Chromeのデベロッパーツールにおける11のパネル機能とは?メリットも解説

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そもそもChromeのデベロッパーツールとは何か


Chromeのデベロッパーツールとは、Chromeブラウザで利用できる開発者向けのツールです。

Webサイトの構成を確認する機能や、JavaScriptのデバッグ機能など、さまざまなツールを備えています。Webサイトの修正や更新の際に便利なツールのため、使い方を覚えれば作業効率を向上できるでしょう。

ここからは、Chromeのデベロッパーツールで利用できる各機能とは、ツールの用途とは、使用するメリットとは何かについて紹介していきます。

Chromeのデベロッパーツールにおける11のパネル機能


パネル機能とは、Chromeデベロッパーツールのタブ部分に表示されている機能のことで、クリックすることでそれぞれのパネルに切り替えることが可能です。

初期状態から多くの機能を備えており、その用途は多岐に渡ります。ここでは、よく使用されるパネルとはどのようなものがあるか、拡張機能で追加できるパネルとは何かについて紹介していきます。

それでは、デベロッパーツールにおける各パネルの概要と、その機能とはどのようなものかについて見ていきましょう。

1:Consoleパネル

Consoleパネルとは、Webページで発生しているエラーを閲覧したり、コマンドを実行したりできる機能を持ったパネルです。

ログを確認する役割のほか、JavaScriptのオブジェクトを操作できるため、変数の値を確認することも可能となっています。エラー解消やJavaScript等のデバッグに役立てられるでしょう。

2:Performanceパネル

Performanceパネルとは、Webページの表示速度を計算する機能を持ったパネルです。

表示速度を計測したいWebページでChromeのデベロッパーツールを開くと、Performanceパネルで速度の確認ができるようになります。

ページが完全に表示されるまでの速度や、処理時間の内訳を見られるため、Webページ表示の高速化に利用できる機能といえます。

3:Sourcesパネル

Sourcesパネルとは、JavaScriptやCSSをデバッグするための機能を持ったパネルです。

処理を一時停止できるブレークポイントが使用できるほか、ソースコードを直接編集する機能などデバッグに関する機能が豊富に取り揃えられています。Sourcesパネルは、Webページの修正を行う際に役立てられるでしょう。

4:Memoryパネル

Memoryパネルとは、メモリリーク対策のためなどにメモリ使用量を表示する機能を持ったパネルです。

Performanceパネルよりもメモリに関して詳細に調査可能であるため、用途によってはこちらのパネルが使用されます。JavaScriptなど、どの処理にどの程度のメモリが割り当てられているかをチェックできるようになっています。

5:Elementsパネル

Elementsパネルとは、HTMLのタグやCSSの要素を確認し、検証するための機能を持ったパネルです。検証したい箇所をソースコードから探すほか、Webページを直接クリックして要素を確認するという使いやすいモードも存在しています。

そのほか、CSSの属性ごとにオンオフの切り替えも可能で、視覚的にわかりやすくWebページを修正できるという特徴があります。

6:Networkパネル

Networkパネルとは、Webページを表示した際に通信された内容を確認できる機能を持ったパネルです。ページ表示の速度のほか、ページが使用しているテキストや画像データ、使用されたクッキーの情報などが確認できます。

通信内容については項目ごとに詳細な情報が取得できるため、ページ表示が遅くなっている原因の特定が可能です。

7:Securityパネル

Securityパネルとは、https通信が安全かどうかを確認する機能を持ったパネルです。

https通信が確立しているサイトの場合はサーバーで使用している証明書を閲覧できるほか、http通信で読み込んでしまっているWebページのリソース一覧を確認することもできます。

8:Applicationパネル

Applicationパネルとは、Webページが読み込んだリソースを確認する機能を持ったパネルです。データベースやキャッシュ、Cookieをはじめとして、画像やスタイルシートなども含んだ全てのリソースをチェックできます。

また、ストレージが使用されている割合を表示できるほか、ストレージのクリアも行える機能です。

9:Auditsパネル

Auditsパネルとは、Webページを最適化するための方法を提示する機能を持ったパネルです。

Webページの検証を行うことでページのパフォーマンスを低下させている要因を調査してくれます。この機能を使用することで、Webページの品質向上のためにできる具体的な手段を知ることができるため、Webサイトのパフォーマンスアップにつながるでしょう。

10:Reduxパネル

Reduxパネルとは、Redux開発向けの機能を持ったパネルです。

Reduxパネルは初期状態のChromeデベロッパーツールには存在しないため、利用するには拡張機能で追加する必要があります。chromeウェブストアで拡張機能「Redux DevTools」を追加してください。

11:Reactパネル

Reactパネルとは、React開発向けの機能を持ったパネルです。Reduxパネルと同じく、拡張機能を追加することで利用できるようになります。

chromeウェブストアで拡張機能「React Developer Tools」を追加する必要があります。

デベロッパーツールのメリット6つ


ここまでは各パネルの機能について紹介してきましたが、ここからはChromeデベロッパーツールを利用するメリットとは何か、ということについてお話ししていきます。

Webサイト開発を行う上で、便利な機能が多く取り揃えられている点、初心者でも使いやすくわかりやすい点など、多くのメリットがあります。

デベロッパーツールはWebサイトを作成、改修していく上で非常に優れているため、使いこなしたいツールです。各機能でできることは覚え、メリットを理解することで、可能な限りデベロッパーツールを活かしましょう。

1:他サイトのHTML・CSSの値確認が可能である

Chromeデベロッパーツールでは、現在表示しているWebページのHTML・CSSの内容を確認することができます。

Webページ製作にあたりサイトを参照したい時など、ソースコードを閲覧して参考にしたり、学習に使用したりという用途にも使えるでしょう。Webサイトの構成やデザインが気になった際は、デベロッパーツールを表示してみてください。

2:モバイル端末での表示確認が可能である

デベロッパーツールは、モバイル端末など異なる画面サイズの表示を確認する機能を備えています。Chromeデベロッパーツールを開き、パネル機能の左側にあるアイコンをクリックすると表示が切り替わり、画面サイズ切り替えができるようになります。

この機能はスマートフォンやタブレットサイズを指定できるほか、端末の機種別のさまざまな画面サイズ指定も可能です。

3:表示サイトのCSSの修正・確認が可能である

デベロッパーツールのElementsパネルでは、表示中のWebサイトのCSSを閲覧し、直接修正ができるようになっています。

特定の要素だけ非表示にしたり、要素の値を書き換えたときにどうなるかの変化をリアルタイムで表示します。Webサイトを修正する際に非常に有用な機能だといえます。

4:JavaScriptのエラーの確認が可能である

デベロッパーツールのConsolパネルでは、JavaScriptのエラー確認が可能となっています。

エラー内容が一覧で表示されるため、JavaScriptを使用して開発する際のデバッグにも利用できる機能です。Consolパネルではコマンドを使うこともできるため、ページ検証に役立てられるでしょう。

5:必要な機能が揃っている

デベロッパーツールは、Chromeに標準搭載されているツールながら、Webサイト開発に必要な機能がしっかりと揃えられています。

Webページの構成はもちろん、サイト自体の構成やソースコードの確認、デザイン要素の閲覧と編集、通信速度などのサイトパフォーマンスのチェックまで可能です。

6:初心者でも使いやすい

Chromeデベロッパーツールは、初心者でも使いやすいツールとなっています。

HTMLやCSSのソースコードを読むには慣れないと時間がかかってしまいますが、Elementsパネルの機能を使えばページのコンテンツをクリックするだけですぐに該当箇所を表示ができます。初心者でもページ修正箇所を容易に特定できるというのは、大きなメリットであるといえます。

デベロッパーツールの6つの使用事例


ここからは、Chromeデベロッパーツールの使用事例について紹介していきます。デベロッパーツールは、Webサイトの作成から修正、更新する際に非常に有用なツールです。

Webサイト関連の業務に使用できるだけでなく、HTMLやCSSの学習にも効果的のため、WebエンジニアからWebサイト作成を学びたい方まで活用することができます。それでは、デベロッパーツールの具体的な使用事例を見ていきましょう。

1:Webページの表示崩れの原因特定

Webページの表示崩れが起きた際の原因特定に、デベロッパーツールを使用します。Elementsパネルを使用することで、問題の箇所を見ながらCSSの要素を変更できるため、表示崩れに影響する要素が何なのかを調査できます。

また、スマートフォンやタブレットで表示崩れが起きた際にも各画面サイズでページを確認できるため、特定の環境での現象も再現することが可能です。

2:Webページのリニューアル・修正

Webページのリニューアルや修正を行う場合もデベロッパーツールを使用します。

表示崩れを修正する場合と同様に、ElementsパネルでCSSを変更しながら修正後の画面を見られるため、重宝する機能となっています。HTMLとそれに対応するCSSも見ながら作業できるため、リニューアルの際にも活用しやすいです。

3:ページ表示速度のチューニング

ページ表示速度のチューニングにも、デベロッパーツールを使用します。

Networkパネルでページを表示した時の通信内容や通信速度を確認できるため、表示する際にどの内容が速度遅延の原因となっているかを特定するのに用いられます。この機能を使用することで、ページ表示速度のチューニングが可能です。

4:他サイトのサイズ・タグの確認

自分が作成したサイト以外のソースコードを閲覧するのに、デベロッパーツールを使用します。現在表示しているWebページのHTMLとCSSが閲覧可能で、使用しているタグやそれに対応するCSSの要素に指定している数値を確認するのに利用できます。

CSSのソースを直接確認しなくても、HTMLのタグに適用されているCSSを見られるため、便利な機能です。

5:プログラミングの写経による学習

プログラミングを学習するのにソースコードを書き写す「写経」と呼ばれる学習にデベロッパーツールを活用できます。

何度か触れているように、Webサイトのソースコードを閲覧できるため、HTMLやCSSの学習に役立てられるツールとなっています。学習の目的に合わせてWebサイトを選択できることは、学習に有効な使い方であるといえるでしょう。

6:JavaScriptのバグ改修

JavaScriptのバグ改修にもデベロッパーツールが使用されます。ConsolパネルでJavaScriptのエラーが確認できるほか、Sourcesパネルでデバッグができるようになっているため、バグが起きている原因の特定やバグ解消にも用いられます。

ブレークポイントを設定し、任意の場所で処理を停止できるため、バグ改修に役立つでしょう。

デベロッパーツールを使う時の注意すべき事とは?


ここまではChromeデベロッパーツールの機能や使うメリットについてお話ししてきましたが、使用する際に注意すべきことは何かお話しします。

一つ目の注意点とは、日本語に対応しておらず、すべて英語表記であることから、機能に慣れたりある程度覚えたりする必要があることです。わからない部分は都度検索することが求められます。

二つ目の注意点とは、ソースコードを編集した場合にリロードすると、編集内容がすべて消えてしまうという点です。

こちらは、ある程度編集した時点でデベロッパーツールからローカルファイルに内容をコピーするなどして対応しましょう。

このような点に注意しながら使用すれば、デベロッパーツールを問題なく利用できます。

デベロッパーツールの機能やメリットとはどのようなものか理解しよう


Chromeのデベロッパーツールは非常に豊富な機能を備えており、たくさんの用途があります。それぞれの機能でできることはなにかを理解し、メリットとは何か理解することで、Webサイトに関連する業務や学習に大いに役立てられるでしょう。

デベロッパーツールは、初心者でも使い方さえ覚えてしまえば使いやすいツールとなっています。言語が英語のみであること、機能が豊富すぎることは初心者にとって壁のように感じるかもしれませんが、努力に見合った効果があります。

Webサイト開発に携わる人にとって有用なツールとなっていますので、積極的に利用し、活用してみましょう。

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