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Linuxとは?
Linuxとはオープンソースのオペレーティングシステム(OS)およびIT基盤です。UNIXを元にオープンソースのOSとして開発され、数多くの人々により改良や機能強化が図られ現在に至っています。
macOSやWindowsは有料ですが、Linuxは無料で利用可能なものが多いです。この記事ではサーバー用途としてのLinuxに着目しています。
Linuxのディストリビューションとは
ハードウェアの管理を行うカーネルとツール・アプリケーション・サービスを組み合わせたOSとして、PCなどにインストールあるいは起動できる状態になっている配布物をディストリビューションといいます。
Linuxディストリビューションは、1つの派生元から複数のディストリビューションが開発されています。大別するとRed Hat系、Debian系、Slackware系に分かれます。
Red Hat系
Red Hat社が開発および開発のサポートを行なっているディストリビューションです。
商用版のRed Hat Enterprise Linux(RHEL)、RHELを元に商標や商用部分を取り除いてリビルドしたCentOS、先進技術の実験台という性格を持つFedoraの3種類があります。
Fedoraに導入された先進技術が安定した段階でRHELに取り込まれ、商用部分でなければCentOSに取り込まれます。
Debian系
Debianから派生したディストリビューションです。Debianは個人の集団がボランティアで開発を進めています。
Ubuntuが登場してからは、デスクトップ用途ではUbuntuから派生したディストリビューションが多数登場してきている状況です。
Ubuntu人気に伴い、Debian系の情報量はとても多く安心感があります。
Slackware系
Slackwareを源流とするLinuxディストリビューションです。Slackwareは1992年に登場した歴史のあるディストリビューションです。
定期的なリリースを目指してはおらず、ベータ版やリリース候補版を公開し万全な状態になるまでは、リリース版としては公開されないので、リリース版の安定性の高さには定評があります
Linuxでのサーバー構築とは
サーバーとは使用しているPC(クライアント)に対して何らかのサービスを提供する機能を持ったものを指します。これをクライアント/サーバーモデルと呼びます。
Linuxは様々なサービスを提供するサーバーを構築することが可能です。
1台のLinuxマシンで複数のサーバー機能を提供することもできますし、複数台のLinuxマシンで1つのサーバー機能を受け持つ場合もあります。
Linuxのサーバー構築におすすめのディストリビューション11選
ここまでLinuxディストリビューションやLinuxのサーバー機能についてご紹介しました。
ここからは数あるLinuxディストリビューションの中から、サーバー用途でおすすめのディストリビューションをご紹介します。
興味のあるディストリビューションがあったら、ダウンロードしてLinuxサーバーを構築してみてください。
おすすめのディストリビューション1:Amazon Linux
Linuxのサーバー構築におすすめのディストリビューション1つ目はAmazon Linuxです。
Amazon Web Services(AWS)の1つである、Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)などで利用するAmazonマシンイメージ(AMI)として提供されます。
仮想マシンイメージも公式に提供されていて、自前の仮想プラットフォームに無料で導入可能です。
おすすめのディストリビューション2:MX Linux
Linuxのサーバー構築におすすめのディストリビューション2つ目はMX Linuxです。
Debianをベースとし、Xfceがメインのデスクトップ環境となっています。
Xfceという軽めのデスクトップ環境なので、少し古めのPCでもGUIを使用したサーバーを構築したい、といった用途におすすめです。公式サイトにはLAMP setupに関するwikiページもあります。
おすすめのディストリビューション3:Zorin OS
Linuxのサーバー構築におすすめのディストリビューション3つ目はZorin OSです。
Ubuntuをベースとし、デスクトップ環境の違いによりGNOMEベースのCoreエディションと、XfceベースのLiteエディションがあります。
Windows風のデスクトップなので、Windowsサーバーに慣れ親しんだ人がサーバーを構築するといった用途におすすめです。
おすすめのディストリビューション4:Raspbian
Linuxのサーバー構築におすすめのディストリビューション4つ目はRaspbianです。
イギリスのラズベリーパイ財団が開発している、シングルボードコンピューター「Raspberry Pi」で使用するためのLinuxディストリビューションです。
2020年5月のリリースに合わせて名称がRaspberry Pi OSに変更されました。公式のOSなのでRaspberry Piをはじめて使う人におすすめです。
おすすめのディストリビューション5:openSUSE
Linuxのサーバー構築におすすめのディストリビューション5つ目はopenSUSEです。
元々はSlackwareベースで開発されたものですが、パッケージ管理システムに独自のYaSTが取り入れられています。
YaSTはGUIでもCUIでも使用できるので、サーバー構築後に管理はリモートからCUIで行う場合もGUI同様に豊富な機能を使えます。メジャーではないOSを使ってみたいという人におすすめです。
おすすめのディストリビューション6:CentOS
Linuxのサーバー構築におすすめのディストリビューション6つ目はCentOSです。
Red Hat Enterprise Linux(RHEL)から派生したディストリビューションです。機能的にRHELと互換性があることを目指して開発されています。
インストール時のオプションが豊富で、サーバー用途についてもGUIのある/なしを選択できます。サーバー構築に関する情報が豊富なので、初めての人にもおすすめです。
おすすめのディストリビューション7:Ubuntu
Linuxのサーバー構築におすすめのディストリビューション7つ目はUbuntuです。
Debianから派生したディストリビューションです。デスクトップ版とサーバー版があります。
サーバー版はサーバー用途でよく使用されるアプリケーション構成が用意されていて、選んだ構成については設定済みの状態でインストールされるので、用途が決まっている場合にはおすすめです。
おすすめのディストリビューション8:Linux Mint
Linuxのサーバー構築におすすめのディストリビューション8つ目はLinux Mintです。
Debian系のUbuntuから派生したディストリビューションです。デスクトップ環境の違いにより3種類のエディションがあります。
デスクトップ指向のディストリビューションなので、本格的なサーバーを構築する前にサーバー用途のアプリケーションを快適なデスクトップ環境で試したいという人におすすめです。
おすすめのディストリビューション9:Manjaro
Linuxのサーバー構築におすすめのディストリビューション9つ目はManjaroです。Arch Linuxから派生したディストリビューションです。
ローリングリリースというリリースモデルを採用していて、バージョン番号やリリーススケジュールはなく、定期的にアップデートを行うことで常に最新の状態に保てます。
Arch Linuxを使ってみたいが難しそうという方におすすめです。
おすすめのディストリビューション10:Debian
Linuxのサーバー構築におすすめのディストリビューション10個目はDebianです。ボランティアで構成されるコミュニティ主体で開発が続けられています。
59,000以上のソフトウェアパッケージが利用可能です。パッケージ管理システムが充実していて保守が容易なので、いろいろなサーバー用途で使用したい人におすすめです。
おすすめのディストリビューション11:elementary OS
Linuxのサーバー構築におすすめのディストリビューション11個目はelementary OSです。
Ubuntuをベースにした、macOS風のPantheonという独自のデスクトップ環境を採用しています。
インストール直後に使用できるアプリケーションも厳選されているので、サーバー用途で使用するには追加でインストールする必要があります。macOS風のLinuxを使いたい人におすすめです。
海外と日本ではLinuxシェアが違う理由
ここまで紹介した中でサーバー用途で人気の高いLinuxディストリビューションは、海外ではUbuntu、日本ではCentOSのようです。
日本でCentOSの人気が高い理由としては、RHELをベースにしているため、RHELの情報も含めサーバー用途に関する日本語の情報量が多く、導入しやすかったためと考えられます。
Linuxでサーバーを構築してみよう!
ここまでLinuxでのサーバー構築についてご紹介しました。現在PCやスマホはネットワークに接続しているのが前提で、いろいろなサービスを利用できます。それらのサービスはLinuxサーバーが利用されていることも多いです。
サーバー構築を通して、そのサービスがどういう仕組みで提供されているのかを理解する参考になります。無料のLinuxを使って気軽にサーバー構築してみましょう。
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