【C#・LINQ】LINQ to Entitiesを使ったデータベース操作

C#で開発を行っている現場でしたら、LINQを活用してデータの取得や登録といった一連の操作を実装しているところもあるのではないでしょうか。一言でLINQといっても、いくつか種類があります。その中でも近年、存在感が徐々に増してきているLINQ to Entitiesについて紹介していきます。
- SE
- LINQ……その単語を聞くと、一気にコーディングのハードルが上がりそうです。LINQって本当に理解できるまでが大変ですよね。
- PM
- そうですね。C#でのコーディング初心者の方にとっては少しばかりハードルが高い代物かもしれませんね。でも今回紹介するLINQ to Entitiesは、マイクロソフトも機能拡張に努めている機能です。理解できればC#開発での、活躍の場が増えること間違いなしですよ!
LINQ to Entitiesとは
LINQを扱う上で、まず「LINQ to SQL」と「LINQ to Entities」の違いを理解する必要があります。LINQ to SQLとは、SQL Serverに対してのみ操作を行える機能です。それに対してLINQ to Entitiesは、OracleやMySQLなどSQL Server以外のデータベースに対して、Entity Framework経由で操作することが可能な機能となります。最近の主流はこちらのLINQ to Entitiesとなってきています。
しかし、注意点として挙げられるのが、LINQ to EntitiesはSQLに変換されてデータベース上で動作します。そのため、LINQ to Entitiesで使用する命令は、すべてSQLに変換することが可能な命令でなければなりません。
LINQ to Entitiesを使用したサンプルプログラム
ここではC#を利用し、LINQ to Entitiesを使用してデータベースに対して操作を行うサンプルプログラムを紹介します。
データベースの内容
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 |
using System; using System.Data; using System.Linq; using System.Windows.Forms; namespace WindowsFormsApp13 { public partial class Form1 : Form { public Form1() { InitializeComponent(); } private void button1_Click(object sender, EventArgs e) { using (DB_TOKYOEntities dbContext = new DB_TOKYOEntities()) { //画面で設定した値 var id = textBox1.Text; //クエリ式でデータを取得 var result = (from x in dbContext.Table_1 where x.ID == id select x).FirstOrDefault(); //画面のラベルに設定 label1.Text = result.KU; } } } } |
実行画面
テキストボックスに「2」を設定して、ボタンを押下します。
実行結果
ラベルに「MINATO」が設定されていることを確認することができました。
- SE
- うーん、やっぱりLINQって難しく感じますね。SQLと同じような命令が多々出てきますが、SQLとはまったくの別物ですよね?
- PM
- 別物ですね。そこの理解はきちんとしておくと良いですが、SQLの知識は最低限必要です。まずはSelectやWhereなど、SQLの基本だけでも押さえておきましょう!
SQL Server以外の選択肢も活用してみよう
Visual Studioを使用してC#のコーディングを行う現場でしたら、データベースにはおそらくSQL Serverを利用しているところもあるでしょう。しかし本来は、データベースはユーザーにとっての大切な資産ですので、開発環境にあわせて選定するものではありません。LINQ to Entitiesを活用することで、SQL Server以外のデータベースに対しても操作することが容易にできるようになりました。SQL Serverにこだわらずに開発を進めてみても良いのではないでしょうか。