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求められる自動化とその傾向

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求められる自動化とその傾向
この記事でわかること
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    こちらの記事は現役ネットワークエンジニアの方より寄稿いただいた記事となります。

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    本コラムについて

    今現在、無料で提供されるサービスは全てWebサイト上、つまりネットワークのある環境で行われている。
    そのシステム管理、サービス提供、速度の補填。これら全てを行うのは他でもない我々エンジニアである。
    少なくとも当コラムを読み始めようとしているあなたは、エンジニアとして仕事している人。またはIT全体に興味があり、エンジニアとして仕事を始めようとしている方だと思います。そこで今回はネットワークの技術知識、業界情報にフォーカスを当て、
    今後ネットワークエンジニアとしてどのようなスキルを磨き、どう歩んでいけば良いのか綴ります。
    ※本コラムは未経験から5年未満のエンジニアを対象としております。

    従来までのネットワークエンジニア

    Cisco

    求められる自動化とその傾向のイメージ

    ネットワークの業界は言わずと知れた「Cisco」社の製品が市場を占めている。
    2017年国内のネットワーク機器市場はCisco社のEthernetswitch,Router,企業向け無線LAN、各製品が46.6%のシェアを獲得した。これはIDC Japanが調査したベンダー別、支出額シェア実績より算出したデータだ。

    データからも読み取れるように、2018年現在までにおけるネットワークの機器市場はCisco社一強である。
    マーケットシェア理論では市場で41.7%以上をシェアすると安定目標値となり立場が安定し、地位が圧倒的有利になると言われている。

    ネットワークエンジニアとして今後40~50年間働き続けることを考えたときCisco社の製品は切っても切り離せない存在であり、学び続けなければいけないものであることがわかった。

    資格

    そんなCisco社が認定しているベンダー資格がシスコ技術者認定である。
    ネットワークエンジニアになるため資格は絶対必要なのかというと、資格は必要なく無資格でも働くことは出来るし、仕事を遂行することができる。
    しかし、上記にも記したように企業のネットワークでCisco機器を導入していない企業はないと言えるくらいCisco機器は浸透している。
    そのCisco製品を扱える技術力を証明できるのがシスコ技術者認定である。
    認定の種類には

    • Entyr(CCENT)
    • Associate(CCNA)
    • Professional(CCNP)
    • Expert(CCIE)
    • Architect(CCAr)

    という5つのレベルが存在する。
    未経験から始めようとする方はCCNPを取得していれば、少なくとも経験なしで構築工程から業務を始めることができる。
    また、経験を3年以上積んでいる方でも20代、30代の方はCCNPを取得、すでに取得している人でも、保持し続けることがネットワークエンジニアとして成長し続け、業界を生き抜くための必要材料となることは間違いないであろう。

    業界経験

    資格と経験は比例しない。これはエンジニア以外にも言えることだが、全ての職業において知識が経験に勝るものはないと言える。
    どんなに若くして苦労し知識があっても、先駆者達が作ってくれた土俵の上で働き仕事が成り立っている事実を忘れてはいけない。
    つまり、どんなに高度な資格を取得したとしても経験なきエンジニアは気を高くしてはいけないということである。

    もちろん業界に必要な知識や向上心、その努力自体はとても素晴らしいことである。故に誰も批判するものはいないが、能力の過信が業務において目を当てられない結果を招くこともある。
    経験を積むことが「精神的安定」を産み、緊急時の対応を遂行し信頼を得ていくものである。

    Routing&switching

    ネットワークが成り立つためには当然のことだがパソコン(コンピュータ)が必要だ。
    コンピュータの持つべき通信機能を国際標準化機構によって階層構造に分割し、策定されたものにOSI参照モデルがある。

    ネットワークエンジニアはその第2層(レイヤ2)、第3層(レイヤ3)にあたるデータ層、ネットワーク層のシステム構築や保守管理などを行う技術者である。
    本来ネットワーク専用機器を介してデータを送受信できるようにするための、ネットワークシステムを作るのがネットワークエンジニアであった。
    しかし「Cloud技術」「仮想化ソリューション」などの新しい技術の台頭により仕事の幅が広がった。
    ここでもCisco社製品が出てくるが、Cisco社が幅広い分野(レイヤ)に手を広げていることから、ネットワークエンジニアはトランスポート層(レイヤ4)~アプリケーション層(レイヤ7)までの知識が必要になった。

    正確には必要であることが浮き彫りになってきたと考えていいだろう。
    Switch,Router他、Firewall,IDS,LoadBalancer,各種認証サーバ、ネットワーク管理、監視装置など、実際に提案から携わることがある方はこれらの知識を有しているものである。
    近年、新技術の普及により以上の知識が必要となることが目に見えてきた。
    それらの知識を用いて、実際の現場ではどのような立ち回り方をするのかが大事なのかを記していく。

    コミュニケーション

    そもそもネットワークエンジニアは人との関わりが多い仕事でもある。
    エンジニアという響きからか、どうしてもコミュニケーションの下手な方が多いと考える方も傾向として一定数以上はいるように感じる。しかし、基本的に設計、提案では顧客からの要件、いわゆるクライアントからの依頼を受けてヒアリングする必要がある。
    また構築、保守部門では設計者やマネージャーへの確認、査閲。
    運用部門では各ノード利用者への意見交換などをしながら業務を遂行していく。
    さらにはトラブル時の対応能力が、ネットワークエンジニアにおいて最も重要な仕事の1つである。このトラブル時も、コミュニケーション能力は必須となる。
    つまり、ネットワークエンジニアにとっても、他の職種と同様コミュニケーション能力は重要な要素であり、継続して向上させるべき能力なのである。

    障害切り分け(トラブル対応)


    上述の通り、ネットワークエンジニアの重要な仕事の一つに障害切り分けがある。
    昨今、某S社で重大事故を起こしたことにより、ユーザに多大な影響を及ぼした。
    午後1時過ぎから障害が発生し、切り分けを完了、復旧したのが障害当日の18時以降である。
    如何に障害の切り分けが大事であるかを、エンジニアの方々は身をもって感じたであろう。
    一つの通信障害によって多大なる影響が出ることを認識して、作業に取り組むことが大事である。
    では、切り分け能力はどのようにして身につけることが出来るのか。
    これは、経験を積む以外ないのである。障害が発生した際、経験の少ないエンジニアはパニックに陥り、何をすべきかわからなくなる。逆に、熟練のエンジニアは何が起こっても常に落ち着き、これからどう対処すべきかを考え、行動することができる。この「精神的安定」は切り分け完了時間を短くする傾向にある。何故かというと起きた障害内容に対して確実に復旧に該当する答えを冷静に導き出すことができ、すぐさまその行動や作業に取り掛かれるからである。そこにプラスα知識が加わることでトラブル対応というものは迅速且つ正確に遂行できるものである。

    また、障害切り分け能力の経験値を積み重ねていくと、自分自身がマニュアルとなることもある。

    様々な障害を切り分けていく内に対応力が多岐化され、自身が考案した切り分け内容が実施されることもある。
    これは、日々のルーティン化されている業務についても同じことが言える。
    「再起動したパソコンが立ち上がらなくなった」「エクセルが開かない」「メールが送れない」など、こういったトラブルに対してもサービスデスクに全て丸投げするのではなく、原因を探ることが大事になってくる。
    「再起動したパソコンが立ち上がらなくなった」場合は、電源は刺さっているのか、ハード事態の問題なのか、最後に再起動した日はいつか等が挙げられる。
    「エクセルが開かない」場合は、officeのライセンスは切れていないのか、開こうとしているファイルは重複していないのか等が挙げられる。
    「メールが送れない」場合は、宛先のドメインは正確か、メールサーバのパスワードは間違っていないか等が挙げられる。上記は簡易的に書いたが問題となり得る原因は見つけようと思えばいくらでも見つけることが出来る。
    このように問題を絞り込む力を身に着けたということは、問題解決能力を身に着けたということである。これこそ自分自身がマニュアルとなる過程である。

    これが、今までのネットワークエンジニアとしての働き方である。
    この働き方にどのような問題があり、そしてなぜ問題なのか、それを自動化することによってどのようなメリットがあるのかを次の項で説明したい。

    自動化とは

    今やネットワークエンジニアの責任と負担は、大きいものとなってきている。
    煩雑なネットワーク機器の設定、運用やクライアントへの高価なサービス等の一部、または全てをコーディングし自動化することで、責任と負担を減らせれば良いというのが今のネットワークエンジニアとしての働き方だ。
    しかし、本当にネットワークの自動化とは簡単なものなのだろうか。
    そもそも「自動化」というもののイメージが湧かなければ、業務を自動化するのは難しいものである。
    日常にある自動化と言えば、「自動改札機」「自動販売機」など人の手を使わずして行うものが浮かび上がる。
    ネットワークの自動化も同様に、ネットワーク死活監視、トラフィック監視、アドレス管理、ルーティング管理など人の手によって反復されてきたものを排除または削減することである。
    現在の業務に主流となっているのが、bash,perlで書かれたスクリプトである。
    自動化スキルを身に着け本格化させるためには、「Python」や「Ansible」から始めるのが良い。
    Pythonはネットワーク装置の機能の見える化、作業手順書の作成工程の自動化などを可能にし、Ansibleはネットワーク運用自動化、障害の自動検出、設定の自動化などを可能にする。

    pythonの活用

    企業と時代が求めているものはネットワークとプログラミングの双方ができる人物である。
    ネットワークプログラマーになるために近道はない。地道にコードを書き、デバッグを繰り返し、課題に対して顕著に取り組む必要がある。
    そこでPythonの習得である。Pythonは様々なメリットがある。
    まずプログラミング初心者でもコードの記述量が少ないため読みやすく、書きやすい。
    ネットワークのみをやってきたエンジニアにとってはとても嬉しいことである。
    また、ネットワークの自動化に対しての、ライブラリやフレームワークが多く実装されている。
    さらに標準のライブラリに対して、外部ライブラリが存在する。
    「コミュニティによって作成」(Githubなどで)されたライブラリである。
    これらはパッケージ管理システム「pip」を利用したライブラリのインストール後、使用することが出来る。
    テンプレートファイルと変数を組み合わせて新たなテキストファイルを自動作成する、「テンプレートエンジン」や、1つの関数に対して値と求められる値を定義することで関数の実装の誤りを検出する「ユニットテスト」などがある。
    これらを最初から利用できる環境であれば、簡易的なネットワークの自動化も可能である。
    実際にネットワーク設計、検証の環境で使われているPythonがある。
    始まりは検証機器に対するtrafficやroute数負荷の確認からだった。
    一つ一つ目で追っていく作業に加え、間違えた場合、もう一度負荷の確認をしなければいけない反復作業である。これにPythonを使って一括管理をした結果作業効率が3~4倍以上になった。
    その他running configの保存作業、IF statusの状態確認、障害後のrouting tableの状態確認など様々なツールが作成され、自動化を行ってきた。
    これらのツールの利点は、情報管理の効率化、運用性の向上がある。
    業務的には小さなものだが、その積み重ねがネットワークプログラマーへの道であり、時代を生きていくための手段となっていると考えられる。

    自動化は不可能ではない

    このようなツールが開発されていく一方、「自動化できる環境がない」「エクセルのVBAの方が汎用性がある」「コードの発想が浮かばない」など自動化に対して後ろ向きな考えもある。
    なぜこのような考えがあるのか。これはエンジンニアにありがちな、過去のパターンの踏襲という非効率的な習慣がそうさせている。標準化が進む一方で、新しいツールは「リスク」が伴うということから、取り入れられることが少ないのが原因だ。
    確かに、商用の機器に対して新しいツールを使って、新たな施しをするのは中々受け入れ難いことだ。
    故に、まずは自動化する必要性があるのか否かの検討を立てるべきだ。自動化する必要性があるなら、その中でなるべく簡易的なもの、定常化しやすい、形骸化しやすい、規模が小さいものから手を付けるのがベストである。
    実績を積むことで、周囲の理解を得て始められることもある。
    しかし、納得してもらうまでのコストが異常に高いため、中々踏み出せない方が多々いるのも今の業界の現状である。

    時代の変化に取り残されるな

    以上が、「今までのネットワークエンジニアとしての働き方、知識」「これから求められ、必要とされる働き方、知識」どちらも必要不可欠であり、学び続けなければいけないものである。
    未知のものを恐れ、変化を回避し続けると、エンジニアとしては衰退することになる。
    これは、人間関係を構築する事と一緒で、まずは一旦受け入れることが大事である。
    例え、物事の秩序や求められるものが変化しても受け入れる、楽しむこと、それを意識し続けることが大事なことである。「変化”させられる”」、「自動化”される”」のではなく、「変化”する”」、「自動化”する”」側となって今後成長し続けるべきだ。

    最後になるが、エンジニアとしての生き方や考え方は千差万別であり、上記が全てとは言い切れない。
    しかし、時代は確実に変化し続け、自動化を求めている。今からでも遅くはないので、まずはコードを書き始め、ツールをひとつ作るところから始めてみることを筆者はお勧めする。

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