラッカーZETA版はまさにそんなニーズに応えるデバイスといえます。
    このGPSトラッカーは遠隔地からトラッカーを起動してGPS情報を取得することも可能です。

    今後ますます重要性の高まるエッジコンピューティング


    様々なものがネットワークに繋がるIoT時代を迎え、処理をするデータ量も膨大になっています。
    そのため必要なデータだけを受信するエッジコンピューティングの重要性はますます高まっていくことが考えられます。
    また、エッジコンピューティングは、それ自体がAI機能を搭載し、情報を処理、運用していくことも期待されています。
    エッジコンピューティングは、欠くことのできない技術として浸透していくのではないでしょうか。

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