大幅にIT人材が不足している昨今、ゼロ・ひとり情シス化が増加しています。
本記事ではIT投資動向調査から、「ひとり情シス」や「ゼロ情シス」が増加している理由についてまとめました。
目次
調査の全体概要
デル株式会社は、約800社の中堅企業を対象に「IT投資動向調査」を行いました。
その結果、全体的にIT関連の予算が増えている一方、IT人員が減少傾向にあることが分かりました。
またセキュリティー事故を経験した企業なども増えています。
さらに中堅企業の約38%は情報システム担当者が1名以下の体制と回答しています。
これは2018年の調査からさらに増えており、IT専任担当者が全くいない「ゼロ情シス」も17%から18.8%に増えています。
専任情シスが減少したことにより、IT関係に所属していない人間が行う「兼任情シス」が56.6%にも上っています。
約半数の中堅企業が働き方改革に着手していますが、質的変革が伴っていないとの回答も多くなっています。
このことから働き方の質的改善は急務であることが分かります。
ひとり情シスやゼロ情シスが増加している理由
IT人材が全国的に不足していることにより、「ひとり情シス」や「ゼロ情シス」が増えています。
その理由としては、情シス要員の退職が激増していることが挙げられます。
人材不足の中、転職市場は活況化しており、情シス要員の約20%が退職している結果がでています。
その結果、兼任情シスが増えており、従業員数が100~200名未満の企業だと、その割合は69.4%にも上っています。
またITにかける時間も減少傾向にあり、新技術のプロジェクトにはなかなか取り組めていないことが分かっています。
ひとり情シスを行う人は「技術指向型」と「幹部指向型」の2つの傾向があるとされています。
技術指向型は技術を徹底的に研鑽し、どんなプロジェクトにも積極的に参加しますが、プロジェクトが一段落すると、別のキャリアを目指す傾向にあります。
幹部指向型は、長年ひとり情シスで経験を積み、経営に近いポジションにうつることを考える傾向にありますが、経営層へ転換するには時間がかかるため、結果的に良い条件を提示する他社のオファーへ心を寄せることが多いです。
働き方改革となる質的改善が急務
IT系の人材が不足する昨今、ひとり情シスやゼロ情シスが増加しています。
その結果兼任者情シスが増えており、新技術のプロジェクトに苦慮する企業も多いという結果になっています。
そのため約半数の中堅企業が働き方改革に着手しています。
しかし約4割が「何も変わっていない」との反応を示していることから、質的改善が伴うのはまだ時間がかかるとされています。
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