ITIL4の概要をITIL3との相違点3つから解説!実務に活用する方法

そもそもITIL4の「ITIL」とは?
ITILとは「Information Technology Infrastructure Library」を略した言葉です。
ITILはITサービスマネジメントでのベストプラクティスを纏めた書籍群を意味する言葉で、ISO/IEC 20000のベースとなっているものです。
また、ベストプラクティスは「成功事例」を意味しており、ITILは成功事例を体系化したITサービスマネジメントのガイドラインとなっています。
ITサービスマネジメントにITIL4が活用される理由とは?
ITサービスマネジメントにITIL4が活用されるのにはどのような理由があるのでしょうか。また、ITサービスマネジメントにおける成功事例を体系化したITIL4が活用されることには、具体的にどのような理由があるのでしょうか。
ここではITサービスマネジメントにITIL4が活用される理由についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
品質の向上のため
ITIL4はITサービスマネジメントの品質向上のために活用されています。
IT業界は常に新しい技術が登場し、トレンドが移り変わっています。しかしどのようなIT技術やサービスが普及しても、ITは常に高い品質を維持もしくは向上することが期待されています。
そのため、ITサービスマネジメントでのベストプラクティスをまとめたITIL4はITの品質向上という視点で重要視されています。
中長期的なコスト削減のため
ITIL4はITサービスマネジメントの中長期的なコスト削減のために活用されています。
ITサービスは近年のスマートフォンの普及やクラウドの普及により、従来よりもより低コストで利用できることが重視される傾向が加速してきています。
しかしITを提供する設備に際限なく投資が行えるわけではないことから、このような環境下でコスト削減を実現するための方法としてITIL4は利用されています。
ITIL3とITIL4の相違点3つ
ITIL3とITIL4の相違点をご紹介します。
ITILは2019年にITIL3からITIL4へと12年ぶりにバージョンアップされました。それでは、ITIL3からITIL4になったことで具体的にどのような違いが生まれたのでしょうか。
ここではITIL3とITIL4の相違点3つをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ITIL4の相違点1:概念・原則から見た違い
ITIL3とITIL4では概念と原則から見た違いがあります。
ITIL4における概念と原則においては、「組織と人」「情報とテクノロジー」「パートナーとサプライヤ」「バリューストリームとプロセス」という4次元モデルによってサービスマネジメントについて説明しています。
ここでは、まずは概念・原則から見た違いについてご紹介します。
4つのPが側面として再構成
ITIL3では4つのPだったものがITIL4では4つの側面として再構成されました。
ITIL3では概念や原則として「people」「process」「product」「partner」という「4つのP」と呼ばれるものがありましたが、この4つのPはITIL4では4つの側面として再編成が行われました。
ITIL4では「情報とテクノロジー」や「バリューストリームとプロセス」など情報の組み合わせが特徴です。
ITIL4の相違点2:実践プロセスから見た違い
ITIL3とITIL4では実践プロセスから見た違いがあります。
ITIL3では「戦略」「設計」「移行」「運用」「継続的な改善」という5つのライフサイクルフェーズが定義されており、さらに26のプロセスと4つの機能として説明されていました。
ここでは、実践プロセスから見たITIL3とITIL4の違いについてご紹介します。
カテゴリー分けされたマネジメントプラクティスとして再定義
ITIL3のサブセットがITIL4では新しいカテゴリーとマネジメントプラクティスに再構成されました。
ITIL3でプロセスと機能とされていたものは、ITIL4ではマネジメントプラクティスに置き換わっています。
ITIL4では「一般なマネジメントプラクティス」「サービスマネジメントプラクティス」「技術マネジメントプラクティス」にカテゴリー分けされ、さらに34のマネジメントプラクティスに定義されています。
ITIL4の相違点3:サービスバリューチェーンから見た違い
ITIL3とITIL4ではサービスバリューチェーンから見た違いがあります。
ITIL3の「戦略」「設計」「移行」「運用」「継続的な改善」というライフサイクルは、ITIL4では新しく6つの活動に置き換わりました。
ここでは、サービスバリューチェーンから見たITIL3とITIL4の違いについてご紹介します。
ライフサイクルからの置き換え
ITIL3のライフサイクルはITIL4ではサービスバリューチェーンの6つの活動に代わりました。
ITIL3では「戦略」だったものはITIL4では「計画」、「設計」と「移行」だったものは「設計と移行」、「運用」だったものは「提供とサポート」、「継続的な改善」だったものは「改善」に置き換わりました。
また、新しく「エンゲージ」が加わりました。
ITIL4で新たに加わったこと
ITIL4で新しく加わったポイントもあります。
ITIL4では新しくITIL3にはなかった2つの要素が加わっており、ITIL3の「ITサービスを提供する」という視点から、ITIL4では「ITサービスを一緒に創っていく」という視点に変わっています。
ここではITIL4で新たに加わったことをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
サービス価値体系を可能とするシステムについての説明
ITIL4では新しく「サービス価値体系(サービスバリューシステム)」についての解説が加わりました。
ITIL4のサービス価値体系としては、「行動規範」「ガバナンス」「サービスバリューチェーン」「実践」「継続的な改善」という5つの要素があります。
ITIL4のサービス価値体系では、コンポーネントと活動がどのように連携して価値創造を可能とするのかを説明します。
行動規範としての定義
ITIL4では新しく「7つの行動規範」についての定義が加わりました。
7つの行動規範とは、「価値にフォーカスする」「現在あるものから始める」「短期間のフィードバックによって反復しながら進める」「コラボレーションと可視化を促進する」「全体を見て考え行動する」「シンプルかつ現実的であること」「最適化し自動化する」の7つになります。
ITIL4要素を実務に活用する方法
ITIL4を実務に活用するには、お手本として利用しましょう。
ITIL4はあくまでITサービスマネジメントの品質改善のヒントとなるガイドラインとなっているため、そのまま導入したり遵守したりするものではありません。
現状を無理にITIL4に合わせるのではなく、組織にどのように活用するか検討し、必要な要素を取り入れるようにしましょう。
ITIL4の学習に向いている人
ITサービスの品質改善のための先進事例を知りたい場合、ITIL4の学習がおすすめです。
ITIL4は、「今後提供するITサービスの参考にするためにITILを勉強したい」という方に向いています。一方、ITIL3はITサービスの運用のために使用する共通用語としてのITILを知りたいという方におすすめです。
ITIL4を学習するときの注意点
ITIL4はITIL3から大きく構成が変わっています。
たとえば組織としてITIL3の「プロセスアプローチによるITサービス」の構築ができていない状態で、ITIL4の「バリューストリーム視点でのサービス改善」を行うことは難しいです。そのため、そういった組織の場合はまずはITIL3を参考にしましょう。
ITIL4について学習して実務に役立てよう
ITIL4はITIL3から大きく構成が変化しています。
そのため、参考にする場合は組織のレベルに合わせてITIL4にするのかITIL3にするのか判断する必要があります。
ぜひこの記事でご紹介したITサービスマネジメントにITIL4が活用される理由やITIL3とITIL4の相違点、ITIL4で新たに加わったことなどを参考に、ITIL4について理解を深めてみてはいかがでしょうか。
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