おすすめのJavaフレームワーク7選!メリットとデメリットも解説
- SE
- おすすめのJavaフレームワークには、どのようなものがあるのでしょうか?
- PM
- Javaのフレームワークは種類が豊富です。StrutsやSpring Frameworkなど、とくにおすすめのフレームワークをご紹介します。
目次
Javaフレームワークとは?
プログラミング言語のJavaは、システム開発において、いまだ幅広い用途や現場で使われています。汎用性が高く作業効率も高いと言われるJavaの需要は、今後もしばらくは続いていくと見込まれています。このJavaでシステム開発をするにあたって重要なのが「フレームワーク」選びです。人気のプログラミング言語だけに、Javaのフレームワークは種類が多く、何を用いたらよいのか、選び方がわからなくて困っているという方も多いようです。
まずフレームワークとは
フレームワークとは、プログラミング言語を用いたシステム開発を効率化するために、必要な機能群をまとめたものです。あらかじめソフトウェアの骨組み(構成)もまとめられているため、プログラミング初心者でもシステム開発がしやすくなります。また、フレームワークを用いると、記述するコードを少なく抑えられるので、プログラマーの負担や開発時間、コストの軽減にもつながります。Javaのシステム開発では、フレームワークは欠かせないツールとなっています。
ライブラリとの相違点
フレームワークと同じく、システム開発の現場でしばしば使われる言葉にライブラリがあります。ライブラリ(Library)とは、よく使われる汎用性の高い機能や関数などプログラムにおけるパーツ(部品)をひとまとまりにしたもののことです。この「プログラムのパーツをまとめたもの(ライブラリ)」と「プログラムそのものの骨組み(構成)のひな型」を合わせたものを「フレームワーク」と捉えると良いでしょう。フレームワークとライブラリは、含める範囲や内容が異なるので注意しましょう。
おすすめのJavaフレームワーク7選
それでは、おすすめするJavaのフレームワークを紹介します。今回は、種類が豊富なJavaフレームワークから7点をピックアップしますので、ご自身に合ったJavaフレームワークを選べるように参考にしてください。
おすすめ1:Struts
Javaフレームワークの中で、特に知名度が高いと言われているのがStrutsです。2000年代初頭に初期バージョンが開発されたStrutsは、MVCモデルと呼ばれる独自のソフトウェア設計概念を採用し多くのシステム開発の現場で使用されてきました。歴史が長い分、ノウハウも蓄積されていますが、脆弱性も指摘されているのでStrutsを用いてシステム構築をする場合は注意が必要です。現在は改良版のStruts2もリリースされています。
おすすめ2:Spring Framework
Webアプリケーション用のJavaフレームワークとして、盛んに使用されているのがSpring Frameworkです。多数のライブラリを包括した集合体で、エンジニアが用途に合わせて活用できる柔軟性の高い万能型フレームワークとして知られています。DI(依存性注入)機能 と言われる概念の導入で、プログラムの修正や変更を簡単に行えるのが大きな特徴です。Spring Frameworkを使うことができれば仕事にありつける、と言われることもあるほど広く用いられています。
おすすめ3:JSF
JSF(Java Server Faces)は2004年に開発されたフレームワークで、Javaの標準フレームワークとして広く使われています。Strutsと同じくMVCモデルを採用した、導入しやすいJavaフレームワークの1つです。デザイン面とシステム面の分業がしやすいフレームワークとしても知られています。その特徴を活かしUI(ユーザインタフェース)など、利用者の利便性を重視したWebアプリケーションの開発に長けています。
おすすめ4:Apache Wicket
2005年に開発されたApache Wicketも、UI(ユーザインターフェース)開発の現場でよく使われているJavaフレームワークです。 名称の「Wicket」には「窓口」という意味があります。 実際のシステム開発では、ソースコードの記述を抑えるためのファイル設定など、煩雑な設定が必要な場合もありますが、Apache Wicketはその設定もJavaで記述できるのが特徴です。そのため、基本的にJavaさえ知っていればシステム開発ができるので、フリーランスのエンジニアにもおすすめのフレームワークです。
おすすめ5:SAStruts(Super Agile Struts)
SAStrutsはStrutsをベースに日本で開発されたJavaフレームワークです。本家のStrutsは、設定ファイルがやや複雑になりがちという点が短所と言われていますが、SAStrutsはStrutsの欠点を、設定ファイルを自動生成する機能で解消し利便性を上げています。Strutsの場合、プログラム修正で変更点をシステムに反映させるためには、その都度サーバーを再起動する必要がありますが、SAStrutsは再起動の必要がないのも特徴です。これによりStrutsよりもスピーディーなシステム開発ができるようになっています。
おすすめ6:Spark Framework
Spark Frameworkは2014年にリリースされた比較的新しいJavaフレームワークです。機能が非常にシンプルで設定ファイルも多くを必要としない「マイクロフレームワーク」のジャンルで注目されています。エンジニアの負担が大幅に軽減され、スピーディーなシステム開発ができるのが特徴です。必要最低限の機能で構成されているため、大がかりなシステムの構築には適さない場合もありますが、小~中スケールのシステム構築での活用が期待できる、シンプルで軽量なフレームワークです。
おすすめ7:Play Framework
Play Frameworkは、JavaだけでなくScalaというプログラミング言語でも使用できるフレームワークです。動作時のメモリ使用量やCPUリソースが少ないため軽量で動きが速く、使いやすいフレームワークとして諸所で用いられています。近年はScalaもプログラミング言語として注目度が上がっています。将来的にシステム開発でScalaを用いる可能性を考えて、今のうちにJavaでPlay Frameworkに触れておくのもよいでしょう。
Javaフレームワークを使うメリット2つ
システム開発の現場では欠かせないJavaのフレームワークですが、実際にフレームワークを使うことで、どのようなメリットがあるのでしょうか。大きなポイントとなる点を2つ確認しておきましょう。
メリット1:作業が効率化する
システム開発でフレームワークを使う上での大きなメリットは、作業効率が上がることです。システム構築に必要なパーツや骨組みが、そのまま使える形で含まれているフレームワークの導入は開発時間の短縮に直結します。これにより作業の効率化が図られ、短期間で効率の良い高クオリティなシステム開発につながります。
メリット2:コードを統一できる
複数人が所属するチームでシステム開発をする場合、コードの統一性をキープしやすいという点もメリットとして挙げられます。システムに同じ挙動をさせるにしても、Javaではさまざまなコード記述ができるため、エンジニアごとに書き方の違いがあると、開発スピードやバグ修正の効率が悪くなってしまいます。フレームワークという共通ルールを導入することで、エンジニアごとのコードの書き方の差異を減らせるので、チームでのシステム開発が円滑に行えるようになるでしょう。
Javaフレームワークを使うデメリット2つ
メリットとは逆に、フレームワークを使うことで生じるデメリットも見ておきましょう。Javaフレームワークを用いる際は、デメリットもしっかり把握して自分のキャリアの不利益につながらないよう注意しましょう。
デメリット1:スキルが向上しづらい
フレームワークは、プログラミング言語のコードや骨組みをあらかじめパッケージ化することで、プログラミング言語を深く理解していなくてもシステム開発ができる、非常に効率的なツールです。その反面、フレームワークに頼りきりになると、プログラミング言語そのものの理解がおろそかになることがあります。フレームワークの多用は、システム開発のスキル向上の妨げになることがあるので注意しましょう。
デメリット2:脆弱性がある
Javaのフレームワークは、セキュリティ上の脆弱性が報告されることがしばしばあります。脆弱性は構築されたシステム利用者にとって不利益になるだけでなく、システム開発側にとっても信用を落とすことにつながる大きなデメリットとなります。システム開発側は、常にセキュリティホールができないようなシステム構築を心がけることはもちろん、常にセキュリティ情報に気を配り、脆弱性が見つかった場合は速やかに対応できるようなスキルを身につけておくことが大切です。
- SE
- Javaフレームワークには、メリットとデメリットがあるのですね。
- PM
- そうですね。適したJavaフレームワークを選んで、効率化を目指しましょう!
自分に適したJavaフレームワークを活用しよう
Javaフレームワークについて、おすすめツールを中心にメリットやデメリットについても紹介しました。フレームワークには若干のデメリットはあるものの、作業の効率化をはじめデメリットを大きくカバーするメリットがあります。 Javaフレームワークにはたくさんの種類がありますので、皆さんも自分の環境に合ったフレームワークを選んでシステム構築に役立ててください。