近年、サーバーやストレージだけでなく、ネットワークの仮想化を行う企業が増えています。
今回はネットワークの仮想化にはどんなメリットがあるのか、どんなサービスがあるのかなどをご紹介します。
ネットワーク仮想化のメリット
ネットワークの仮想化とは、物理ネットワーク回線や物理ネットワーク機器をソフトウェアによって構築することです。
では、ネットワークを仮想化するメリットにはどのようなものが考えられるのでしょうか。
導入・設定が簡単
ネットワークを仮想化することでスイッチやルーター、ファイアウォールなどの物理的な機器を設置する必要はありません。
設置場所や配線など物理的な環境を考える必要もないので、設定や導入が従来と比べて容易に行えます。
管理も簡単
ネットワークの仮想化で、仮想ネットワークと物理ネットワークを一元的に管理できるようになります。
一元的に管理することで運用や監視、トラブル対応も容易になります。
データセンターキャパシティの増減が調整可能
オンラインゲームや動画配信サービスを提供しているデータセンターでは、急激なトラフィックの増減が起こることもあります。
その際に物理ネットワークではネットワーク帯域の増減が難しいとされていました。
それを仮想化させることで仮想ネットワークなどに影響を与えず、ネットワーク帯域の増減が可能になったのです。
セキュリティの向上
マイクロセグメンテーションなどによってセキュリティが向上するため、セキュリティ強化を目的としてネットワークの仮想化を行う企業もあります。
クラウドのVPCサービスを紹介
Virtual Private Cloud(VPC)
Googleが提供するVPCサービスです。
Virtual Private Cloudを使うことで、ワークロードがグローバルやリージョン別にどのように接続するかを調整・制御可能です。
またGoogle Cloud Platform(GCP)にオンプレミスなどのリソースを接続すると、管理ポリシーなどを複製しなくてもVPCにアクセスできます。
出典元:GoogleCloud「VIRTUAL PRIVATE CLOUD(VPC)」
Amazon VPC
Amazonが提供するVPCサービスです。
ユーザーが定義した仮想ネットワーク内のAWSリソースを起動できます。
ネットワーク設定を簡単にカスタマイズできるのが特徴です。
例えば、インターネットにアクセスしたウェブサーバーのパブリックサブネットを作り、それをインターネットにアクセスがないプライベートサブネットに配置できます。
出典元:Amazon「Amazon Virtual Private Cloud」
物理環境に依存しないネットワーク構築
ネットワーク仮想化は物理的な機器を必要としないため、従来のものより容易に素早く導入できるのがメリットです。
またネットワークの保守や運用、管理のコストも削減することが可能なので、今後も導入が増えることが予想されます。