
【C#とLINQ】Aggregateメソッドを使ってデータの集計をする方法
C#にはLINQという素晴らしい機能があり、LINQを使用することで配列、リスト、XMLなどのデータソースを「共通の構文で」「簡潔」に処理できます。今回はLINQの Aggregateメソッドの使い方を解説します。
- PG
- LINQのSumやMaxメソッドは、名前からして用途が分かりやすいですが、 Aggregate はどんな時に使用しますか?
- PL
- Aggregateは色々な用途の集計で使えます。一言では言い表せないので、これから1ずつ見ていきましょう。
目次
LINQのAggregateメソッドでできること
C#の Aggregate メソッドを使用すると、汎用的な集計ができます。 Aggregateメソッドは、他のプログラム言語では「畳み込み(fold)」などとも呼ばれます。
Aggregateメソッドの処理の流れは、以下のようになっています。
- 配列などのデータソースから1件ずつ要素を取り出す
- 引数で渡した関数を実行し、累積値を更新する
- 最終的な累積値を、 Aggregateメソッドの戻り値とする
上の解説だけではピンとこないと思いますが、具体的な例では、Aggregateメソッドを使用すると、数値の合計値や最大値、最小値を求める集計処理が行えます。
Aggregateメソッドを使用した集計 (C#サンプルコード)
AggregateメソッドはLINQのSum(合計)やMax(最大値)など、機能が明確で使い方が簡単なメソッドと比べて少し使い方が難しいメソッドです。サンプルコードを見ながら学んでいきましょう。
次のサンプルコードは、数値の配列の合計値を Aggregate メソッドを使って求めるコードです。
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using System.Linq; public class SampleClass { public static void Main(){ int[] source = { 10, 20, 40, 30 }; int ans = source.Aggregate((sum, n) => sum + n); System.Console.WriteLine("合計値:" + ans); } } |
実行結果
Aggregateメソッドの引数の変化を確認する
サンプルコードの実行結果を見ると、正しく数値配列の合計値が求めらていますが、なぜAggregateメソッドに指定する関数に、「n + sum」と書くだけで、合計値が求められるか不思議に思う方もいるでしょう。
Aggregateメソッドを理解する為には、メソッドに指定する関数【(n, sum) => n + sum)】の引数が、どのように変化するのかを知ると、理解が大きく進みます。
以下は、Aggregateメソッドに指定した関数の、引数の流れをまとめた表です。
呼出回数 | sum | n | 戻り値 |
1回目 | 10 | 20 | 30 |
2回目 | 30 | 40 | 70 |
3回目 | 70 | 30 | 100 |
1回目の呼び出しは、sumに配列1件目の要素、nに2件目の要素が設定されています。
2回目以降の呼び出しでは、sumに前の呼び出しの戻り値、nには配列の次の要素が設定されています。
このように、C#のAggregateメソッドは累積値を加算しながら、最終的に合計値を求めています。
- PG
- 実際に引数の流れを見るとAggregateメソッドが理解できました。
- PL
- Aggregateは、単に合計値を求めるだけでなく、もっと複雑な集計処理にも使えるから是非挑戦してみてくださいね。
LINQのAggregateをマスターして複雑な集計処理をシンプルに
LINQのAggregateメソッドの使い方を、C#のサンプルコードと共に解説してきました。今回は、数値配列の合計値を求めるシンプルな集計処理でしたが、Aggregateメソッドを使用すると、複雑な集計処理もシンプルなコードで書けるようになります。