AWS CloudFrontを使ってみましょう!概要や各リージョン別の料金について解説

この記事でわかること
AWS CloudFrontとは?
AWS CloudFrontとは、Amazonが提供する高速コンテンツ配信ネットワーク(CDN)サービスです。
CloudFrontは、.html、.css、.js、イメージファイルなどの静的・動的なウェブコンテンツの配信を低レイテンシーで提供するAWSのウェブサービスです。
AWS登録後、最初の1年間であれば、CloudFrontを始めるための料金は無料となります。また、無料期間を過ぎている場合は使用した量に応じたオンデマンド料金が課金されます。
詳しい料金に関しては、後に解説します。
AWS CloudFrontの特徴
AWS CloudFrontの特徴として、「エッジロケーション」というネットワークでコンテンツを配信する点が挙げられます。
「エッジロケーション」とは、AWSで利用している世界中のデータセンターネットワークを配信拠点とする仕組みです。
CloudFrontは、コンテンツ配信先のユーザーをエッジロケーションにルーティングします。なお、エッジロケーション内に配信対象のコンテンツが低レイテンシーで存在している場合は、そのコンテンツをユーザーに配信します。
この仕組みにより、ウェブサーバーから配信されるコンテンツよりも高速にユーザーへコンテンツを届けることが可能になります。
コンテンツがエッジロケーションに存在しない場合でも、CloudFrontは最新バージョンのコンテンツをAmazon S3バケト、MediaPackageチャネル、ウェブサーバーなどの定義されたオリジンから取り込み配信します。
AWS CloudFrontの料金を解説します
AWS CloudFrontの料金を以下3つに分けて解説します。AWS CloudFrontの導入を考えている方は是非ご覧ください。
CloudFrontの料金について
AWS CloudFrontは、コンテンツ量や前料金などは必要なく、配信された量によって料金を支払います。
実際にユーザーが求めて使用したコンテンツ分のみに料金が発生するため、コンテンツ量を充実させることができます。
CloudFrontの無料枠について
CloudFrontの料金の無料枠は、AWSを登録してから1年間で毎月50GBのデータ送信、および毎月200万件のHTTP/HTTPSリクエストの範囲となります。
ただし、無料枠はAWSに登録してから1年間である点に注意しましょう。
オンデマンド料金について
CloudFrontのオンデマンド料金は、「インターネットへのリージョンデータ転送アウト」「オリジンへのリージョン内データ転送アウト」「HTTPメソッドのリクエスト料金」、そして「HTTPメソッドのOrigin Shieldリクエスト料金」などに分けてそれぞれ課金されます。
それぞれの料金について、以下に詳しく解説していきます。
インターネットへのリージョンデータ転送アウト(GB単位)
AWSのリージョンからインターネットを経由してユーザーへコンテンツ配信を行う際のデータ転送にかかる料金です。これがCloudFrontでの配信にかかる主な料金となります。
AWSのコストが低い地域では、それに応じてCloudFrontの料金も安くなります。また、合計の使用量に応じてGB単位の料金は安くなりますが、インド地域はAWSが払っているコストが高いためか、40TB以降は料金の単価が変わらないので注意が必要です。
2021年1月現在の各地域の料金を下図にまとめましたので、参考にしてください。
/月 | 米国、メキシコ、カナダ、欧州、イスラエル | 南アメリカ、ケニア、南米 | 日本、オーストラリア、ニュージーランド |
---|---|---|---|
~10TB | 0.085USD | 0.110USD | 0.114USD |
10TB~40TB | 0.080USD | 0.105USD | 0.089USD |
40TB~100TB | 0.060USD | 0.090USD | 0.086USD |
100TB~350TB | 0.040USD | 0.080USD | 0.084USD |
350TB~514TB | 0.030USD | 0.060USD | 0.080USD |
524TB~4PB | 0.025USD | 0.050USD | 0.070USD |
5PB以上 | 0.020USD | 0.040USD | 0.060USD |
/月 | 香港、フィリピン、シンガポール、韓国、台湾、タイ | インド |
---|---|---|
~10TB | 0.140USD | 0.170USD |
10TB~40TB | 0.135USD | 0.130USD |
40TB~100TB | 0.120USD | 0.110USD |
100TB~350TB | 0.100USD | 0.100USD |
350TB~514TB | 0.080USD | 0.100USD |
524TB~4PB | 0.070USD | 0.100USD |
5PB以上 | 0.060USD | 0.100USD |
オリジンへのリージョン内データ転送アウト(GB単位)
コンテンツのオリジンサーバへリージョン内のコンテンツデータを転送する際の料金です。
ユーザーからのPOST・PUTリクエストやWebSocketトラフィックがある場合は、CloudFrontからオリジンサーバへのデータ転送が発生するため、その料金を支払う必要があります。
なお、この料金には合計の使用量に応じた割引がありません。
2021年1月現在の料金は下図のようになっています。
米国、メキシコ、カナダ、欧州、イスラエル | 南アフリカ、ケニア、中東 | 南米 | |
---|---|---|---|
すべてのデータ転送 | 0.020USD | 0.060USD | 0.125USD |
オーストラリア、ニュージーランド | インド | 日本、香港、フィリピン、シンガポール、韓国、台湾、タイ | |
---|---|---|---|
すべてのデータ転送 | 0.080USD | 0.160USD | 0.060USD |
HTTP メソッドのリクエスト料金 (1 万件あたり)
HTTP/HTTPSのリクエスト数に応じてかかる料金です。
AWSの無料期間中であれば毎月200万件まで無料となりますが、無料期間が終了している、もしくは200万件を超えるリクエストが発生した場合は、1万件あたりで以下の料金がかかります。
米国、メキシコ、カナダ | 欧州、イスラエル | 南アフリカ、ケニア、中東 | 南米 | |
---|---|---|---|---|
HTTPリクエスト | 0.0075USD | 0.0090USD | 0.0090USD | 0.0160USD |
HTTPSリクエスト | 0.0100USD | 0.0120USD | 0.0120USD | 0.0220USD |
日本 | オーストラリア、ニュージーランド | 香港、フィリピン、シンガポール、韓国、台湾、タイ | |
---|---|---|---|
HTTPリクエスト | 0.0090USD | 0.0090USD | 0.0090USD |
HTTPSリクエスト | 0.0120USD | 0.0125USD | 0.0120USD |
HTTPSメソッドのOrigin Shieldリクエスト料金(1万件あたり)
Origin Shieldというキャッシュレイヤーサービスを利用した場合は、リクエスト1万件あたりで料金がかかります。
Origin Shieldの料金は、エッジロケーションの場所ではなく、Origin Shieldリージョンの場所で課金されます。
各地域の料金は次の通りです。
米国 | 欧州 | 南米 | 日本 | |
---|---|---|---|---|
Origin Shieldリクエスト | 0.0075USD | 0.0090USD | 0.0160USD | 0.0090USD |
オーストラリア | シンガポール | 韓国 | インド | |
---|---|---|---|---|
Origin Shieldリクエスト | 0.0090USD | 0.0090USD | 0.0090USD | 0.0090USD |
その他の料金
CloudFrontでは、データ転送およびリクエストの料金に加えて、無効リクエスト、フィールドレベル暗号化リクエスト、リアルタイムログリクエスト、専用IPカスタムSSLなどのオプション料金がかかります。
これらの料金も使用量に応じて加算されますが、地域ごとの区別はありません。
CloudFrontは料金の仕組みについて十分理解してから使用しましょう
本記事では、CloudFrontの料金について簡単に説明しました。
大規模なコンテンツ配信を予定している場合は、個別に割引が適用される場合もあるので、AWSのサポートに問い合わせすると良いでしょう。
CloudFrontの料金は、基本的に使用した分のみ課金されますが、ユーザーの数によってはHTTP/HTTPSリクエストが予期せぬ膨大な数になることも考えられます。
そうなった場合にどのくらいの料金がかかるかを予め把握しておき、適正な予算を組み立てましょう。
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