MaaSとは一体何のこと?MaaSのメリット4つやサービス例をご紹介!

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そもそもMaaSとは?

MaaSとはMobility as a Service(モビリティ・アズ・ア・サービス)の略で、ICT(情報通信技術)を使い、公共の交通機関を1つのサービスで完結させることを指します。例えば、MaaS適用のアプリなどにスマートフォンを使いアクセスすると、交通手段やルート検索、予約や決済といったサービスを簡単に済ませることができます。今後ますます成長する可能性のあるMaaSに今、注目が集まっています。

MaaS先進国の取り組みとは

今後、加速化する人口集中によって渋滞や排ガスなどのさまざまな環境問題が発生したり、地方における交通弱者の増加などの問題が懸念されています。MaaSはそのような問題を解決する手段として、近年国内でも注目が集まっています。

また、海外では日本国内よりもMaaSの導入が進んでおり、さまざまな事例があります。ここではMaaS先進国の取り組みをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

ドイツでの取り組み

ドイツではドイツ鉄道がMaaS事業の参入に積極的で、都市間や国際間輸送に対応したプラットフォーム「Qixxit」を開発しました。

Qixxitでは交通手段の検索、予約、決済まですべて行えるサービスです。もともとはドイツ国内のみでの使用に限られていましたが、現在は国境をまたぐ飛行機や長距離バスでの利用も可能となっており、利便性の高さから多くのユーザーが利用しています。

フィンランドでの取り組み

MaaSという概念の発祥の地でもあるフィンランドでは、さまざまなモビリティサービスの予約や決済が可能なスマホアプリの「Whim」が実用化されています。

Whimを開発したヘルシンキの「MaaS Global」は、MaaSの名付け親とも言われているベンチャー企業です。Whimは利用形態に応じて料金プランを選択すれば複数の交通経路が提示されるため、経路を選ぶだけで予約、決済まで一括で行えます。

イギリスでの取り組み

イギリスではフィンランドと同様にヘルシンキの「MaaS Global」がWhimでのサービスを開始しています。

2018年4月からイギリスでもWhimが利用できるようになりました。「MaaS Global」は将来的にはカナダやアメリカなどの北米市場でのサービス展開も視野に入れており、「MaaS Global」のサービスはフィンランドにとどまらず、拡大し続けています。

MaaSのメリット4つ

MaaSは鉄道やバス、飛行機やタクシーなどのあらゆる移動手段を対象とし、ルート検索や予約などをシームレスにつなぐことで移動を最適化するものです。

前述のとおり、海外のMaaS先進国ではすでにさまざまな部分で取り入れられているMaaSという考え方ですが、MaaSによって具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

ここではMaaS4つをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

1:高齢者の医療費の削減・地域活性化に繋がる

MaaSとは、高齢者の医療費の削減や地域活性化にも繋がるというメリットを持つものです。

公共の交通機関が不便な場合、免許の返納などによって移動手段が限られている高齢者は出かける機会が少なくなり、健康を損なう可能性もあります。その結果、医療費が増大することにもつながるでしょう。

しかしMaaSによって移動が便利になれば、高齢者も出かけやすくなります。そのため、医療費の削減や地域の活性化にも繋がります。

2:地方での交通費が安価になる

MaaSとは、地方での交通費が安価になるというメリットを持つものです。

MaaSによって公共交通の利便性が向上すれば、公共交通機関を利用する人が多くなり、事業者の収益も増加します。そのため、さらに便利になるようにデータ収集を行い、定額制など利用者がより安価に利用できるサービスも導入していくでしょう。

そのため、MaaSは地方の交通問題の解決だけでなく、交通費の減額にも繋がります。

3:都市・地方ともに交通環境を変えることが可能になる

MaaSとは、都市・地方ともに交通環境を変えられるというメリットを持つものです。

都市部では交通渋滞によりさまざまな問題が発生していますが、一方で地方では鉄道の多くが赤字に苦しんでおり、路線の廃線や事業からの撤退なども珍しくはありません。公共交通機関が不便になれば、車の運転ができない層の移動が困難になります。

MaaSとはそういった交通環境の問題を変える手立てになるものだと言えるでしょう。

4:企業が従業員に支給する交通費を一律にできる

MaaSとは、企業が従業員に支払う交通費を定額にできるというメリットを持つものです。

MaaSによって公共交通機関がより便利になれば、これまで自家用車によるマイカー通勤を行っていた層も公共交通機関を積極的に利用できるようになります。

そのため、これまで車通勤を行っていた従業員に対して毎月異なる交通費を支給していた企業も、定期代などの定額の交通費の支給が可能になるでしょう。

MaaSを活用したサービス例10選

MaaSを活用することでどのようなサービスが実現するのでしょうか。

MaaSが導入されれば交通機関の情報が集約され、予約から決済まで一括で完結できるようになるでしょう。さらに、これまでと違ったさまざまな利便性の高いサービスも実現可能になります。

ここではMaaSを活用したサービスの事例10選をご紹介しますので、どのようなサービスが実現できるのか参考にしてみてください。

1:ライドシェア

MaaSによるライドシェアは海外で急成長しています。

ライドシェアとは車をシェアするカーシェアとは異なり、運転手がいる車に会員同士が乗り合わせるサービスです。シェアリングエコノミーの中でもライドシェアは海外で大きな市場規模を誇っています。

MaaSでのライドシェアは車に乗りたい人と乗せたい人とをマッチングするサービスや、ドライバーとして登録している人による送迎サービスを提供します。

2:サイクルシェア

MaaSによるサイクルシェアはサイクルポートに設置している自転車を自由に利用できるサービスです。

各地に設置しているサイクルポートの自転車を、利用者が好きに借りたり返却したりできる共同利用システムです。

近年ではサイクルシェアアプリの開発なども活発化してきており、スマホアプリなどが充実してきたことにより、以前よりも利便性が向上しています。そのため、近年より注目されているモビリティです。

3:カーシェア

MaaSによるカーシェアは事業者が車を利用者に貸し出すサービスです。

自転車を借りるサイクルシェアと同じく自動車をいつでも気軽に借りることができるサービスで、利用者は自動車を他の会員と共有することで利用できます。

近年では個人間でのカーシェアや、従来よりも規模の小さなカーシェア事業も実現できるプラットフォームが登場しており、今後もカーシェア市場は拡大していくことが予想されています。

4:タクシーの相乗り

MaaSによるタクシーの相乗りは1台のタクシーに複数で乗り合わせるサービスです。

複数の乗客で相乗りすることで、タクシーの料金を割り勘することができます。また、タクシーの行き先が同じ乗客で相乗りするパターンだけでなく、個人のドライバーと車をシェアするパターンもあり、前述のライドシェアも同様の意味で用いられることがあります。

また、タクシーの相乗りは現在実証実験が進められています。

5:公共交通機関

MaaSではさまざまな公共交通機関の利用を1つのサービスで完結させることが可能です。

前述のとおり、MaaSを適用したアプリケーションを利用することで、バスや鉄道、地下鉄、飛行機、タクシーなどさまざまな公共交通機関を利用したルート検索や予約、乗車、決済などをスマホ上で簡単に済ませられるようになります。

そのため、都市や地方におけるさまざまな交通問題を解決することができるでしょう。

6:宅配・物流

MaaSによる宅配や物流は大手配送会社だけでなく新規参入まで幅広くサービスを展開しています。

宅配や物流業界のMaaSの事例としては、ヤマト運輸とディー・エヌ・エーによる次世代物流サービス「ロボネコヤマト」プロジェクトを進めています。「ロボネコヤマト」ではオンデマンド配送サービスや買い物代行サービスなどの自動運転車を利用した実証実験を行っています。

また、新規参入の事業者によるサービスも展開されています。

7:自動運転

近年開発が進められている自動運転技術もMaaSと密接に関係しています。

自動運転のシステム開発を行うには多くのデータが必要であり、非常にコストがかかります。そのため、自動運転の開発にはMaaSが活用されています。

MaaSを活用することでデータ収集が効率化できるため自動運転の開発も進み、さらに自動運転が実現することでMaaSの利便性も増すという相乗効果もあるでしょう。

8:飲食サービス

MaaSによる飲食サービスにはUber Eatsなどの宅配サービスなどがあります。

MaaSを利用した飲食サービスには、空きスペースを貸したいビルと飲食物の移動販売を行うフードトラックのマッチングを行うプラットフォーム事業や、提携している飲食店の料理を宅配するUber Eatsなどがあります。

今後もタクシーなどと連携して、レストラン情報などを提供するサービスなど飲食サービスは拡大していくでしょう。

9:シェアパーキング

MaaSによるシェアパーキングは全国の駐車場を時間単位で借りられるサービスです。

シェアパーキングは空き駐車場をシェアするサービスで、月極駐車場や空き地、個人の駐車場などを貸し借りできます。

近年ではキャッシュレス決済も実現できるシェアパーキングのサービスも登場しており、従来は対応が難しかったゲート開閉式駐車場などでもシェアパーキングが利用できるようになりました。

10:超小型モビリティ・パーソナルモビリディ

超小型モビリティやパーソナルモビリティなどのさまざまなモビリティがあります。

MaaSの利用事例として、ラストワンマイルを担う1人乗りの小型モビリティなどの開発や実証実験も進められています。

たとえば公道を走行するモビリティはもちろん、歩道でも走行可能なモビリティの種類も多くなってきており、現在は原付扱いとなっている電動キックボードについても規制緩和の動きがあります。

MaaSアプリの事例6つ

MaaSアプリにはどのような事例があるのか知りたいという方もいるのではないでしょうか。

MaaSアプリの事例は、「小田急電鉄のEMot」「トヨタ自動車のmy route」「西日本旅客鉄道のsetowa」「WILLERのWILLERS」「神姫バスのPassRu」「フィンランドのWhim」の6つが挙げられます。

ここではMaaSアプリの事例6つをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

1:小田急電鉄のEMot

MaaSアプリの事例1つ目は「小田急電鉄のEMot」です。「EMot」とは、小田急電鉄株式会社が開発する共通データ基盤「MaaS Japan」を活用したMaaSアプリです。このアプリの特徴は、既存のルート検索以外に、小田急電鉄がこれまで連携してきた観光施設(温泉旅館・飲食店など含む)や、商業施設、交通サービス網などを組み合わせて、総合的にユーザーに利便性とサービスを提供するという点です。

2:トヨタ自動車のmy route

MaaSアプリの事例2つ目は「トヨタ自動車のmy route」です。「my route」はマルチモーダルモビリティサービスです。交通事業者や旅行会社などと連携し、サービスの拡充と利便性の向上を図り全国に展開していきます。「my route」の特徴は、以下のようなものが挙げられます。・auスマートパスおよびauスマートパスプレミアム利用者を対象に、フリー乗車券が割引価格になる「my route for au」を提供している

3:西日本旅客鉄道のsetowa

MaaSアプリの事例3つ目は「西日本旅客鉄道のsetowa」です。「setowa」はダイムラー、BMW、アウディの独自動車大手3社の傘下にある地図会社ヒア・テクノロジーズが運営するMaaSアプリケーションです。このアプリの特徴は、英語やスペイン語など5カ国語に対応していることです。

4:WILLERのWILLERS

MaaSアプリの事例4つ目は「WILLERのWILLERS」です。このアプリの特徴は、旅の出発地から目的地へのルート検索ができることに加えて、ルート周辺に表示されたアクティビティや交通、観光スポットなどを目的地として追加することで、自分だけの旅の行程が完成することです。

5:神姫バスのPassRu

MaaSアプリの事例5つ目は「神姫バスのPassRu」です。このアプリの特徴は、チケット購入や乗車、各施設での買い物がお得になるクーポンも利用できる点です。チケットの種類には以下のようなものが挙げられます。・指定されたエリア内を自由に乗り降りできる「エリアパス」・エリアパスに加えて施設などで利用できるクーポン券がプラスされた「クーポンプラス」・券面に記載された区間をもぎり式で複数回利用できる「回数券」

6:フィンランドのWhim

MaaSアプリの事例6つ目は「フィンランドのWhim」です。このアプリの特徴は、展開エリアごとにさまざまな移動サービスが紐付けられている点と、アプリで出発地と目的地を設定すると最適な移動手段や経路を自動で提案してくれる点です。また、料金プランは、乗り放題プランなどによってさまざまな金額設定の中から選べます。

MaaSとはモビリティの効率化や経済効果などをもたらす

MaaSとはさまざまな交通手段を1つのサービスとしてシームレスに繋ぐ新しい概念です。

MaaS先進国ではすでに実用化されており、交通ルート検索、予約、決済まで簡単に行えるようになっています。

ぜひこの記事でご紹介したMaaSのメリットやMaaSを活用したサービス例、MaaSアプリの事例などを参考に、さまざまな交通に関する問題の解決に繋がるMaaSについて理解を深めてみてはいかがでしょうか。

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