アセンブリ言語の入門者が勉強すべきこと7つと参考書6選を紹介!

アセンブリ言語の入門者が勉強すべきこと7つと参考書6選を紹介!

アセンブリとは?

アセンブリ言語とはコンピューターが直接解釈できる機械語に1対1で対応したプログラミング言語のことをいいます。アセンブリ言語は、一般的に「低級言語」と呼ばれ、CPUの種類に応じて記述の仕方や文法が異なるため人間には少し扱い難いものですが、一つのCPUに特化した仕様は速度が求められる場面で威力を発揮します。一方で、C言語やJAVAといったプログラミング言語は、人間に開発しやすいように改良されたもので、「高級言語」と呼ばれます。高級言語はCPUの種類によらず同じ文法で開発できる点がメリットです。

アセンブリ言語の目的

アセンブリ言語の目的は、機械語を人間に理解しやすい形に変えることです。機械語は、足し算する命令や、データをメモリからロードする命令など、1つの命令でできる動作が非常に単純であることが特徴で、人間には解り難い数字の羅列で記述されています。アセンブリ言語は、こうした機械語の足し算やロードといった機能に対して単なる数字では分かり難いため、アルファベットで名前をつけたものである、という認識で問題ありません。

アセンブルやアセンブラとの違い

「アセンブル」は、ニーモニックを機械語に変換する動作そのもののことで、「アセンブラ」とはニーモニックを機械語に変換するプログラムのことをいいます。ニーモニックとは、人間に分かりやすいように、機械語につけられた名前のことです。たとえば、「bne」や「bnr」のようにアルファベット3文字で構成されていることが多くあります。習慣として、アセンブリ言語自体を「アセンブラ言語」や単に「アセンブラ」と呼ぶことがあり、厳密な言葉の意味として当てはまらない場合もあることに注意が必要です。

アセンブリ言語の入門者が学習すべきこと7選

アセンブリ言語の学習には、以下の7つの事柄に取り組むことが大切です。アセンブリ言語の学習は、ニーモニックの種類を覚えることも大切ですが、コンピューターの演算方法やハードウェアの構造を理解するところから始まります。

学習すべきこと1:プログラミング

アセンブリ言語は、どのようにプログラミングするかを学ぶことが大切です。アセンブリの入門者は、まずアセンブリ言語の参考書を使って、簡単なプログラムを組んでみるところから始めてみるといいでしょう。その後、組んだプログラムを実行し、動作を確認します。また、プログラムを少し変えて動作させてみるなど、考える敷居を徐々に上げていきながら、慣れていくことをおすすめします。

学習すべきこと2:CPUの構造

入門者がアセンブリ言語でプログラミングをする場合、コンピューターの仕組みを知っておく必要があります。特に、CPUとメモリの関係を理解することが大切です。アセンブリ言語が高級言語と違う点は、メモリからCPUにデータをロードする作業をしなくてはいけないところです。そして、ロードしたデータを加工し、再びメモリに戻す流れを繰り返します。入門者が、アセンブリ言語を扱う場合、根本的なコンピューターの動作原理を理解しておく必要があります。

学習すべきこと3:デバッグに関する知識

デバッグによってプログラムの問題点を見つけられる力は重要です。デバッグとは、プログラムを実行し、問題を起こしている記述を探す作業です。デバッグで用いられる分割統治法では、プログラムにおいてどこの行まで正常に動作し、どこの行から異常になるのか、データを確認しながら問題のある箇所を特定していきます。「ARM」エディッターや、基本情報技術者試験で出題される「CASL Ⅱ」のシミュレーターなら、アセンブリ言語を学ぶうえで欠かせないデバッグ機能が備わっているため、入門者には特におすすめできます。

学習すべきこと4:コンピューターの演算方法の知識

入門者は、アセンブリ言語を学ぶ前にコンピューターの演算方法について知ることが大切です。アセンブリ言語でプログラムを組むとき、2進数や16進数の考え方やシフト演算や論理演算を多用するため、コンピューターの基礎として知っておく必要があります。まず、入門者はこれらの計算方法に慣れてから、プログラミングを始めると挫折し難いでしょう。

学習すべきこと5:論理回路の知識

アセンブリ言語でハードウェアを開発する場合、論理回路の知識があった方が望ましいでしょう。論理回路は、「AND」や「OR」、「NOT」といった論理演算に基づいてハードウェアを設計するための部品です。入門でアセンブリ言語を学ぶだけなら、必須ではありませんが、この回路の下地になっている論理演算については理解する必要があります。なぜなら、多くのアセンブリ言語には、論理演算をするための命令が用意されており、開発時に使うことになるからです。

学習すべきこと6:フローチャートの書き方

プログラミングで重要なことは、実現したい機能をどのように設計すればいいのか、考えることです。プログラムを作成する前に、どのようなソフトウェアを作成したいかを掘り下げる必要があります。そして、機能の大枠が定まったら「詳細設計」という工程に移ります。詳細設計では、使用するプログラミング言語でどういった処理を組み合わせればいいかを考えることになり、その際に「フローチャート」を使用します。

学習すべきこと7:コードリーディングに慣れる

コードリーディングは、他の人が記述したプログラミングコードを読むことをいいます。他の人が作ったプログラムを読むことは、非常に難易度が高く、コードから開発者の意図を読み取れるようになるには、ある程度の経験が必要になります。コードリーディングができるようになれば、プログラマーとして一区切りついたといえ、エンジニアとして活躍できるはずです。入門したばかりでは、プログラミングは難しいと感じますが、手を動かしている内に慣れてくるものですので、根気強く取り組みましょう。

アセンブリ言語に関する入門者向けの参考書6選

ここからは、アセンブリ言語の入門としておすすめの参考書をご紹介します。どの本を選択しても入門者にとっては十分、勉強になりますが、アセンブリ言語を主に扱っている参考書をよりおすすめします。

入門者向けの参考書1:アセンブリ言語の教科書

「アセンブリ言語の教科書」は、WindowsやLinuxで動作するプログラムを作成できる本です。本書の特徴として「NASM」や「GAS」といったアセンブラを使用した、ブートやネットワークに関連したハードウェアに近い領域のプログラミング技術を学べます。アセンブラ入門書としては特におすすめでき、ハードウェアの理解も深まるでしょう。

入門者向けの参考書2:アセンブリ言語スタートブック

「アセンブリ言語スタートブック」は、アセンブリ言語「CASL Ⅱ」について解説している本です。CASL Ⅱは、国家資格である「基本情報技術者」の午後試験に用いられている入門者向けのアセンブリ言語で、本格的なアセンブリより初学者には理解しやすい仕様になっているのが特徴です。本書は、CASL Ⅱに加えて実際に使用されているアセンブリ言語についても解説しており、試験対策はもちろん、アセンブリ言語による開発入門書として一読の価値があります。

入門者向けの参考書3:はじめて読むマシン語

「はじめて読むマシン語」は、アセンブリ言語の初学者にお勧めです。本書は、比較的古い本であり、値段が定価より高いのが現状です。「論理アドレス」と「物理アドレス」といったコンピューターの動作や基本的なアセンブリ言語と機械語の仕組みを学べます。

入門者向けの参考書4:マンガでわかるCPU

「マンガでわかるCPU」は、コンピューターの基本的な仕組みをマンガで学べます。本書では、CPUを始め基本的なハードウェアの仕組みが、マンガを通して解説されており、入門書としてもおすすめできます。また、アセンブリ言語については概要が書かれている程度で特定の種類の言語について詳しく書かれているわけではありません。とはいえ、コンピューターとは何なのかを学ぶうえでは、気軽に読み進められる点が他の書と比べて大きなメリットといえます。

入門者向けの参考書5:熱血! アセンブラ入門

「熱血!アセンブラ入門」は、アセンブリ言語を知ることで逆に他の人材と差をつけようという趣旨の本になります。本書は、開発環境が人間よりになった現在だからこそ、アセンブリ言語を学んで他の技術者と差をつけよう、という考えを基に書かれた本です。アセンブリ言語とC言語を比較しながら学べる点が特徴です。既にC言語などを学んだことがある人にとっては、アセンブリ言語の入門書として特におすすめといえます。

入門者向けの参考書6:H8マイコン入門

「H8マイコン入門」は、H8マイコン専用のアセンブリ言語や情報の基礎を学べる本です。本書は、日立製の高機能マイコン「H8」を実際に動作させて学べます。ITに関する基礎的な内容が多いものの、入門書というよりは中級者向けといえ、アセンブリ言語については「割り込み処理」など、理解が難しい内容が含まれています。

アセンブリ言語について学んでみよう

アセンブリ言語は、コンピューターの核心を学ぶうえで廃れることのない言語です。開発環境が進歩した現在だからこそ、アセンブリ言語を学ぶ価値があるといえます。さまざまなツールが生まれ、開発が容易になったことで学ぶ必要がなくなった分野に触れることで、プログラミングの知識が深くなることは間違いないでしょう。

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