MSBuildでビルドをカスタマイズする方法

Visual Studioで作成したプログラムに対して、ビルドを行う時に役立つのがMSBuildです。MSBuildを普段から利用している方も多いと思いますが、ここではMSBuildを活用して、ビルドをカスタマイズする方法などを改めて確認していきましょう。
- SE
- 確認なのですが、MSBuildってビルドツールですよね?
- PM
- そうですね。C#で開発する場合には.csprojファイル、VB.NETで開発する場合には. vbprojファイルがそれぞれ作成されていると思います。これがMSBuildプロジェクトファイルの実体となります。
ビルドのカスタマイズをすることのメリット
MSBuildプロジェクトファイルは、XML形式で記述されています。カスタマイズを行いたい場合は、このファイルを操作しましょう。条件分岐などの命令も追記することが可能ですので、より柔軟にビルドを行うことができます。
ビルドのカスタマイズ例
XML形式で記述しますので、タブ操作が基本です。
ビルドするプロジェクト項目を追加する方法
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<ItemGroup> <Compile Include="Program.cs" /> <Compile Include="Properties\AssemblyInfo.cs" /> </ItemGroup> |
ItemGroupタグの中にCompileタグを記述します。コンパイルしたいプロジェクト項目のファイルを追加できます。このItemGroupタグは、出来上がっているMSBuildプロジェクトファイル内に存在していると思いますので、ItemGroupで検索をしてみて確認してみると良いでしょう。
またItemGroupの子要素として、Contentタグなども存在します。これは、コンパイルは行わないが、コンテンツとして出力するファイルとして記述することもできますので、カスタマイズする際には使いこなしましょう。
プロパティの設定方法
プロジェクトのプロパティで設定している情報などは、PropertyGroupタグの子要素タグでそれぞれ設定できます。例えば、構成に関するプロパティを指定するには、Configurationタグを使用します。
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<PropertyGroup> <!-- 構成 --> <Configuration>Release</Configuration> </PropertyGroup> |
ここではReleaseモードを指定するようにしました。
- SE
- ビルドってカスタマイズして行うこともできるのですね。これから、カスタマイズが必要な場面に遭遇するかもしれませんので、事前に知ることができて良かったです。
- PM
- Visual Studioでできることってまだまだ多いですよ。とても優れた統合開発環境ですので、カスタマイズなども積極的に行って、アプリケーション開発の効率化も図っていきましょうね。
ビルド環境はカスタマイズできる
Visual Studioに標準で搭載されているビルド機能だけで、C#やVB.NETで開発したプログラムのビルドを行っている方も多いと思います。それだけでも問題はありません。しかし、MSBuildを使えばビルド環境をカスタマイズすることが可能です。まずは知識として持っておくようにしましょう。